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片づけのプロが明かす、片づけ成功の鍵は「自分で決める」こと

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

私は片づけを仕事にしていて、お客様宅の片づけのサポートに入る時に大事にしていることがあります。

それは「自分で決める」ことです。

片づけは

何を残すのか
何を手放すのか
どこに、どんな方法で収納するのか

など、たくさん決めなくてはいけないことがあります。

私は、捨てられない、何が大事かわからない方のためにじっくり話を聞き、モノとの関係を考えるきっかけを作り、収納法がわからない方には、方法をいくつか提示しメリットやデメリットも伝え最終的には自分で決めてもらうようにしています。

なぜ私がお客様の「自分で決めること」を大切にしているかというと理由は大きく3つあります。

1.モノへの愛着&所有の責任感向上

自分でこれを残す、これを大事にすると決めると、そのモノに対する感情的な結びつきが強くなります。愛着がわき、それを大切にしようとする気持ちが芽生えます。

人は自分の好きなモノ、大切なモノの管理(片づけ)ならしようとしますが、どうでもいいモノは適当に扱いがちです。

子どものモノの片づけはまず勉強道具から始めてほしいと思う大人が多いですが、私はその子の大切なモノ(宝物)や好きなモノからはじめます。

好きなモノの管理を考える方が楽しいのは、子どもだけではなく大人も同じでしょう。

自分で残すモノ、それをどこにどうやって収納するか考え決めることで、より使った時に元に戻そうとする気持ちが強くなるのです。

2.自分らしい暮らしに近づく

人にはそれぞれに異なる好みや理想の部屋というものがありますが、それは一概にシンプルな感じ、とかナチュラルな感じ、というように簡単に言葉にしたり、タイプ別に分けることができるものではありません。

自分が残すべきモノや、部屋に置きたいモノ、収納を考え決めることで、片づけがその人の暮らし方にマッチし、より生活が快適になるのです。

小さい子どもを育てていて、なかなか家の中が自分の思い通りにならないと言っていたSさん(30代)は、子ども中心の暮らしで推し活グッズを部屋に置きたいのに押し入れにしまい込み我慢していました。

しかし「やっぱり置く!」と決めたことで、じゃあ子どもに触られないようにするにはどうしたらよいか、どこに置くことで自分が癒されるかなどを考え実現することで、小さい子どもがいながらも少しずつ自分らしい暮らしに近づいていきました。

3.片づいた状態をキープしやすくなる

人は自分で決めたことには責任を持とうとします。

ストック食品の置き場に困っていたMさん(40代)、キッチンでの動線を見せていただき、ストック食品の置き場候補を2か所に絞り、

Aの場所は、ストックの食品を管理するのに引き出しの大きさも十分で、引き出しの使いやすさも一番だけど、動線から少し外れるから、手間がかかり別の場所に食品を置くことになるかもしれない。

Bの場所は、動線的には一番よいけれど多くのストック食品が入らない。買い物に行く前などに在庫の把握はしやすい場所だから買いすぎは減るかもしれない。

この2つの案を提示し最終的にMさんは。Bの場所に食材のストック場所を決め、その代わりたくさん食品が入らないから、何を買うかよく考えるようになり、買い物に行く前には必ずこの食品入れを確認して、スペースからあふれださないようにキープしているようです。

「自分で決める」が難しい時代だけど

このように自分で決めることで、長期的にモノを見直したり、後片づけの習慣が身につくようになると、それが成功体験となり快適な生活を求め新たな課題に取り組むことも可能になります。

片づけや収納に関する情報は山ほどあります。そのような時代において「自分で決めること」はなかなか難しいかもしれません。

しかし、自分で決めることは、自分の暮らしと好みを合致させるために重要なことです。

様々な情報を参考にし、それを自分の状況に合わせ適用し試行錯誤を繰り返すと、片づいた状態をキープできるだけではなく、暮らしの質も向上し自分も満たされるようになるのではないかと私は感じています。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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