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子どもの『選ぶ力』は、夏休みに鍛えられる

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

私は片づけを通じ、誰かのマネをするのではなく「暮らしを選べる人」を増やす活動を始めて9年目。小中高の4人の子どもを育てる親です。

今年の夏休みは、コロナ過で思うように旅行や帰省ができないかもしれません。しかし、旅の準備は大人も子どももワクワクする楽しいものです。

そこで今回は、この旅や帰省、おでかけの準備を、子どもの片づけ力を鍛えるチャンスとして活用する方法をお伝えします。

自分の暮らしに必要なモノを「選ぶ力」は、どう鍛えるのがよいか

欲しいと思ったモノが簡単に手に入る今、どの家庭でも常にモノが増えやすい状況にあります。

家の片づけで困っている人の多くは、「モノが多い」と言います。

モノは勝手に歩いて家に入ってこないので、家族の誰かが家に持ち込んだはずなのですが、勝手にモノが増えていったように感じてしまうくらい、今はモノが簡単に増えていきます。

そんな時に必要になるのが、自分の暮らしに必要なモノを「選ぶ力」

自分や家族には、何が必要で、何が必要でないのかを知っておくことが、モノを増やさないための秘訣です。

自分の中に選ぶ基準ができていると、モノの要・不要の判断がしやすいのですが、何を基準に選んだらよいかわからない大人も多いでしょう。

確かに、数か月後の自分に何が必要かなんて想像できない、と思うのも無理はないでしょう。

そこで、おススメなのが、旅や帰省、でかける準備を、自分の暮らしに必要なモノを考える「練習」としてやってことです。

旅の準備は、暮らしの超濃縮バーション!

なぜなら、旅や帰省の何日間で、何がどのぐらい必要で、それらをどのようにしまったら使いやすいかを考えてキャリーバッグにしまうことは、

普段の生活に、何がどのくらい必要で、どのように収納したら使いやすいかを考えることの超濃縮バージョンだからです。

遠征の準備をする長男(当時小4)
遠征の準備をする長男(当時小4)

あれもこれも持っていきたくなるのが、旅や帰省の準備。だけど、最小限にしないと荷物の量はどんどん増えていきます!

そこで一番大事なのが「何を持っていくか?」でしょう。

何泊するか、旅先や帰省先の天気や気温、そして現地ですることを考えると、自然と持ち物が決まっていくでしょう。

川や海に行きそうなら、水着の準備をしなくちゃ。
涼しい土地に行くのであれば、薄い長袖もいるかもしれない。
お店が少ないから、お菓子も準備しておこう。

このように、たった数日間の必要なモノを考えるということは、比較的簡単にできます。

だから、是非たった数日間の旅や帰省の準備をぜひ、子ども自身にしてもらい、ちょっと先のことを想像しながら、モノを選ぶ練習をさせてほしいのです。

子どもが幼児であったり、はじめて旅準備を子どもがすることであれば

1.寝る回数 お泊りは2回
2.気候・温度 暑い。しかも雨が降るかも
3.何をするか お外遊びや水遊びをするかも

この3つの情報を与えてあげるとよいでしょう。

「2回寝るからパンツやパジャマは2枚でいいかな」

「汗をかいて着替えるかもしれないから、半袖をもう少し持っていこうか」

「天気が悪いから、洗濯ができないかもしれない、多めに持っていく!?」

などと考えることは、自分の暮らしにどんなモノが必要を考える練習になるのです。

お姉ちゃんに手伝ってもらいながら、帰省の準備をする次男(当時3歳)
お姉ちゃんに手伝ってもらいながら、帰省の準備をする次男(当時3歳)

暮らしは、何十年続くけど、旅はたった数日

暮らしは、何泊どころか何年も何十年も続くので、何が必要か考え続けるのは大変です。

だけど、たった何泊かだと、想像しやすいのではないでしょうか。

また、着替えを忘れたなどの失敗もいい経験になりますし、なんとかなるものです。

そして、旅行バッグやキャリーケースに入るだけの、〇日間で必要なモノを自分で考えることは、自分の暮らしに合ったモノの持ち方を考えるきっかけにもなります。

長い夏休みの間に、『片づけなさい!』と言うことも必要でしょうが、ちょっと先のことや、これまでの経験を考えながら、自分で必要なモノを選ぶ体験も大切です。

自分の暮らしに「何が必要か?」を考え選ぶ事は、漠然としすぎて難しいかもしれませんが、旅の準備なら、気軽に子どもに任せることができます。

今は、なかなか荷物をまとめて遠出することはできないかもしれませんが、面倒くさい後片づけと違い、楽しいことなので、きっとお子さんが積極的に取り組んでくれるでしょう。

近場でも、でかける予定があれば、是非子どもにお出かけの準備をさせてみてください。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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