Yahoo!ニュース

もう、ワザやテクニックで片づける時代ではない。 

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

私は片づけを通じ、誰かのマネをするのではなく「暮らしを選べる人」を増やす活動を始めて9年目。小中高の4人の子どもを育てる親です。

私は、これまで何度も自宅を整えてきました。片づけを初めて約15年。いつもキレイではありませんが、何かあれば、家族も私もすぐ片づけることのできる家になり、今の私にとって、一番心穏やかでいることができる状態です。

片づけはなかなか面倒なものです。家のあちこちに散らかったモノを元の位置に戻さないといけないし、そもそもそれが、必要かを考えないといけません。

収納に入りきらなかったら、捨てるのか、ほかの収納法にするのか、など考えることも迷うことも多く、体力だけではなく、気力も使うのが片づけです。

それだけ、片づけは大変なことなので、私たちの身の周りにはこうしたら片づく、これを使ったらスッキリするという情報が溢れています。

だけど、「片づけられない女」を卒業し、これまで片づけを仕事にしてきた私が思うのは、

ワザやテクニックで片づけても満足感は続かない。これからは価値観を元に暮らしを作っていくことが大事ということです。

ワザやテクニックだけでは、根本的に変わらない

確かに、ワザやテクニックはきっかけにはなります。

だけど、暮らしが根本的に変わったり、自分の気持ちがずっと満たされることにはつながりません。

例えば、このような経験はありませんか?

SNSで見た、100均のグッズを買ったけど、イメージと違って、結局使わないまま。

憧れのあの人のおウチをマネしてみたけど、なんだかスッキリしない。

片づけの本を読んだり、SNSで情報を見るけど、結局どれがいいのかわからなくなった。

多くの人が「すぐ片づく方法」「スッキリ収納できる100均グッズ」「収納を増やすグッズ」など、グッズやワザに片づけの答えを求めます。

毎日仕事や子育てに追われていると、とにかく簡単に問題を解決したいと思うので、そのような気持ちのなるのもわかります。

しかし、気づいている人もいるかもしれませんが、「こうすればすぐにスッキリする方法」「キレイに収納できる方法」を試したところで、片づいたように見えるのはその時だけ。結局すぐに元に戻ってしまいます。

いつまでも、簡単に手に入れることのできるテクニックやワザだけで片づけていても、根本的には何も変わらないのです。

暮らしに自信が持てなかったら、自分で暮らしの基準を作ればいい

私は、15年前は片づけができず、どうしてよいかわからず、いつも自分の暮らしや自分に自信が持てませんでした。

片づけ本をたくさん読み、片づけや収納の知識を使い倒し整えた家は、とてもキレイにはなりましたが、どこかで、それをキープしなくてはいけない、キチンとしなくてはいけないというプレッシャーもあり、

子どもが散らかすとイライラしたり、「片づけなさい!」と言ってばかりの自分に嫌気がさしてきたのです。

「ちゃんとしないといけない!」「主婦だから片づけないと!」「親だから子どもに教えないと!」とばかり考えて、常に片づけてキレイにすることが、我が家の暮らしを整えることの最重要課題になると、きつくなる一方だったのです。

しかし、

家族が元気なら多少は散らかってもいい。だけど、来客の時、お出かけ前など、必要な時に、サッと片づく家でありたい。
片づいていないことに、メンタルをかき乱され、イライラしてばかりいる自分は嫌。せっかくなら、家族との時間を大切にしたい。

という思いが、私の自分が暮らしの中で大切にしたい価値観、だと気づき、その思いを大切にすることで、はじめて、自分の暮らしの答えが見つかったような気がし、根本的に暮らしや自分が変わっていったのです。

ひょっとしたら、家はキレイでなくてもいいかもしれない

これまで私は、すぐ片づくと言われるワザやテクニック、便利グッズの情報を伝えることを求められることが多くありました。片づけのセミナーと言えば、そういうことを教えてくれるというイメージを持つ人も多いと思います。

しかし、私自身、心の奥底でずっと大切なのはそこじゃないと思い続けていました。

そしてここ数年、片づけのやり方より、「このやり方で間違っていないのか」「頑張っているいけど自信が持てない」「情報だけはたくさん持っているけど、結局自分はどうしたらよいかわからない」という相談が多くなってきました。

みんなワザやテクニックは知っています。グッズも山ほどあります。

自分でどうにかしようと頑張ってはいるけれども、満足する結果を得ることができていないのです。

そんなときには、どうやって片づけるか? 片づけなくちゃ!ではなく、子どもがいるとか、仕事が忙しい、家が狭い、という現実は一旦横に置き、本当は自分はどうしたいか?家でどう過ごしたいか?どんな時間に自分は幸せを感じるのか?

自分の心の奥底にある思い、毎日の暮らしで大切にしたいことを知っていると、片づけに振り回されることはなくなるでしょう。

ひょっとしたら、家はいつもキレイである必要はないかもしれません。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

藤原友子の最近の記事