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【日光市】まだ間に合う!ヒマラヤの青いケシ「上三依水生植物園」日光の秘境で花散策

フルリーナYocトラベル・グルメライター/音楽講師/作詞家(日光市・鹿沼市)

日光の6月の花の風物詩と言えば、クリンソウが有名。でも、もうひとつ、日光市で人々を魅了してやまない花があるんです。それは、福島県にほど近い、栃木県最北エリアの三依地区の上三依水生植物園に咲く「メコノプシス」、通称 「ヒマラヤの青いケシ」。6月上旬から中旬まで、「上三依水生植物園」で、可憐な花を咲かせます。6月13日現在、2番花が開花中。蕾も付けていますのでまだ間に合いますよ。 今回は、ヒマラヤの青いケシ情報と共に、6月の上三依水生植物園の花散策情報をお届けします。

ヒマラヤの青いケシ(メコノプシス)とは?

ヒマラヤの秘境に咲くメコノプシス、通称ヒマラヤの青いケシ。
ヒマラヤの秘境に咲くメコノプシス、通称ヒマラヤの青いケシ。

ヒマラヤなどの高山地帯に生息するメコノプシスは、ケシ目ケシ科メコノプシス属。「メコノプシスMeconopsis」 は「ケシに似た」「ケシモドキ」という意味を持ち、その名の通り、ケシ属とは共通点が多いものの区別されています。

メコノプシスは、ヒマラヤなど標高3,000m ~ 4,000mのの冷涼な高山地帯に分布する一年生植物。暑さに極端に弱く栽培がとても難しいため、「幻の花」とも言われています。

メコノプシスは、美しいけれど栽培がとても難しい花。日本では、北海道・東北・長野の高山地帯などの植物園やガーデンなどでも栽培されていますが、近年の温暖化により、年々、栽培が難しくなってきているそうです。

「上三依水生植物園」のメコノプシスも、昨年の猛暑の影響で、今年2022年は、例年よりも花数が少なくなっています。しかし花数は少ないものの、温暖化にも負けず、6月上旬から美しい花を見せてくれています。

森林浴をしながら上三依水生植物園へ

上三依水生植物園駐車場
上三依水生植物園駐車場

上三依水生植物園は日光市の最北部、福島県との県境の山間部「三依地区」に位置しています。会津西街道(国道121号)沿いにあり、最寄り駅は野岩鉄道 会津鬼怒川線「上三依塩原温泉口」駅。駅から徒歩7分でアクセスできます 。

上三依水生植物園への散策路
上三依水生植物園への散策路

会津西街道に面した大きな駐車場から、標識に従って橋を渡ったら、右に曲がり森林浴をしながら渓流沿いに歩いて行きましょう。空気も美味しい!

上三依水生植物園
上三依水生植物園

少し歩くと植物園の入り口。手作り感満載の等身大のかかしが、お出迎えしてくれました。

入園料には、小学生中学生に割引があり、また、身体障がい者、幼児、80歳以上は無料となっています。

※障がい者は手帳、80歳以上の方は生年月日を証明できる保険証などが必要。

上三依水生植物園のメコノプシス

ヒマラヤの青いケシとして親しまれるメコノプシス
ヒマラヤの青いケシとして親しまれるメコノプシス

ヒマラヤの青いケシ(メコノプシス)は、門を入ってすぐ左と、右側のところにあります。私が行った時には、左手のスペースにあるメコノプシスが花をつけていました。

開花するメコノプシス
開花するメコノプシス

蕾をつけているものもあり、こちらはピンクがかった色をしています。

メコノプシスは、背丈がひょろっと長く、大きな花を咲かます。花弁はふつう4弁花ですが、ばらつきがあります。

茎と葉には産毛に覆われている
茎と葉には産毛に覆われている

メコノプシスの、青空を映したようなブルーの花びらは、蝶の羽のように薄くて軽やか。茎と葉は、初々しい産毛でおおわれています。見ていると、思わず笑顔になってしまう、愛らしい花です。

ただ、メコノプシスの花は、下を向いて咲くことが多いので、撮影するのに、なかなか苦労しました。でも、柵は越えずに撮影してくださいね。

5色のクリンソウやニッコウキスゲも!

クリンソウ
クリンソウ

6月の上三依水生植物園の、もう一つの大きな見どころは「クリンソウ」。奥日光のクリンソウはピンク、赤、白のものが主体ですが、ここには、黄色のクリンソウも咲いています。園内のクリンソウの花は、気候にもよりますが、例年6月いっぱいぐらい楽しめます。

クリンソウの販売も
クリンソウの販売も

入り口左手のショップでは、何と一株350円でクリンソウも売っています。帰ってきてネットショップで調べてみたら倍ぐらいの値段で売っていたので、かなりのお買い得! 育ててみたい方はぜひ、チャレンジしてみては。

ニッコウキスゲやヒメサユリも!

シライトソウ
シライトソウ

園内は起伏も少なく、車いすやベビーカーでも散策でき、さまざまな花々の美しい姿を楽しめます。こちらはシライトソウ。シュロソウ科シライトソウ属の野生の多年草で、韓国と日本(秋田以南の本州、四国、九州)の山地に分布すしています。属名「Chionographis」は雪の筆を意味するそうです。

ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲ

こちらは、日光ではおなじみの「ニッコウキスゲ」。ニッコウキスゲは、実は正式名称ではなく別名。ニッコウキスゲの和名は禅庭花(ゼンテイカ)といいます。学名はHemerocallis(ヘメロカリスで、ギリシャ語のhemera(1日)とcallos(美しい)を語源し、朝方に花をつけ、夕方にしぼんでしまう一日花であることに由来しています。

ヒメサユリ
ヒメサユリ

こちらは、愛らしいピンクの「ヒメサユリ」。正式名は「オトメユリ」で、野生種は環境省のレッドリストで準絶滅危惧(NT)に指定されています。日本特産のユリで、宮城県南部と、新潟県、福島県、山形県が県境を接する飯豊連峰、吾妻山、守門岳、朝日連峰、周辺にしか群生していない貴重な植物です。

園内には和風庭園、湿生植物池、水生植物池があります。清らかな水と植物の織りなす風景と花々を楽しみながらの散策は、本当に気持ちいい!

水辺に群生する菖蒲
水辺に群生する菖蒲

水辺に群生する菖蒲(ハナショウブ・ジャーマンアイリス・キショウブ)も見事!
他にもたくさんの花々が咲いています。花の周りをひらひらと舞う蝶もまた、ステキです。
これからの季節はスイレンも咲いてきます。

ヒマラヤの青いケシを見たい方は、6月中旬を過ぎると花が終わってしまいますのでお早めに、スイレンが見たい方は、もう少し立ったタイミングで訪れてくださいね。園内の花の様子はHPの開花状況で確認できます。または電話で、神三善水生植物園にお問い合わせください。

日光市上三依水生植物園
住所:栃木県日光市上三依682番地 
TEL:0288-79-0377
開園時間:公式サイト参照
アクセス:野岩鉄道 会津鬼怒川線上三依塩原温泉口駅から徒歩7分、アクセス地図
無料貸出:車椅子5台、雨傘
ホームページ・開花状況:上三依水生植物園

トラベル・グルメライター/音楽講師/作詞家(日光市・鹿沼市)

自然と美味しいものが大好きな食いしん坊。宇都宮在住ですが、ばばちゃまをのせた車いすを押して、大好きな日光&鹿沼あたりにあちこち出没しています。Yahooエキスパート、たびハピ、日光市公式観WEB日光旅ナビ、いちご大学などに寄稿しています。

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