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まさか笑顔うつ病を発症しやすい人の『共通点』とは!?弱さを許されない立場が…

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

笑顔うつ病という病をご存知ですか?正式病名ではありませんが、笑顔を作れるけども抑うつ症状に悩んでいる方というのは数多くいるんです。

表向きにはうつ病を患っているようには見えない笑顔うつ病を発症する人は、共通する特徴として過去や環境に辛いものを抱えている傾向があります。

子どもだとしても誰かに頼ることができない家庭の中で育った、周りからしっかりしている人と見られて頼りにされる環境の中にいるなどすると発症リスクが高いです。

気持ちがいくら沈んでいても表情には絶対出さないというあなたは、自分の心の状態を明るみに出さない微笑みうつ病にかかっているのかもしれません。

あなたの体験した過去や置かれている環境の中に、あなたの心を疼かせる辛さが隠れていないでしょうか?

笑顔うつ病は人前で笑顔のお面を被る心の病

笑顔うつ病は精神面の状態が表情や態度に出やすい心の病の中では少々特殊で、「もう嫌」「もう全部投げ出したい」 気持ちがあっても人前では笑顔のお面を被るのです。

笑った顔は人の表情の中で最も明るい雰囲気を出せるため、この病気に知らずにかかっている人は心の状態を周りに悟られたくなく一番元気に見える表情を作ります。

笑っていれば周りの人たちも「いつもと変わらず元気そうだな」と感じて、ニコニコしている本人の内面が秘かに暗く病んでいるとは考えません。

心の病全般は自分の心の動きに引きずられて明るい表情ができないものなのですが、笑顔のお面を被る微笑うつ病は自分の心と浮かべる表情を引き離すことができます。

笑顔うつ病の人は心の状態に特徴がある

笑顔のお面が特徴の笑顔うつ病は症状だけ見ると、自分の気持ちに振り回されずに人前では普通でいようとしているだけなので「問題ないのでは?」と思う人もいるでしょう。

笑顔うつ病の人は他人が関わる面では細かく気を配り作業も丁寧に行いますが、自分だけの面になるとやる気もなくなり行動も適当になりがちです。

精神的疲労などから自分に対しての関心が向かなくなり、意識的に自分を世話する気が失せて食事もお風呂なども面倒くさくてどうでもいいと思うようになります。

笑顔のお面を被る心の病気はこのような心の状態が慢性的に続きやすく、うつ病に見られる自分へのネグレスト行為に該当するので軽視は危険です。

落ち込んでいても人前では様子を見せない行動は大人の振る舞いの一つとも言え、笑顔で表面的に元気を装うとすることは心の病気ではないと感じられるかもしれません。

心の状態から見れば確実に精神的な異変が起こっているので、人前ではテキパキできても一人になると何もする気が起きないという人は自分に注意を向けましょう。

過去や環境に辛い要素があると発症しやすい

笑顔うつ病は自分の弱い気持ちを外に出すと支障があるなど、そういった辛い過去や環境を持つ人が発症しやすい特徴があります。

  • 両親が厳しく泣き言を口にしたりすると小さな子どもであっても、「甘ったれるな」ときつい言葉で叱るので辛いことがあっても言えなかった
  • 他の兄妹姉妹にばかり親の関心と期待が向いていて、何があっても自分だけは心配してもらえなかった
  • 仕事で評価されていて何でもできると思われて、仕事の悩みや困り事を周りに相談することができない
  • 仕事で部下を持つ立場を任されていて部下からは助けを求められるが、自分には助けを求められる相手がいない

親からの温かい愛情や庇護を実感できない複雑な家庭環境で育った人や、仕事で周りに頼れる状況にない人が笑顔のお面を被りやすいです。

心が苦しいとき言葉や表情に出しても咎められなかったか、その行動を認めてもらえたかが心の状態を表面に示す・示さないを決めるものになるのでしょう。

弱さを許されない立場が笑顔を浮かばせる

過去や環境の影響から「自分は弱さや甘えを人にさらけ出してはダメなんだ」と、自分が弱さを許されない立場にいると思うと心がうつ気味のときでも笑顔を浮かべます。

精神面に刻まれたトラウマや強い責任感が弱さを見せることを止めさせ、強制的に自分が最も元気に見える笑顔の表情を作らせているのです。

「弱音を吐いたら人に頼ったら、きっと相手に呆れられて煙たがられる」など、マイナスな展開をイメージしてしまい病んだ心を表には出すまいとします。

笑顔うつ病の人が浮かべる本当の心とは真逆の笑顔は、精神的に追い詰められた人にとっての唯一の逃げ道なのかもしれません。

心の我慢をやめるが笑顔うつ病の最大の克服方法

笑顔うつ病を含めて心の病は再発リスクが高い病気なので、病院での治療を受けつつも自分にした心の我慢をやめる努力が病気の克服に必要です。

耐えられないほどの心の苦しみや痛みを言葉や表情に出すのは、決して忌むべき悪い行為ではありません。

いまの自分の心の状態に従い心情を表すものを顔に浮かべることも、あなたの心を再度病ませないための最大の予防策になります。

うつ病時の笑顔は自分を守ってくれるものではない

笑顔うつ病の偽りの笑顔はあなたを他人の目から守るためですが、その笑顔は本当に自分を守ってくれるものではありません。

笑うのはあなたの心が沈んでいることを周りに気づかせたくないからでも、意識のどこかでは「本当の私は元気なんて全然ないのに」という虚しさがあるものです。

無理に明るい表情を作るのはあなたに大きな負担をかけ、逆に精神のストレスを増やしあなたをさらに追い詰めます。

うつ病の時に嘘の笑顔を浮かべるのはこのようにストレスがかかるので、決して無理なさらないでほしいと思います。

まとめ

笑顔うつ病にかかる人に多い特徴として、甘えや弱さを見せられない過去や環境を持っています。

落ち込んでいても人前では元気に笑っているあなたは、自分の過去や環境を振り返ってみてください。

病気を発症させる辛い要素があると気づいたら、あなたの心のために医師に心の悲鳴を明かしうつを治しましょう。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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