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クローゼットはパンパンなのに、着たい服がない!から卒業するのに大切なこと

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

私は片づけを通じ、誰かのマネをするのではなく「自分らしい暮らしを選べる人」を増やす活動を始めて9年目。小中高の4人の子どもを育てる親です。

世の中には、増えたモノを上手に管理するために、数多くの収納道具や、収納テクニックが存在します。道具やテクニックを駆使することで、たくさんのモノを収納でき、見た目も驚くほどキレイになります。

しかし、収納道具や収納テクニックは万能ですが、万全ではありません。

実は、たくさんのモノをいかに上手に収納するかより、収納の中に何が入っているかが一番大事なのです。

例えば、クローゼットの中には服がパンパンなのに、なぜか着たい服がない…。という経験はないでしょうか。

クローゼットも、たくさんの洋服をキレイに収納できるか、ではなく自分が本当に着たいと思える服があるかどうかなのです。これは、クローゼットや服を管理するモチベーションに大きく関わってきます。

そこで、今回はクローゼットはパンパンなのに、着たい服がない!から卒業するのに必要なことについて考えてみたいと思います。

自分とって、いい買い物とは

コロナ禍で外出自粛が続き、家で過ごす時間が増えた今、洋服を買う機会が減ったという声を聞きます。買い物に出かける回数が減ったからこそ、いい買い物をしたいですよね。

でも、いい買い物ってどんな買い物でしょう。

私は子どもが小さい頃、家計簿をつけ節約に力を入れていた時期がありました。ドラッグストアのほうが安いのに、子どものおやつをコンビニで買ってしまい、50円高いじゃないかと後悔をしたり、洋服を買う時には、着たい服があっても1円でも安い方を選んでいる時期がありました。

そう、当時の私のとって、いい買い物とは、とりあえず1円でも安く買うことだったのです。

でも、その時はいい買い物をしたと思っても、結局着なくなった服が、クローゼット内でぐるぐるに団子のように丸めて押し込まれており、毎日着る服を取り出すのにも一苦労でした。

なぜこのようなことになったのか…

それは、服を選ぶ基準が「自分中心」ではなかったからです。「とりあえず安ければいい」とか「なんとなく気に入ればいい」と、適当に選んでいたのです。

自分中心に選ぶとは、「これが着たい!」「これが好き!」などの自分の気持ちや欲求を優先すること。

しかし、これまでこのような女性がいました。

夏だしとりあえずボーダー柄でも買っておこうと思い購入した30代の女性。実はボーダーがこれと言って好きではありませんでした。クローゼットは、もう服を掛けるスペースもないのに、ボーダー柄の服が何枚もあります。しかもどれも値札が付いたままです。

「今シーズンの人気はこのタイプです」と店員さんに言われ試着すると、少しやぼったく見えたものの「まあいいか」と購入した40代の女性。しかし結局着ることなく「今シーズン」が終わってしまいました。

「今ならトップスを3枚買うと、1枚が半額になる」と店員に言われ、本当は2枚で十分なのに、とりあえず適当に選んでさらに1枚購入した30代女性。しかし、自宅で着てみたらイマイチで、結局クローゼットに押し込まれたまま。フリマアプリに出品しようと思っているけど、結局何もしていません。

このような買い物の仕方に身に覚えがある人もいるかもしれません。特に家計を管理する立場であれば、とりあえず1円でも安いモノを選ぶこともあるでしょう。

しかし、本当はこんな洋服が好き、本当はこんなデザインが着たい、という自分の気持ちをおさえて「とりあえず」とか「なんとなく」「まあいいか」で洋服を選んでいると、実はこのような弊害も起こってきます。

「とりあえず」で洋服を選ぶことの弊害

  • 服を適当に扱うようになります。

自分の「この服が好き」という気持ち、「この服を着たい」という欲求を優先していないため、手に入れた服は、あまり好きではない、特に思い入れもない服です。そうなると、きちんと収納場所を用意したとしても、ハンガーにもかけず、しわくちゃになっても平気で、ソファに置きっぱなしにしたり適当に扱うようになります。 

  • 捨てられないと困ってしまう

気に入った服ではないため、捨てることを考えても、せっかく買ったのにあまり着ていないからもったいない、まだ着ることができる、と思い捨てられないと困ってしまいます。

適当な気持ちで服を手に入れ、それで捨てられないとなると、服は溜まっていく一方です。しかも、あまり気に入っていない服、正直どうでもいい服が溜まっていくのです。

毎年季節が変わるたびに「私、去年の夏は何を着ていたのだろう」と思うのであれば、これまで服を適当に選んでいたのかもしれません。

「私」を表現するために、服を選ぶ時代である

現代は、寒さから身を守るだけに服を選ぶ時代ではありません。お店に行けば、あれだけの多種多様の服があるのですから、服は自分を表現するのためのアイテムと言ってもよいでしょう。

そう考えると、「とりあえず」「まあいいか」で選んだ服を着る自分で本当に良いのかと思うこともあるでしょう。

r特に女性は、家族の好きなモノが分かっていても、自分の好きなモノは意外とわかっていないことが多いです。ひょっとしたら家族中心の生活で、長い間無意識のうちに、家族のこと、家計のことを中心に考えることが当たり前になっているのかもしれません。

でも、「とりあえず」で服を選び続けていると、いつまでも自分に自信が持てないだけではなく、クローゼットの中もパンパンなまま。

だから時には、子どもがいるとか、節約したいという思いは、一旦そばに置き、

自分はどんな洋服を着た時に、何度も鏡の前に立ちたくなったり、お化粧も丁寧にしてみようと思うだろうか、

どんな服であれば、何年も会っていない友達にスーパーで突然会っても恥ずかしくないか、と考えてみるとよいかもしれません。

とりあえずが100枚より、絶対が10枚!

クローゼットは、服を詰め込むだけのBOXではありません。「とりあえず」で選んだ服が100枚あるより、「絶対欲しい」と選んだ10枚の服がある方が、毎日の洋服選びが楽ですし、大事に扱います。着たい服がない!と朝から悩むことも減るでしょう。

今は、お店に行くと山ほどの服が売っています。ネットでも膨大な量の服が売っていて、私たち消費者は迷うばかりです。

そんな時代だからこそ、自分の気持ちの正直に、周りに振り回されず、服選びを楽しめるよう「私が洋服を選ぶ基準」が必要で、それが「とりあえず」「まあいっか」などではなく、「好き」とか「絶対に着てみたい」とか自分中心に考えることができるのが理想です。

最後に、最近私は気に入ったワンピースを見つけ早速買いました。私のクローゼットにはワンピースが多いのですが、この1年、人前に立って話す回数がぐっと減り、仕事がオンライン中心となったので、はっきり言ってワンピースでなくてもトップスがあれば十分です。

しかし、いくら外出が減っても、仕事がオンライン中心で、私の上半身の姿しか世に出ないとわかっていても、やっぱり私は「とりあえず」ではなく、私が好きな服を選ぶ自分でいたいと思っています。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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