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当てはまる?自律神経失調症の症状チェックと改善法について

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

自律神経のバランスが乱れることによって、引き起こされる心身の不調を『自律神経失調症』といいます。

自律神経失調症の症状はさまざまですが、中にはひどい症状に悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

気分の落ち込みや体調不良が続くと、何かの病気なのかもしれないと不安になりますよね。

この記事では、自律神経失調症の症状や改善方法、過ごし方のポイントなどについて紹介します。

自律神経失調症の症状チェック

自律神経失調症の症状や現れ方は人によってさまざまで、腹痛や頭痛だけがひどい人もいれば、いくつかの症状が同時に現れるという人もいます。

以下で自律神経失調症による精神症状・身体症状について特徴を紹介します。

当てはまっているものがあるかチェックしてみましょう。

精神症状
・気分がすっきりしない、憂うつな気分が続いている
・不安感や焦燥感、イライラなどによって情緒が安定しない
・集中力の低下、やる気がでない
・考え事や不安などで寝つきが悪い
・気分が落ち着かない
身体症状
・頭痛、頭が重たい、頭がぼんやりする
・倦怠感、顔や体のほてり、発汗
・腹痛、お腹の張り
・下痢、便秘
・胸の痛み、圧迫感、胸が詰まるような感覚
・めまい、耳鳴り
・肩こり、腰痛
・手足の震え

自律神経失調症の「ひどい症状」は病気のサイン?

自律神経失調症の症状は多岐に渡るため、「大きな病気かもしれない」と不安になり病院を受診する人もいると思います。

しかし自律神経失調症は、検査をしても特に体に異常が見つからないことが多いため、どこも悪いところはないと判断されてしまうケースが多々あります。

原因がわからないことや周囲に理解されにくいことから気分が落ち込み、ますます症状が悪化することも少なくありません。

やがて症状がひどくなり、こころの病気になってしまう場合もあります。

自律神経失調症は、「気のせい」ではなく放っておいても良くなることはありません。

症状を改善させるためには、原因となっているストレスや生活習慣の乱れに自分自身が気付いて感情をコントロールしたり、少しずつ生活リズムを直していくことが大切です。

また、自律神経失調症によって身体症状や精神症状が現れ、生活に大きな支障をきたしている場合は、ほかの病気が隠れている可能性があるかもしれません。

そのような場合は、無理をせずに早めに病院を受診するようにしましょう。

自律神経失調症の原因

ストレスや生活習慣の乱れ

自律神経失調症の原因は特定されていませんが、主に「ストレスや生活習慣の乱れ」が影響していると言われています。

緊張すると発汗したりお腹が痛くなって下痢をしたり、手足が冷たくなるような感覚になることは誰でも経験したことがあるかと思います。

ストレスや悩み事があるときは眠れなくなったり、食欲がなくなったりすることもあるのではないでしょうか。

これらの心身の状態は誰にでも起こり得る反応ですが、この反応が過剰になりすぎたり長期化してしまうと私たちの体は限界を超えてしまいます。

その結果、強いストレスによってホルモンバランスや自律神経の乱れを引き起こし、心身にさまざまな症状が現れ始めます。

また、ストレスを抱えている状態だと生活習慣も乱れがちになってしまう人も多いかと思います。

夜間の暴食や夜ふかし、アルコールや喫煙などをしてしまう習慣がある人は自律神経失調症になる可能性が高いので注意が必要です。

性格や気質の影響

その人がもともと持っている性格や気質が、自律神経の乱れを引き起こしてしまう場合もあります。

緊張しやすい、お腹を壊しやすい、気持ちの切り替えがうまくできない、頼まれるとノーと言えない、神経質、細かいことをいつまでも気にしてしまうなどの性格の人は、他の人よりもストレスに弱い傾向があるため、交感神経が優位になりやすく自律神経の乱れに繋がることがあります。

また、環境の変化になかなか適応することができない、新しい環境になると自分らしく振る舞うことができないといった性格の人も注意が必要です。

近年、HSPという言葉がよく聞かれるようになりましたが、HSPの人も刺激に弱くストレスを感じやすい傾向があるので、自律神経の乱れには気をつけなければなりません。

自律神経失調症の改善方法

自分に合ったストレス解消法を見つける

自律神経失調症はストレスによって引き起こされることが多いため、自分に合ったストレス解消法を見つけ、適度に気分転換することが改善方法として有効的です。

気軽にできるストレス解消法について、いくつか紹介します。

・植物を育てる

・音楽鑑賞、カラオケ

・散歩、ウォーキング

・映画鑑賞

・読書

・アロマセラピー

・編み物、手芸

・イラスト、創作

・カフェ巡り

・ヨガ、ピラティス、ダンス、体操

ストレス解消できるような趣味を持っていない人は、ぜひ自分に合ったものを見つけてみてください。

部屋の中でできる趣味と、外でできる趣味を二つほど持っておくと良いかもしれません。

特に散歩やウォーキング、ヨガやダンスなどの適度に体を動かす趣味は、自律神経のバランスを整える効果があるのでおすすめです。

生活習慣を整える

運動不足や睡眠不足、食事の偏りは、自律神経や体調が乱れる原因になってしまいます。

なるべくバランスの良い食事を心がけて、規則正しい生活を送るようにしましょう。

生活習慣を整えるポイントは以下の通りです。

・運動の習慣を身につける

・朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を取り込む

・猫背になったり、姿勢が崩れないように意識して直す

・タンパク質、ビタミン、カルシウム、マグネシウム、糖質などバランスよく食べる

・塩分、糖分、カフェイン、アルコールは控えめにする

・休日であっても平日と同じ時間に起床就寝する

・寝る前にスマートフォンを触らない

・昼寝や仮眠は短時間にする

・寝る直前に食事しない

仕事やプライベートが多忙だと、つい生活習慣が乱れがちになってしまう人は多いのではないでしょうか。

上記のポイントを全ておこなうことが難しい場合は、できそうなものから1~2つ実践してみることから始めてみましょう。

自律神経失調症にならないために意識するポイント

ストレス発散のための暴食や偏食はNG

仕事で疲れやストレスが溜まると、暴食や偏食をしてしまう習慣がある人は注意が必要です。

塩分の濃い外食や甘いお菓子、アルコール、エナジードリンクなどは摂取した直後は気分が良いかもしれませんが、長期的に摂取してしまうと体調を崩す原因になってしまいます。

食事でストレスを発散するのではなく、運動や他の趣味などで気分転換をはかることがおすすめです。

とはいえ、美味しいものを食べることが趣味という人もいるでしょう。

そのような場合はたくさんのお菓子やインスタント食品を買い込むのではなく、いつもより奮発して良い食材を数点買ったり、友人や身内とリラックスした食事の時間を設けるようにすると満足感が得られるかもしれません。

就寝前の過ごし方に注意

良質な睡眠をとることは、自律神経を整えるためにとても大切です。

就寝前にベッドの中でスマートフォンをダラダラ見てしまう人は多いかと思いますが、ブルーライトの刺激によって寝つきが悪くなってしまうため、なるべくベッドから遠い場所に置くようにしましょう。

また、就寝前にカフェインを摂取すると交感神経が刺激されて寝つきが悪くなってしまうので、控えるようにしてください。

ほかにも、就寝前にリラックスするためにお酒を飲む人もいるかと思います。

しかし、お酒を飲みすぎてしまうと睡眠の質が悪くなってしまうのでアルコールは適度な量に抑えるようにしましょう。

さらにもう一点注意してほしいのは、就寝前に食事をしないこと。

胃に入った食べ物を消化するには約3時間程かかり、消化するためのエネルギーも必要となってくるため、質の良い睡眠を取ることが難しくなってしまいます。

小腹が空いて寝付けない時には、白湯やホットミルクなどを飲むようにしましょう。

まとめ

自律神経失調症の症状の特徴、改善方法や過ごし方のポイントなどについて紹介しました。

自律神経失調症は、ストレスや生活習慣の乱れが原因で引き起こされていることが殆どです。

心身に症状が出ているときは、生活習慣に問題はないか、大きなストレスを受けていないかまずは自分自身と向き合ってみることが大切です。

ひどい症状が長期化して悩んでいる場合は、ほかの病気が潜んでいる可能性があるので、一度病院で診てもらうようにしましょう。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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