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「モノの管理能力」を育てるために、子どもと春休みにしておきたい3つのこと

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

「片づけができる子」に育ってほしいと願う親は多いと思います。しかし、ただ使ったモノを元に戻すことができればよいという問題ではなく、将来自立するにあたり、自分のモノを自分で管理できることが重要になってきます。

そこで、今日は子どもの「モノの管理能力」を育てるために、これからの春休みにしておきたい3つのことを紹介します。

その1.教科書の賞味期限を決めよう

もうすぐ年度末、使い終わった教科書はどうするのか悩むところです。

こんな時は、教科書に賞味期限を作ってみてはいかがでしょうか。

教科書は多くの知識、知恵、情報が載っていて、子どもたちはそこから様々なことを学びます。子どもたちに新たな学びを提供してくれるのが教科書の役割です。ということは、教科書を使用する学年が終わり、進級すると役目が終了したということになります。

しかし、進級しても旧学年の教科書を使う可能性もあり、すぐに捨てることはできないでしょう。しかし永久に保管しておく必要もありません。

そこで、教科書使用後、何年間保管しておくか家庭でルールを決めてほしいのです。これが教科書の賞味期限です。

モノには食べ物と違って賞味期限がないので、自分で決めておかないと増える一方です。賞味期限を決めることで、古いモノが出ては、新しいモノが入ってくるというモノの流れができます

我が家は、学年が終わりそれから1年後が賞味期限と決めています。困ったことはこれまで一度もありません。もちろん各家庭の考えにより賞味期限は2年後でもよいし、教科によって変えることも考えられます。

不安であれば長めに設定して、その後修正していけばよいです。大切なのは、とりあえず子どもと相談して「我が家の賞味期限」を決めて、実行してみることです。

その2.使用済みノートの役割を考えよう

使用済みノートが、気が付いたら学習机の教科書置き場に溜まっていることはないでしょうか?捨ててよいものかと悩むこともあります。

そこで、親子で考えてほしいのが使用済みノートの役割です。私は、使用済みノートの役割は大きく2つあると考えています。

1つ目は、「子どもがパワーを出し切ったモノ」という考え。子どもは、一所懸命漢字を書き、計算問題を解くでしょう。だから、ノートを最後まで使い終わったら、そのノートは子どもがパワーを出しきったモノとなり、もう活用することがないので、役目が終了です。

新しいノートを購入すれば、「ありがとう」という言葉を添え、捨ててもよいでしょう。

そしてもう一つは「子どもの頑張った証」という考え。もし、そう考えるのであれば大切に保管しなくてはいけません。

しかし、いつまでも捨てずにとっておいてモノが増え、探し物や散らかる原因になっていては意味がありません。

使用済みノートを「頑張った証」として考えるのであれば、現在使用しているのノートとは収納場所を変えるなど、それなりに管理をする必要があるでしょう。

3.学習道具のチェック

最後は、修了式が近づくと学校から持ち帰る、習字道具、絵の具、お道具箱、体操服、うわぐつなどの学習道具のチェックです。

数はそろっているか、不足しているモノはないか、サイズは合っているかを、是非子どもとチェックしましょう。

その際には、このようなチェック表を用意するとよいでしょう。

家庭によっては、もっと細かくチェック項目を設けてもよいかもしれません。

小学校低学年の子であれば、はじめは親が子どもにやり方を教える必要がありますが、回数を重ねると自分でできるようになります。兄弟児がいるのであれば、一緒に行い上の子が下の子のサポートをするのもよいでしょう。

我が家では長期休みの恒例行事になっているので、チェック表を与えれば子どもたちだけでチェックを行うことができます。

「自分のモノの管理は自分でする!」 これは理屈抜きで教えたいことです。

不足していたり、サイズが合わなくなってしまった場合は、もちろん親がお金を出して買うのですが、「モノの管理能力」を育てるためには、

数や量は足りているのか? 汚れたり壊れたりしていないか? サイズは合っているのか?と自分のモノがどういう状態であるかを知ることが重要です。子どもが知らない間に親が不足分を買い足し、自分は使うだけ、ではいつまでたっても自分のモノに興味を持つことができないのです。

春休みは大きなチャンス!

年度の変わり目というのは、生活の一つのけじめであり、それに応じて不必要なモノは手放し、新たに必要なモノを手に入れ、新しい生活が始まるというサイクルを子どもに感じてもらうチャンスです。

大人になると、年度の変わり目を大きく意識し、身の回りのモノや環境の見直しすることが少なくなります。

進学や進級などのはっきりした生活の変わり目がある子どものうちに、ただ見た目を整えるだけではなく、子どもにとって身近な教科書の賞味期限を決め、使用済みノートの役割を考え、学習道具のチェックを行い、自分の生活に必要なモノを、自分で管理するきっかけを与えてほしいと思います。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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