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片づけてもすぐ散らかる、それは片づけで一番大切なことをすっ飛ばしているから

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけてもすぐ散らかる

こういう声をよく聞きます。

「片づける」という言葉の解釈は人によって多少の違いがありますが、

使ったモノを元の場所に戻す
散らかっている場所をキレイにする

などの意味合いが強いと思います。

確かに使ったモノを元に戻すと床からモノがなくなりキレイにはなりますが、その前に大切なことがあります。

それは「必要なモノを選ぶ」ということです。

必要なモノも、必要でないモノもぐちゃぐちゃに混ざった状態ではなく「そこに必要なモノだけがある」と言う状態を作らないといけません。

要は捨てれば解決するかもしれないけれど

「片づけは、要は捨てればいいんですよね?」と言われたことがあります。

確かに引き出しの中に使いもしないモノがぎゅうぎゅうに押し込まれていては使いにくいので捨てるのが一番です。

モノの数が減れば片づけは絶対に楽になるのですから。

でも捨てる事に抵抗を感じる人も多いでしょう。無理に捨てて後悔をするともう片づけはストップしてしまいます。だから捨てることが苦手であれば無理に捨てなくてよいです。

しかし捨てるのが苦手でも、たくさんあるモノの中からこれが必要!というモノを選ぶことはできるのではないでしょうか。

どうやって選べばよいのか?

例えば、服を片づけたい場合。

クローゼットの中身が本当に必要な服だけになると、毎日服が選びやすくなりクローゼットが使いやすくなります。(収納を考えるのもずいぶん楽になります)

そこでまずは残したい(これから着たい)服を選んで残します。

ただし、いるかどうか?服として機能するか?という基準で考えると、ボロボロに破れていない服は、すべて「いる」ということになります。

服の状態ではなくあくまで基準は自分の気持ち。これから着たいかどうか、着るか、その服を着ている自分はどう感じるかどうかです。

部屋着なら、この服を着てコンビニで知り合いに会って恥ずかしくないか、仕事着なら、この服で打ち合わせに行って恥ずかしくないかという基準で選ぶのです。

食器の場合であれば、割れているか?ではなく、これからの食事に使いたいかどうか。

食事は、ただ栄養を補給さえできればOK!という人は少ないでしょう。やはり、食事の時間はたとえ、一人で食べることがあっても、好きな器、食器で食べると気持ちがよいものです。

だから、好きな食器、必要な食器を選んで残しましょう。

選ばれなかったモノは、無理に捨てなくてOK

選ばれなかったモノは即捨てるのかというと、捨てられないのであれば無理に捨てる必要はありません。

ただし、必要なモノと同じ場所に置いておいては絶対にダメ。捨てる決意ができるまで違う場所で保管してください。

今は、捨てる決断ができないかもしれないけど、数か月たつと、

なくても平気だった
やっぱり使うことがなかった

という現実に気づくと捨てることができるかもしれません。

片づけのスタートは意外とシンプル

私は、結婚後片づけられない生活から卒業しました。それは収納ワザを学んだわけでもなく、優秀な収納道具を手にしたからではありません。

第一子妊娠中に、テレビ台の引き出しや食器棚の中からひたすらこれからの生活に必要なモノを選ぶことを繰り返しました。

出産後は育児に追われ、選ぶ余裕もなくモノがじわじわ増えていきますが、第2子、第3子と妊娠を繰り返す中で「これからの子どもの生活で必要なのは何か?」ということをいつも考えながら選び続けてきました。

片づけのスタートは選ぶ、意外とシンプルです。

いる、いらないの2択は、究極の選択で苦痛になります。

まずは、自分が使いたいのか、必要としているか、好きなのか考えてモノを選び、実際に自分が選んだモノと生活をしてみて、増えてきたらまた選ぶことを繰り返す、これが「片づけてもすぐ散らかる生活」からの卒業につながるのではないでしょうか。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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