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【松山市】坊っちゃん列車が当面運休。伊予鉄道、伊予鉄バスが2023年11月1日からダイヤ改正です。

藤井さこ地域ニュースサイト号外NETライター(松山市)

2023年11月1日から、伊予鉄道と伊予鉄バスが減便のダイヤ改正を行うと発表しました。

ダイヤ改正される便とその理由

対象は郊外電車郡中線(土日祝)、市内電車松山市駅線(全日)、電車連絡ループ線(土日祝)など。通勤、通学で利用されている方も多い便だと思われます。多くの方が影響を受けるのでは。11月1日からのダイヤはこちらから確認できます。

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ダイヤ改正は深刻な人手不足やバス運転手の労働時間規制が強化される「2024年問題」に対応するためとのことです。

2024年問題とは

「2024年問題」は、働き方改革法案によりドライバーの労働時間に上限が設けられることにより起こる問題です。具体的には、ドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されることで、一人当たりの走行距離が短くなり、長距離でモノが運べなくなると懸念されています。さらに、物流・運送業界の売上減少、トラックドライバーの収入減なども起こるのではと予想されています。これまでの働き方では物流の3割以上が輸送できないのではということで、物流の流れがトラックから鉄道貨物などに変わることも考えられます。トラックドライバーさんの働き方改革により、物流・運送業界全般に関わる問題がたくさん出てきそうです。伊予鉄は来たる2024年問題解消のため先手を打った、ということですね。

県内外で衝撃、坊っちゃん列車運休

そして各方面で衝撃が走った、観光客に人気の坊っちゃん列車が当面全便運休。

道後温泉と松山市中心部の間を、土日祝日で各8便運行していました。1888年~1954年に実際に走っていた伊予鉄のSLをモチーフに、2001年に復活させたディーゼル機関車。汽笛音や運転士さん、車掌さんの服装は、資料や記憶などを基にできる限り当時の音色、姿を忠実に再現されているそうです。観光地松山になくてはならない存在だと思っていたので、運休は驚きです。

坊っちゃん列車、今後復活は?

坊っちゃん列車運休の報道があった後、中村県知事が「行政は観光コンテンツとして対応すべき」と松山市に苦言を呈しました。松山市曰く、9月末に伊予鉄側から報告を受けたのみで、運休などの決定に至る事前協議はなかったそうです。野志市長も「坊っちゃん列車は松山の観光資源」とし、早期の再開に向けて支援協議を進めたい意向を発表していましたが…。

坊っちゃん列車ミュージアム
坊っちゃん列車ミュージアム

確かに運休に自治体の許可は必要ありませんが、松山市は車両製作費の支援、車検ごとに補助金など、援助もしてきました。事前相談はあってもよかったのではと思ってしまいます。伊予鉄としては「通勤通学で利用される生活路線の減便まで追い込まれている状況であり、まずはこの生活路線を守っていくことが公共交通を担うわれわれの使命」とし、坊っちゃん列車運休への理解を求めています。再開の目処はたっていません。

坊っちゃん列車はどこで見られる?

坊っちゃん列車は、道後温泉駅前と、伊予鉄グループ本社ビル1階に展示があります。ご興味がある方はそちらへ行ってみてください。また走っている姿が見られたり、乗車ができるようになると良いですね。

【施設情報】

坊っちゃん列車ミュージアム

公式HP

住所: 松山市湊町4−4−1 伊予鉄グループ 本社ビル1階

電話番号: 089・948・3290

営業時間: 7時〜21時

地域ニュースサイト号外NETライター(松山市)

2013年に、広島県福山市から愛媛県松山市へ嫁いできました。他県出身者から見た松山市の魅力を発信したい!と思い、号外NET中予のタウンクライヤーとして活動しています。家族は現在マインクラフトにどハマりしている小学生と幼稚園児の2人の男児と、久万高原出身の旦那さんの4人暮らし。

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