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「人間関係リセット症候群」は悪いこと?リセットした方が良い状況もある!

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

本日のテーマは人間関係リセット症候群です。

人間関係リセット症候群とは正式病名ではありません。しかし、人間関係を定期的にリセットしてしまう悩みを抱える方が多くこのように呼ばれています。

「人間関係リセット症候群」に陥ると、突然音信不通になったり、仕事を辞めたり、引っ越しをしたりしてしまうのです。

周囲から見れば、何らかの精神的な病を発症しているのでは?と考えてしまいがちですが、人間関係リセット症候群は特に治療が必要な病ではなく、つらい時に人が陥りがちな心理状態と言えます。

本人にとってはつらくて仕方がない状況なので、自分を守るために「逃げる」選択をしたとも言えるでしょう。

しかし、決してネガティブな選択とは限らず状況によっては、人間関係をリセットすることで人生が開けることもあります。

今回は「人間関係リセット症候群」になるとどのような言動をとってしまうのか?また、人間関係をリセットした方が良い場合とはどのような状況なのか?について考えてみたいと思います。

「人間関係リセット症候群」に陥るとどのような言動を取るのか?

「人付き合いがイヤになった」「一からやり直したい」「疲れた」などと考えるようになると、急に面倒くさくなり、現状をリセットしたくなることがありませんか?

あれこれと深く考えることなく、気づけばLINEをブロックしたり、連絡先を消去したりしているなんてことも…。

では、「人間関係リセット症候群」に陥ると、具体的にどのような言動をとってしまうのでしょうか?

・仕事を辞める

どんな仕事でも断らず、真面目にコツコツやってきたという人に限って、急に退職してしまうことがあります。

ある日突然、タグが外れたかのように何もかもがイヤになり、現状が許せなくなり出社拒否をしてしまったという経験がある方や、そのような状況に陥った人を見たことがあるという方もいるのではないでしょうか。

本人にしてみれば、つらい状況を耐え抜き、我慢を重ねた結果、八方ふさがりになり、やむを得ずこのような手段を取ったのだという言い分があるのかもしれませんが、周囲からすれば、「何の前触れもなく急に辞めてしまった」「迷惑を被った」「自分勝手な人だ」と思われてしまうことがあるかもしれません。

・連絡先を変える

今まで連絡を取り合っていたのに、「急に電話が通じなくなった」「LINEの既読がつかない」「メールが届かない」といった場合は、残念ながら連絡を拒否されているのかもしれません。

おそらく本人は、人付き合いに疲れて誰とも連絡を取りたくないと思っている可能性が高いと言えます。

どうしても本人と連絡を取らなければならない場合を除いては、無理に本人と接触しない方がいいのかもしれません。

もし拒否された側になったとしても「自分が悪かった?」「私のせい?」と自分を責めないようにしましょう。

あなたが悪いわけではなく、本人の問題であることも大いにあります。

・繰り返し引っ越しをする

誰にも行き先を告げずに引っ越しをしてしまうことがあります。

本人にとっては住む場所を変えて、周りの環境を一新したいという強い心理状態だと言えますが、せめて親族や親しい間柄にある人にだけは転居先を伝えておく方が良いでしょう。

人間関係をリセットした方が良い場合とは?

「人間関係リセット症候群」に陥ると周囲に迷惑がかかることをベースに解説してきましたが、ここからは人間関係をリセットした方が良い場合について解説していきたいと思います。

人間関係をリセットすることは、どうしてもネガティブな印象がありますが、リセットすると「自分らしい生き方」につながる場合もあります。

・ずっと我慢し続けてきた

いつも自己犠牲をして仕事も付き合いも引き受けてきたけれど、周囲からは当然だと思われているということはありませんか?

あなた自身が周囲から虐げられていたり、ないがしろにされたりしている場合は現状の環境を見直した方が良いかもしれません。

・ブラック企業に勤めている

長時間労働やうやむやな雇用契約、ハラスメントが横行しているいわゆるブラック企業に勤めていて、心身を酷使しつらい思いをしている場合は早めに見切りをつけた方が賢明かもしれません。

・身に危険が迫っている

家族、友人、仕事の人間関係など、人はそれぞれのコミュニティに属していますが、その環境が自分にとってそぐわず、身に危険を感じるようなものであれば、すぐに逃げる選択をする方が良いでしょう。

たとえば、虐待やDV、ストーカー被害などが該当するかと思います。

・心の病を患っている

長年の我慢が蓄積し、心の病を発症してしまったという場合には、今の自分を取り巻く環境を客観視してみることをオススメします。

何が原因か分からないという場合も、不安や心配になっていることを一つ一つ解決していくことが大切です。

まとめ

今回は「人間関係リセット症候群」についてのネガティブな面と、リセットした方が良いというポジティブな面について解説してみました。

リセットを選択する場合には、自身が置かれている立場や状況、タイミングを見極め、できるだけあなたが今後も付き合っていきたいと思う人に、迷惑がかからないようにすることが大切だと言えるでしょう。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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