HSPは適応障害に注意?適応障害を発症しやすい人の特徴や生活への影響について解説
こんにちは、精神科医しょうです。
「仕事に行きたくない」「職場に馴染めない」「無断欠勤や遅刻が以前よりも増えた」という状況に当てはまる場合は、適応障害が原因かもしれません。
適応障害は、主にストレスが原因で発症します。
HSPの人はその繊細な気質から他の人よりもストレスが溜まりやすく、適応障害を発症する可能性が高いと考えられています。
今回の記事では、HSPが適応障害になりやすい理由、適応障害が生活に与える影響、HSPが適応障害になったときに気を付けることについて紹介します。
HSPが適応障害になりやすい理由
適応障害とは、主にストレスが原因で心身にさまざまな症状が現れる病気です。
私たちは生活する上でさまざまなストレスを抱えて生きていますが、ストレスへの耐性は人それぞれです。
環境にうまく適応することができずストレスを溜め続けた結果、適応障害を発症してしまう人は少なくありません。
適応障害は主に仕事や家庭、環境の変化などが原因で発症するケースが多いです。
たとえば、新しい職場に馴染めない、上司と折り合いがつかない、家族の仲がうまくいっていない、引っ越し先で環境に適応できないなど、さまざまなことが引き金となって適応障害を発症します。
一方HSPは、外部からの刺激に敏感で繊細な感受性を持つ人々のことを指します。
他人の些細な言動や生活音にも敏感で、周囲の状況をよく見て気を使うことができます。
そのようなHSPの特性によってストレスが溜まり、何らかの出来事をきっかけとして適応障害を発症してしまう人が多いので注意が必要です。
適応障害になりやすい人の特徴
適応障害は以下のような特徴を持っている人が、発症しやすいと言われています。
・ストレス耐性が低い
・ストレスを解消する方法がない
・神経質
・些細なことで傷つきやすい
・嫌なことを引きずりやすく、気持ちを切り替えることが下手
・相談できる人や理解者が周囲におらず悩みを一人で抱え込んでしまう
・真面目でどんな物事にも一生懸命取り組む
・自分のことよりも他人を優先してしまう
・誘いを断れず、後から後悔することが多い
・他人からどう思われているのか気にしてしまう
・周囲と比較して落ち込みやすい
・完璧主義で0か100で物事を考えてしまう
適応障害を発症する人は真面目で責任感が強く、完璧主義な性格の人が多いと言われています。
また、自分のことよりも他人を優先したり、嫌な誘いを断れないなど、人間関係においてストレスを溜め込んでしまう人も要注意です。
適応障害が生活に与える影響
生活面での影響
適応障害を発症した場合、生活面において下記のような影響がでることがあります。
・家事や身の回りのことができなくなる
・自暴自棄になったり暴飲暴食が増える
・抑うつ状態、不眠などの症状が現れる
・朝になってもなかなか起きられなくなる
・攻撃的な発言や悲観的な発言が増える
適応障害を発症すると、過剰なストレスによって自暴自棄になったり暴飲暴食が増えたりすることがあります。
会社に行かなければならない不安から眠れなくなり、睡眠不足になることもあるでしょう。
また、適応障害を発症したことによって、普段温厚な性格の人が周囲に対して攻撃的になるケースもあります。
仕事面での影響
適応障害を発症した場合、仕事面において下記のような影響がでることがあります。
・仕事に行けなくなる
・無断欠勤や早退が増える
・上司や同僚とコミュニケーションが取れず、業務に支障がでる
・細かいミスが増える
・転職や休職を繰り返す
適応障害を発症すると上司や周囲とコミュニケーションを取るのが難しくなり、連絡を取ることにも大きな緊張やストレスが伴うので無断欠勤や無断遅刻などが増えてしまうことがあります。
また、職場に馴染めないことから早期退職や転職を繰り返してしまうのも大きな特徴です。
HSPが適応障害になったら気を付けること
自分に合っている仕事を選ぶ
適応障害は、仕事のストレスをきっかけとして発症する人が多い病気です。
業務量や仕事内容、職場の雰囲気など自分の性格に合った仕事を選ぶことで、発症するリスクをぐっと減らすことができます。
HSPの気質を持っている人は、一人で黙々と作業できるエンジニア系の仕事やクリエイティブな仕事がおすすめです。
もしくは、コミュニケーションをあまり必要としないような軽作業などの仕事も合っているでしょう。
また、最近では在宅でもできる仕事が増えています。
HSPはチームワークが必要な仕事よりも、淡々と一人で集中できるリモートワークが向いているので、そのような条件に合った求人を探してみるのも良いかもしれません。
しっかり休養をとる
適応障害を発症した際に、無理をして今まで通りの生活をすることは症状を悪化させてしまう危険性があります。
症状を発症したら、まずは会社の産業医やお近くの医療機関になるべく早めに診てもらうようにしましょう。
そして、業務量や出勤日数などの調整が可能かどうか上司に相談することが大切です。
適応障害はストレスの原因から離れることで症状が緩和していくことが多いので、仕事から離れる時間を作り、しっかり休養を取ることが必要になります。
とくにHSPの場合は、過敏な気質を持っていることからストレスに弱く疲れやすいため、他の人よりも十分な休養が必要になるでしょう。
まとめ
今回はHSPと適応障害の関係、適応障害になりやすい人の特徴や生活に与える影響、HSPが適応障害になったときに気を付けることについて紹介しました。
ストレス耐性は人それぞれで、どんな人でも適応障害を発症する可能性はあります。
しかし、繊細な気質を持っているHSPは他の人よりも人間関係や仕事においてストレスを溜め込みやすい傾向があるので、十分に注意しなければなりません。
もし心身の不調を感じたら、まずはしっかり休養をとって症状が悪化しないように注意してください。
不調が長引く場合は無理をせずに、医療機関に相談するようにしましょう。
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