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片づけ歴10年、いつもキレイな家を目指すのは卒業しました。

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

自分らしい暮らしの作り方、藤原友子です。

私は片づけのプロ10年。

はじめましての人にお会いすると「片づけが苦手なんです」と言われ、片づけとは別件でお伺いしたお宅では「片づけの専門家に家を見られるのは恥ずかしい」と言われることがこれまで何度もありました。

片づけが苦手だとダメなのか? 片づいていないのは悪?

これまで私は、片づけのプロの家は、いつもキレイじゃないといけない。散らかっていると信用を無くしてしまうと思い、常に家をキレイに整えていました。

特に4人の子どもがまだ幼い時は、自分の時間、気力、体力ゼロの中、必死に家を整えたのに、子どもたちは見事に散らかしていきます。

おもちゃを元に戻すことができるように、収納は考えて用意しているはずなのに、遊んだらおもちゃはそのまま。

また子どもだけではなく、私自身もソファにモノを置きっぱなすことがよくあり、床に散らかったモノを拾ってはひたすら戻すという生活に疲れていました。

仕事では片づけのノウハウやテクニックを求められるけど、そのノウハウやテクニックで片づいていない我が家の現実を考えると、果たして本当に片づいていることがよいことなのか、散らかっていることは悪なのだろうかという思いが芽生えてきました。

片づけの情報も簡単に手に入るけど

また現代は、片づけや収納の正解っぽい情報が簡単に、しかもタダで大量に手に入る時代です。

SNSでは美しく整った誰かの暮らしを簡単に見ることができます。

それなのに片づけがうまくいかなくて自分を責めて自信を無くす人、どうしてよいかわからなくなった人が多い現実を考えると、

キレイに整っていたり、散らかっていることがいいとか悪いとかではなく「自分の暮らしに納得できているか」が大切ではないかと思うようになったのです。

自分の暮らしに納得するために必要なコト

納得する暮らしは、散らかっててOK!と自分を無理に納得させることではありませんし、キレイを諦めることでもありません。

暮らしの中で、自分の納得のいく選択ができているかどうかです。

例えば、食器

あんまり好きじゃないけど、とりあえず家にある食器を使っている
欠けたままの食器を仕方なく使っている
とりあえず100円の食器でいいかと思っている
頂き物がいっぱいで、どれもあまり気に入っていない

このようなことに心当たりはないでしょうか。

今の生活に満足しているわけではないけど、気が付いたらそれが当たり前になっていることもあります。

子どもがいたら、仕事が忙しかったら、余裕がなかったら、自分のコトや家のコトは後回しにし、何かを自分のために見直そうと思う余裕はないかもしれません。

でも、「とりあえず」とか「なんとなく」という基準で妥協で手にする食器ではなく、しまい込んだままであった自分の好きな食器を使ったり、ずっと欲しかった食器を手に入れ食事をすると、確実に食事の時間の質が変わります。

頂いたけど気に入っていない食器、とりあえず買った食器を管理するより、大切な食器を管理する時間の方が楽しいはずです。

片づいていない=悪ではない

自分が活用するモノを、他人の考えに振り回されず、自分の思いのまま「選ぶ」ことをもっと意識すると、家の中が少しずつ変わり始めます。

私が片づけの仕事10年で感じたことですが、モノがあふれた家は、その家庭の意志を感じることができません。たくさんモノがありすぎて何を大切にして暮らしているのか、どんな時間を家族で大切にしているのかが見えてこないのです。

キレイに片づいているのは素晴らしいことです。だけど、片づいていない=悪ではありません。イライラの元になるだけです。

だったら、イライラを少しでも減らすために、自分にとって大切なモノは何かを考えてみましょう。大切なモノを選び、残していくことを考えればよいのです。

モノを選ぶ時点で「これは自分で選んだ」と確信が持てるモノだけを残したり、家に入れていくと、モノを大切に管理するようになります。散らかることは減り、片づけの手間も減るでしょう。

何より、自分が納得できる暮らしに近づくのです。

最後に、片づけの仕事を10年間続けた私がたどり着いたのは、いつもキレイな家ではなく、必要な時にすぐ片づく家であり、家族そして自分が大切にしたいモノを大切にできる暮らしで巣。

今では4人の我が子も、自分で好きなモノを選ぶことを楽しんでいます。

片づいていない=悪ではありません。

いつもキレイじゃなくても大丈夫、暮らしの中にお気に入りのモノが増えていく喜びを感じてみてはいかがでしょうか。

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選ぶ暮らしラボ 藤原友子(ふじわらゆうこ) 

1975年生まれ 大分県在住 結婚後片づけを始める。長男との片づけバトルでモノを「選ぶ」ことの重要性に気づき、「選ぶ」から始める片づけや暮らし方を伝える活動中。

二男二女の母で「いつもキレイではないが、すぐに片づく家」で暮らしている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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