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子どもの「捨てたくない!」発言で、片づけが進まない時の対処法

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけたいのに、子どもが「捨てたくない!」と言います。どうしたらよいのでしょう。(小5・5歳の母)

こんな声を聞きました。

我が子が捨ててさえしてくれれば、もっと片づくのに…と子どもの「捨てたくない!全部いる!!」という言葉にやきもきしたことのある人は多いのではないでしょうか。

私も、どう見てもゴミにしか見えない子どものモノを捨てようとしたら、子どもがかたくなに「捨てたくない!」と言い、片づけが進まず困った経験があります。

そこで、今日は子どもの「捨てたくない!」発言で片づけが進まない時の対処法です。

片づけって「捨てる」ことではない。

片づけは、捨てること、と思っている人も多いと思いますが、必ずしもそうとは限りません。

私は「片づけは自分の大切なモノを大切にすること」だと考えています。

確かに捨てるとスッキリするので、捨てれるモノはすぐ捨てたい気持ちはわかるけど、それはあくまで気持ちよく捨てれたらの話。

子どもがイヤイヤ捨てているようでは、絶対にスッキリしません。

まずは、子どもが自分の大切なモノを知ることが重要なのです。

捨てたくないモノ=全部大切なモノなのだろうか

子どもに「捨てたくない」と言われると、きっとそれは大切なモノだろうと思ってしまいますが、捨てたくないモノ=大切なモノとは限りません。

例えばクローゼットに着ていないのに捨てられない服が詰まっているとしましょう。

クローゼットの中の捨てられない服を一枚一枚手にし、考えてみると次ような服がないでしょうか。

●今は、着ていないけど高かったから捨てるのはもったいないと思っている服
●人からもらった大切な思い出の服
●まだキレイな状態だから、売れるなら売ってみたい服
●とりあえず買ってみたけど、あんまり好きじゃなく残念ながら着ることがなかった服
●気に入ってよく着ていたけど、太ってしまい入らなくなった服

「クローゼットにある捨てられない服」は、どれも同じように見えますが、実はよく考えるとモノは一つ一つ違います。

「捨てたくない」という言葉で終わることなく、モノの山の中から、一つ一つの違いに気づき、本当に自分が好きなモノを知り選び残せることが大事なのです。

だから、子どもが「捨てたくない」と言うだけで、この子は「捨てられない子」と決めるのはちょっと違う。何が大切かわかっていないだけだと私は思っています。

子どもの大切なモノを知るにはどうしたいいか

子どもに、モノが持つ、一つ一つの思いに気づき、自ら大切なモノを選んでもらうには、

●一番好きなモノを教えて
●どれが、一番お気に入り?
●コレとコレ、どっちが好き?

というように、比較をすることより大切なモノに気づいてもらう声掛けと

●これどうしたの? いつかどこで買ったの?
●コレはどうやって遊ぶの?
●最近あんまり遊んでいないけど、そろそろ卒業かな?

と、モノと子ども自身の関わりに関する声掛けが有効です。

ちなみに「捨てていい?」と聞くのは、選択肢が捨てる、捨てないの2つに絞られてしまい「捨てたくない!」と、とっさに答えることがあるでしょう。

本当に大切なモノがわからないので、あまりお勧めはしません。

2択でしか答えられない質問では、子どもは本心で答えることができず結局、どちらかの選択肢に無理やり自分の気持ちを合わせることになります。それでは「自分で決断した感」がありません。

また、自分が本当に好き、大切なおもちゃに気づくことができる「おもちゃの選抜総選挙」は捨てるとか捨てないで、親子でイライラしたくない人、子どものモノをいつもこそっと捨てている人におススメです。

※Yahoo!クリエイターズ記事より「〇〇選抜総選挙」で子どもの選ぶ力を育もう
https://creators.yahoo.co.jp/fujiwarayuko/0100099904

子どもが、好き・大切なモノを知ることができたら、それ以外のモノは、今は捨てなくていいから、別の場所で保管してください。

捨てるのではなく、あくまで避難させるイメージです。

大切なモノを大切にするためには、「好きじゃない」とか「あんまり好きじゃない」モノは、収納の中に必要ありません。

子どもが捨てるのを嫌がる時は、子どもが納得していないのに、無理に捨てさせようとしないくて良いです。

子どもが大切なモノに気づく声掛けと、大切じゃなさそうなモノをそこから避難させることが重要なのです。

そうすることで、大切なモノを大切にするというシンプルで効率の良い暮らしにつながります。

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選ぶ暮らしラボ 藤原友子(ふじわらゆうこ) 

1975年生まれ 大分県在住 結婚後片づけを始める。長男との片づけバトルでモノを「選ぶ」ことの重要性に気づき、モノや暮らしを「自分軸で選べる人」を増やすために活動中。

二男二女の母で「いつもキレイではないが、すぐに片づく家」で暮らしている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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