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片づけは「全部出す」から始めないとダメなのか?

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

私は小中高の4人の子どもと夫と、いつもキレイじゃないけど、何かあればすぐ片づく家に暮らし、だれかのマネではなく、自分らしい暮らしを育てるお手伝いをしています。

片づけをするのに、まず全部出さないといけないの?と聞かれました。

全部出して始めないといけないと思うと、めんどうくさくて、結局何もできなくて終わってしまう…。
そもそも、モノを全部出すスペースがなく、まず片づけてスペースを作らなくてはいけない。

というのです。

確かに、収納の中のモノを全部出すとなると、大変そうなイメージしか沸かず、なかなか一歩を踏み出せないのもわかります。

そこで今日は、片づけはモノを全部出すことから始めないといけないのか? そして、ほかに始める方法はないのだろうか考えてみようと思います。

とりあえず知っておこう!全部出すことのメリット

1.モノの総量がわかる
2.探し物が出てくる
3.掃除ができる

例えば食器棚だったら食器棚全部、クローゼットだったら服全部、衣装部屋のように服がたくさん収納されている部屋も、全部出すことで、この収納にはどのくらいのモノの量が入っているか現実を知ることができます。

自分が想像している数以上のモノが、必ずあるはずです。

そして、引き出しでも棚でも、箱でも中身をすべて出す時に、これまで見つからなかったモノが見つかることもあるでしょうし、空っぽにすることで、掃除することができるというメリットがあります。

そうはいっても、全部モノを出すのは時間がかります。

こちらは、食器棚を全部出した様子ですが、大人2人で30分近くかかりました。

小さい引き出しの中のモノを全部出すくらいであれば、ダイニングテーブルでもよいでしょうが、クローゼットの服全部や、衣装部屋の服全部を出すとなると、時間だけではなくかなり大きな場所も確保しないとできません。

また、収納と出したモノを置く場所が離れていたら、その往復で、めんどうくささは倍増します。

そもそも、すでに床にモノがたくさん置かれている家では、できないやり方なのです。

確かに結果は出るけど、果たしてできるのか

収納からモノを全部出し、要・不要に分け、いるモノだけを収納するというのが基本だと言われ、一番結果が出ます。

しかし、時間、スペース、そして気合いが必要なため、簡単にできないので、なかなか結果を出せる人が少ないし、結果を出したとしても、その大変さから、継続できない人も多いのです。

ただ、片づけは、まず全部出さなくちゃいけないんだと思い込んで、行動に移すことができないのは、残念です。

そこで、全部出さなくてもいいから、これならできるのではないかという方を2つ紹介します。

全部出さなくていいけど、できること

その1.あきらかに不要なモノを抜き出し、避難させる

例えば、片づけたいと思った引き出しなどの中から、もう何年も使っていないモノや、捨てようと思いながら捨てることができずにいたモノなどを選び、抜き出します。

捨てるのが苦手な人は、捨てるモノを探すのではなく、一旦明らかに不要なモノを別の場所に避難させるイメージです。

すぐに捨てなくてもいいけど、引き出しの中にあったら邪魔なモノが、いつまでもそこにあっても何も変わりません。だから、残しておくモノとは別扱いするのです。

その2.必要なモノ・大切なモノを選び特等席に

2つ目は、絶対に必要なモノ大切なモノ、これから使うモノを選んで、一番使いやすい場所(特等席)に移動させます。

私たち人間は、どうしても「まだ壊れていない」「まだ使える!」とモノの状態に目が向いてしまいます。

しかし最近のモノも、そこそこ丈夫ですから、モノの状態にばかり目を向けていると、なかなか片づけがなかなか進みません。

だからモノの状態ではなく、まず、それを自分がどうしたいかを考えてください。自分の考えを一番大事にするのです。

例えば、

この秋冬着たい服だけをクローゼットの取り出しやすいところにかける。
一番よく使う食器を、家族のみんなが取り出しやすいところへしまう。
使う頻度の高い、お気に入りのバッグだけを、いつものバッグ置き場に残す。
よく使う鍋だけを、コンロ下に収納するようにする。
この1週間の間に使った、キッチンツールだけをすぐ手に取れる場所にかけておく。

クローゼットであれば、ハンガーをかけるバー。食器棚であれば、一番取り出しやすい段、などが特等席となり、そこに置くことのできるモノの最大量もおのずと決まるので、

必要なモノ、よく使うモノだけの暮らしを、一度体験をしてほしいと思います。

そうすると、意外とモノがなくても大丈夫かも、これくらいのモノの量なら、探さなくて取り出しやすいとメリットに気づくでしょう。

そうすると、もう少し不要なモノを選ぶことができるかもしれないし、片づけが前進します。

じゃなくてもよい方法で、まず一歩を!

片づけは、まず全部出さなくちゃいけないと思わなくて大丈夫です。

時間とスペースに余裕がある人が、考えればよいのです。

ただでさえ、大変な片付け、なのにまず全部出すことから始めると、もうそれだけで時間がたって疲れてしまい、肝心なモノの要不要の判断までエネルギーがもちません。

じゃなくても、とりあえずできる方法は、

1.明らかに不要なものを抜き出し避難させる
2.必要なモノ・大切なモノを選び特等席に

何もしないで、ずるずると過ごすより、まずはこの2つのことをとりあえずやってみて、これで大丈夫なのか、生活がどうなるのか変化を感じてみてほしいと思います。

こちらの動画でも、同じテーマで話しています。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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