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いつまでも片づかない原因は「片づけようとしている」からだった

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

こんばんは。

私は小中高の4人の子どもと夫と、いつもキレイじゃないけど、何かあればすぐ片づく家に暮らし、だれかのマネではなく、自分らしい暮らしを育てるお手伝いをしています。

忙しくて、片づかない。
片づけようという気持ちはあるけど、片づかない。
結局、どこから片づけてよいのかわからない。

ということをよく聞きます。

片づけの情報は、本や雑誌から得る人もいれば、今はSNSやネットから手に入れる人も多いでしょう。

SNSやネットの情報は、指一本で簡単に手に入り、しかも無料です。私も、収納法を考える時にはよく活用します。

でも、これだけたくさんの情報があるのに、片づいた暮らしが簡単に手に入らないのはなぜなのでしょう。

片づけようとするから、うまくいかない

私たちの身の回りには、いろんなテクニックやワザがあり、便利、おしゃれ、優秀と言われる収納グッズも山ほどあります。

そして、そんな素晴らしいテクニックや道具の情報は山ほどもあるのに、なぜ片づいた暮らしは簡単に手に入らないのでしょう。

それは、「片づけようとしているから」かもしれません。

床に散らかっているモノ、引き出しからあふれているモノを片づけても、結局はすぐ元通りになってしまうという経験がある人もいるかと思います。

「片づける」という言葉の意味は、人によって多少の違いがありますが、

使ったモノを元の場所に戻す
散らかっている場所をキレイにする

などの意味合いが強いと思います。

そのように片づけると、確かに床からモノがなくなりキレイにはなりますが、その前に大切なことを忘れていないでしょうか。

それは、「必要なモノを選ぶ」ということです。

必要なモノも、必要でないモノもぐちゃぐちゃに混じった状態は、どこに何があるかわからないし、収納しようにも、すでにぎゅうぎゅう詰めです。

じゃあ、捨てればいいのか?

「片づかない時は、要は捨てればいいんですよね?」と言われたことがあります。

確かに、引き出しの中に使いもしないモノがギぎゅうぎゅうに押し込まれていては使いにくいので、捨てるのが一番です。

モノの数が減れば、片づけは絶対に楽になるのですから。

でも簡単に捨てる事が出来るのでしょうか。

捨てる事に抵抗を感じる人も多いでしょう。

捨てることに抵抗がない人はよいですが、無理に捨てて、後悔をすると、もう片づけはストップしてしまいます。だから、捨てることが苦手であれば、無理に捨てなくてよいです。

しかし、捨てるのが苦手でもたくさんあるモノの中から、これが好き! これが大切!というモノを選ぶことは、できるのではないでしょうか。

どうやって選べばよいのか?

例えば、を片づけたい場合。

クローゼットの中身が本当に必要な服だけになると、毎日服が選びやすくなりクローゼットが使いやすくなります。(収納を考えるのもずいぶん楽になります)

だから、不要な服を捨てるのではなく、まず残したい(これから着たい)服を選んで残します。

ただし、いるかどうか?服として機能するか?という基準で考えると、ボロボロに破れていない服は、すべて「いる」ということになります。

服の状態ではなく、あくまで基準は自分の考え。これから着たいかどうか、着るかどうか、

部屋着なら、この服を着てコンビニで知り合いに会って恥ずかしくないか、仕事着なら、この服で打ち合わせに行って恥ずかしくないかという基準で選ぶのです。

食器の場合であれば、割れているか?ではなく、これからの食事に使いたいかどうか。

食事は、ただ栄養を補給さえできればOK!という人は少ないでしょう。やはり、食事の時間はたとえ、一人で食べることがあっても、好きな器、食器で食べると気持ちがよいものです。

だから、好きな食器、必要な食器を選んで残していきます。

選ばれなかったモノは、無理に捨てなくてOK

選ばれなかったモノは、即捨てるのかというと、捨てられないのであれば、無理に捨てる必要はありません。

ただし、必要なモノと同じ場所に置いておいては絶対にダメ。捨てる決意ができるまで違う場所で保管してください。

今は、捨てる決断ができないかもしれないけど、数か月たつと、

なくても平気だった
やっぱり使うことがなかった

という現実に気づくと、捨てることができるかもしれません。

「選ぶ力」は繰り返し選ぶことで身につく

私は、結婚後片づけられない生活から卒業しました。それは収納ワザを学んだわけでもなく、優秀な収納道具を手にしたからではありません。

ただ引き出しを開けて、片っ端から必要なモノ、好きなモノを選んでいった、ただそれだけ。

テレビ台の引き出しを開け、食器棚を開け長女の妊娠中にひたすら選びました。

そして出産後は育児に追われ、選ぶ余裕もなく、モノがじわじわ増えていきますが、第2子、第3子と妊娠を繰り返す中で、「これからの子どもの生活で必要なのは何か?」ということをいつも考えながら選び続け「選ぶ力」を鍛え上げました。

「片づかない」という、いつまでも解決しない悩みの原因は、「片づけようとしてる」ことかもしれません。

キレイにする、使ったモノを元に戻す。これも大切なことですが、そこばかりにとらえられていると、モノがキレイに並べられたり、移動するだけ。

片づけのスタートは「選ぶ」。意外とシンプルです。

いる、いらないの2択は、究極の選択で、苦痛になります。

まずは、自分が使いたいのか、必要としているか、好きなのか、自分がどうしたいか考えモノを選び、自分が選んだモノとの生活を楽しみ、選ぶことを繰り返しながら「選ぶ力」を身に付けてほしいと思っています。

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選ぶ暮らしラボ 藤原友子(ふじわらゆうこ) 

1975年大分県在住 結婚後片づけを始める。長男との片づけバトルでモノを「選ぶ」ことの重要性に気づき、モノや暮らしを「自分軸で選べる人」を増やすために活動中。

二男二女の母で「いつもキレイではないが、すぐに片づく家」で暮らしている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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