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放っておくと危険?自律神経失調症の特徴と整えるためのセルフケア方法

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

自律神経失調症とは、不規則な生活やストレスが原因で心身に不調が起こる状態のことをいいます。

「最近身体がだるい」「ずっと疲れが取れない」「頭痛や動悸がする」などの症状が出ている場合、自律神経が乱れている可能性が高いので注意が必要です。

今回の記事では、自律神経失調症の特徴、交感神経と副交感神経の役割、自律神経を整えるためのセルフケア方法について紹介します。

自律神経失調症とは?

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで引き起こされます。

自律神経が乱れる原因は、不規則な生活習慣のほか、環境的ストレスや身体的ストレス、精神的ストレスが原因になることがあります。

症状は人によってさまざまですが、頭痛や肩こり、目眩、倦怠感、食欲不振や集中力の低下など複数の症状が現れる人もいます。

交感神経と副交感神経の役割

交感神経の役割

交感神経は臓器や器官など、身体の働きを向上させる神経です。

主な役割は、血管の収縮、呼吸が速く浅くなる、心拍数や血圧の上昇などがあります。

また、交感神経が働いているときは胃が弛緩して消化が抑制されるので、便秘になりやすくなります。

交感神経は日中活動しているときや興奮したとき、危険やストレスを感じたときにスイッチが入るようになっており、交感神経が過度に優位になると、頭痛や目眩、便秘や下痢、体温調整がうまくいかないなどの不調が起こることがあります。

副交感神経の役割

副交感神経は心身がリラックスしていたり、おやすみモードになっているときに優位になる神経です。

リラックスしているときに脈や呼吸が遅くなるのは、副交感神経が働いているからです。

また、副交感神経は消化吸収を促進させる働きを持っています。

副交感神経はリラックスしたりゆったりしているときに優位になるので、有意になりすぎると身体に不調が現れることもあるため交感神経と副交感神経のバランスが大切なのです。

自律神経を整えるセルフケア

適度な運動を習慣づける

自律神経を整えるために、適度な運動を習慣づけましょう。

ウォーキングなどの有酸素運動は交感神経を活発にさせるので、自律神経のスイッチを切り替えるためにも早朝に軽い散歩をすることがおすすめです。

忙しくてジムに行く時間がない場合は、電車を一駅手前で降りて歩く時間を増やすだけでも良い運動になるでしょう。

また、入浴後はゆっくり呼吸をしながらストレッチやヨガを行うことで、副交感神経が優位になり睡眠の質が向上します。

仕事やプライベートで無理をしない

長時間労働や疲労、ストレスは自律神経が乱れる大きな原因になります。

脳や肉体に疲れが蓄積すると、自律神経をコントロールすることができなくなると考えられています。

忙しいのに無理をして同僚の仕事を手伝ったり、断れなくて休日出勤をしてしまったり、心当たりがある人もいるのではないでしょうか。

仕事の疲れが取れないまま休日に夜ふかしや遊びの予定をたくさん入れている人も、自律神経を崩す可能性があるので注意しましょう。

ゆっくりお風呂に浸かって睡眠をとり、心身を休める時間を意識して設けることが大切です。

就寝3時間前までに夕食をとる

就寝直前の食事は胃腸に負担がかかるだけでなく、副交感神経が活発になり、消化活動を亢進するために働くことになります。

その結果、睡眠の質の低下や自律神経の乱れに繋がる可能性があるので注意しましょう。

食べ物の消化には2〜3時間かかるので、就寝3時間前には食べ終えていることが理想です。

仕事で帰宅が遅くなる場合は、うどんや温野菜など消化の良い軽いものを中心に夕食を摂りましょう。

胃腸の負担を軽減させることで、スムーズに眠りにつきやすくなります。

カフェインを摂り過ぎない

仕事や眠気覚ましのためにコーヒーや紅茶を普段から過剰に摂取している人は、カフェインの量を減らすように意識しましょう。

カフェインを摂取すると、中枢神経が刺激されて交感神経が優位になります。

多少の量であれば問題ありませんが、過剰摂取は自律神経に悪影響を及ぼす恐れがあるので控えましょう。

また、カフェインは動悸や頭痛、不眠、不安感なども引き起こす可能性があります。

欧州食品安全機関(EFSA)では、成人の健康を阻害しないカフェインの量を1日400mg(コーヒー4〜5杯程度)としています。

睡眠の質を高める

睡眠の質を高めることは、自律神経を整える上でとても重要です。

睡眠は記憶の整理や定着をおこなうレム睡眠と、脳や肉体を休めるための深い睡眠と呼ばれるノンレム睡眠に分けられます。

ノンレム睡眠は入眠後に一気に深い眠りに入り、その後時間の経過と共に眠りが浅くなり、レム睡眠へと移行します。

このような睡眠の移行は、90分周期で一晩に3〜5回繰り返されます。

自律神経を整えるためには、ノンレム睡眠をいかに質の高いものにするかが大切です。

特に最初のノンレム睡眠を良質なものにするためにも、就寝2時間前くらいに38〜40度のぬるめのお風呂にゆっくり浸かることがおすすめです。

スマートフォンは交感神経を優位にしてしまい不眠に繋がるので、なるべく早めに電源を切るか、ベッドから手の届かない位置に置くようにしましょう。

まとめ

自律神経失調症は、生活リズムを整えたりストレスを緩和させることで症状が改善されることがほとんどです。

しかし、生活を見直してもつらい症状が続いている場合は、自律神経失調症以外の病気の可能性もありますので、一度病院で検査を受けてみることがおすすめです。

原因不明の不調が続いている、気分が落ち込んで抑うつ状態になっている人は、一人で抱え込まずにお近くの精神科や心療内科に相談しましょう。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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