Yahoo!ニュース

強い不安は『不安神経症』が原因?うつ病との違いや不安への対処法について紹介

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

強すぎる不安で体調を崩してしまったり、心配事が頭から離れず日常に支障が出て悩むことはありませんか?

そのような状態で悩んでいる人は、もしかしたら『不安神経症』の可能性があるかもしれません。

周囲からは「心配しすぎ」だと思われてしまうことも多く、悩みを自分の中にだけ押し込めて我慢してしまう人も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、不安神経症の原因、うつ病との違い、治療法や対処法について紹介します。

不安神経症の症状

不安神経症とは日常の中でさまざまな強い不安を感じ、それによって心身に不調が現れる病気です。

他人からは「気にしすぎ」「そんなことで悩んでるの?」と言われ、なかなか理解を得られず、長期的に悩んでいる人もたくさんいます。

ここでは、不安神経症の主な症状を紹介します。

・理由もなく漠然とした不安が続いている
・神経が過敏になったように感じる
・緊張で体調を崩してしまう
・集中力や注意力が低下していると感じる
・頭がぼんやりして些細なミスが増えた
・考えても無駄だとわかっているのにその考えが頭から離れない
・心配ごとや不安なことが頭から離れない
・不安の感情を自分ではコントロールできない

日常の中の些細な出来事に対しても不安や心配を感じ、その不安によって行動が制限されることがあります。

また、「失敗したらどうしよう」「事故が起きたらどうしよう」などといった起きてもいない出来事に不安を感じて、食欲が進まなくなったり夜に寝付けなくなったり、日常生活に支障が出ることもあります。

不安神経症の原因

不安神経症は、心理的なストレスが引き金となって発症すると考えられていますが、誰しもなりうる病気です。

悩みや不安、過剰なストレス、ショックな出来事、環境の変化など様々なものが原因として挙げられます。

また、神経質な性格、気にしやすい性格、ストレスへの抵抗力が低いなどといった性格が関係している場合もあります。

そのほかにも過労や睡眠不足、体調の悪化などの身体的ストレスによって発症するケースも多いです。

会社でいじめを受けている、身近な人の死を経験した、信頼している人に裏切られたなどといったさまざまな人生経験によって不安神経症を発症する人もいます。

不安神経症とうつ病の違い

不安神経症は、強い不安によって心身に症状が現れ、日常生活に支障が出る心の病気です。

それに対してうつ病は、憂うつな気分や無気力な状態が続く、死にたいと思うことがある、何に対しても興味が湧かなくなるといった症状があります。

不安神経症とうつ病は異なる病気ですが、不安神経症の症状が重たくなるとうつ病を併発してしまう可能性は十分にあります。

「他の人より不安になりやすいだけ」だと思い込んで発見が遅れてしまうことが多く、我慢しすぎた結果、うつ病を発症する恐れがあるので注意が必要です。

不安神経症は治る?

不安神経症は、不安の原因を見つけてしっかり治療と療養をおこなうことで症状を緩和させることが可能です。

強すぎる不安は病気によるものだと受け入れて、なるべく初期症状がでている段階で心療内科や精神科を受診しましょう。

また、自律神経の乱れが不安神経症を引き起こしている可能性もあるので、生活習慣を見直して免疫力を向上させていくことが大切です。

十分な睡眠時間の確保、バランスの良い食事、適度な運動を意識して心身を整えましょう。

不安神経症の治療

不安神経症の治療は、薬物療法と精神療法、カウンセリングを中心に進めていきます。

薬物療法では、強すぎる不安や恐怖心を抑えるための抗不安薬を主に使用します。

抗うつ薬や抗不安薬などの種類があり、症状に合わせて適切な量が処方されます。

薬を飲んで一時的に不安が改善されたからといって勝手に服用をやめたりせず、医師の指導のもとで適切な量を服用しましょう。

精神療法や認知行動療法では、不安になりやすい思考パターンや恐怖心へのイメージを少しずつ修正しながら、不安の感情をコントロールできるようにしていきます。

また、専門家のカウンセリングを受けて、悩みやストレス、不安を解消していくためにはどうすれば良いのか考えていくことも大切です。

不安への対処法

不安になりやすい人は、生活習慣の見直し、見落としがちだったりするカフェインの量を調整するようにしましょう。

カフェインの摂りすぎは不安を誘発する可能性があり、不安神経症の人が多量のカフェインを摂取すると症状が悪化する恐れがあります。

また、呼吸法の実践や軽いストレッチは、不安を軽減させる効果が期待できます。

軽いストレッチをしたあと、ゆっくり息を吸って時間をかけて吐き出すという呼吸法を数回繰り返すことで不安や緊張が落ち着くでしょう。

まとめ

今回は不安神経症の症状、うつ病との違い、原因や治療法などについて紹介しました。

「気にしすぎかも」「心配性なだけ」だと思い込んで、不安神経症の症状を見落としてしまう人もいます。

しかし、症状が重くなるとうつ病を併発してしまう可能性があるため、強すぎる不安やコントロールできない恐怖心があるときは、我慢せずになるべく早めに精神科や心療内科を受診しましょう。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?

「他人の顔色ばかりみてクタクタ」

「自分の意思で生きられない」

「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」

そんな他人軸に悩むあなたは私のブログ(外部リンク)をチェックしてくださいね。

あなたが「自分軸で気楽に生きられるようになる」ことを応援しています♪

精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

精神科医しょうの最近の記事