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子どもの作品は押し入れに直行なんてもったいない!年度末に作品整理を親子で楽しくする方法

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

もうすぐ年度末、保育園、幼稚園、小学校に通う子どもたちが一年間の作品を持ち帰ることと思います。しかし、子どもの作品は増える一方で、その整理や収納に頭を悩ませている人もいるのではないでしょうか?

そこで、子どもと一緒に取り組むことができ、作品も厳選でき、片づけを子どもに教えるきっかけにもなる【作品選抜総選挙】についてお伝えします。

作品選抜総選挙とは

どんどん溜まってしまう作品を、そのまま押し入れで保管するのではなく、子ども自身にお気に入りの作品を選んでもらう子どもが主役の作品整理法です。

使ったモノを元に戻す後片付けも気になりますが、子どもの自立を考えると、モノや情報の多い現代社会を生きる子どもには、自分で必要なモノを選び管理できる力も必要です。

ですからこの方法は、親の考えより子どもの考えを尊重するので、親に言われ、いやいや行いがちな普段の片づけとは少し違います。

STEP 1、作品を床に広げる

今年度の作品を床に広げます。子どもの作品はパワーがあるので、広げると部屋が一気に明るくなります。

そして、1年間の子どもの成長の見える作品を並べたら、「片づけるよ!」「片づけて!」ではなく、「作品選抜総選挙を始めるよ!」と声をかけ子どもの興味を誘います。

STEP2、子どもが好きな順番に並べる

子どもに作品を好きな順番、お気に入りの順番に並べてもらいます。1位がいくつあってもよいし、同じ順位の作品がいくつあっても構いません。作品の数が多すぎる場合は「とても好き」「まあまあ好き」「あんまり好きじゃない」の3つに分けるようにするとハードルが低くなります。

その時のコツは、親はインタビュアーになること。

「これは何を描いたの?」「どれが一番好きか?」と子どもに声をかけるのですが、質問攻めにするのではなく、子どもにお気に入りや頑張った作品を教えてもらうようにすることで、その作品が自分にとってどのような思いがあるのかを考えるきっかけになります。

子どもの作品は同じように見えてすべて同じではありません。本人が満足している力作もあれば、描いたことも覚えていないもの、先生に褒められたもの、出来具合に満足していないもの、など色々あります。

そんな作品の一つ一つの違いに気づいて、本当に大切なモノに親子で気づくのがこの「作品選抜総選挙」」の目的です。

STEP3、上位〇位までの作品を残すか決める

収納場所や収納に使うファイルなどの大きさも考えながら、最終的に上位何位までの作品を保管するか決めます。「〇位以下の作品を捨てるのか」ではなく、あくまで子どもが選んだお気に入りの作品を残すイメージです。

「捨てる」という言葉には、抵抗を感じる子どももいます。しかし、〇位以下の作品を思い切って手放すことで、本当に好きな作品ばかりが残る喜びを子どもに感じてほしいのです。

しかし、初めからうまくいかない場合もあるので、無理強いはしないでよいですが、〇位以下は「お母さんが預かっておくね」などの声掛けがいいかもしれない。

いる?いらない?は楽しくない

片づけと言えば、いる?いらない?の2択のイメージがありますが、モノをいるか?いらないか?の二つに分けるのは、大人でも難しく感じることがあります。

なぜかというと、モノには必ず大なり小なりの思いがくっついます。そのような人の思いを、いるか?いらないか?のたった二つに分けるのは、自分で選んだ結論のようであって、実は無理やりどちらかに決めているという言うことが十分に考えられます。

しかし、好きな順番に並べる方法は、子どもの気持ちを最大限に尊重している方法なので、片づけをやらされているという感覚は少なく、自分で選ぶことができる喜びを感じることができるのです。

作品選抜総選挙のメリット

また、この方法の大きなメリットは、安心して子どもに選択を任せることができるということです。作品なので、ほとんどお金がかかっておらず、クリスマスに買ってあげたのに、人からもらったのに、高かったのに、という大人の考えに左右されることがありません。子どもに任せても大人はさほど困らないのです。

また、作品には制作過程からの子どもの思いが詰まっているので、子どもにモノの整理を教えるスタートに最適なのです。

そして、作品選抜総選挙をやっていると、母親である自分が力作と思った作品が、実は子どもにとっては大した作品ではなかったり、その逆もあり、その違いに驚くこともあります。我が子であっても、子どもも一人の人間である、と気づく瞬間でもあるし、たくましさも感じます。

親子で考えが割れることはあっても、まず優先すべきは子どもの気持ち。

「何でコレがいいの?」「あっちの方がいいでしょ!」と言いたくなることもありますが、子どもの考えを一旦、認めてあげて下さい。認めてあげることで、子どもは自分で選ぶ喜びを感じます。

そして、子どもが一生懸命考える姿、子どもの作品に対する思いを話す様子は、普段の子どもとは少し違う成長を感じる瞬間です。

これまで、この方法を実践した家庭の保護者は、「子どもが友達をとても大切にしていることに気づき、優しい子に育っていることがうれしかった」「親から見たら、何を描いているかよくわからなかったけど、子どものなりに色々考えて描いてていることにびっくりした」と話していました。

我が家は、毎年年度末にこの作品選抜総選挙を繰り返しているので、我が子の保管している作品は力作ぞろいです!

始めは時間がかかるかもしれませんが繰り返すうちに、子どもの中にその子なりの選択基準ができ、選ぶ力が育ち、選ぶスピードも速くなり、小学校高学年になったら、作品以外でもモノが増えたら順番に並べなくても、いるか?いらないか?の判断ができるようになるかもしれません。

作品は持ち帰ったら、押し入れにそのまま直行させるのはもったいない!

ぜひ春休みは、子どもの作品を床に広げ、コロナ禍で大変なスタートだった1年を一緒に振り返りながら、お気に入りの作品選びを通し、子どもの成長を感じる素敵な時間を過ごしてほしいと思います。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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