Yahoo!ニュース

「服はたくさんあるのに着たい服がない人」が知っているといい「服を選ぶ基準」

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

クローゼットの中には服がパンパンなのになぜか着たい服がない…。という経験はないでしょうか。

この問題を解決するには、クローゼットの中に着たい服があることがなにより大事です。たくさんの服が美しく収納されているかどうかは一番大切ではないのです。そこで重要になってくるのが服を選ぶ基準です。

何を基準にし買い物をするか

これまでこのような女性がいました。

●夏だし、とりあえずボーダー柄でも買っておこうと思い購入した30代の女性。実はボーダーが特別好きではありませんでした。クローゼットはもう服を掛けるスペースもないのに、ボーダー柄の服が何枚も…しかもどれも値札が付いたままです。

●「今シーズンの人気はこのタイプです」と店員さんに言われ試着すると、少しやぼったく見えたものの「まあいいか」と購入した40代の女性。しかし結局着ることなく「今シーズン」が終わってしまいました。

●「今ならトップスを3枚買うと、1枚が半額になる」と店員に言われ、本当は2枚で十分なのにとりあえず適当に選んでさらに1枚購入した30代女性。しかし、自宅で着てみたらイマイチで、結局クローゼットに押し込まれたまま。フリマアプリに出品しようと思っているけどそのままです。

この女性たちは、服を選ぶ基準が「自分」ではなく、「安さ」や「だれかの意見」でした。

買う服を選ぶ基準を「自分」にするということは「これが着たい!」「これが好き!」などの自分の気持ちや欲求を優先することです。

本当はこんな洋服が好き、本当はこんなデザインが着たい、という自分の気持ちをおさえて「とりあえず安い」とか「なんとなく」「まあいいか」で洋服を選んでいるのと、確実に服の数はあるが着たい服がないという状態になります。

服はあるが着たい服がないことの弊害

自分の「この服が好き」「この服を着たい」という気持ちを優先していないため、手に入れた服は、安かったり流行かもしれないけれど、あまり好きではない特に思い入れもない服です。

そうなると、きちんと収納場所を用意したとしても、ハンガーにもかけずしわくちゃになっても平気で、ソファに置きっぱなしにしたり服を適当に扱うようになります。 

また「捨てる」ことを考えても、せっかく買ったのにあまり着ていないからもったいない、まだ着ることができる、だから捨てらない!と困ることになります。

適当な気持ちで服を手に入れて、それで捨てられないとなると服は溜まっていく一方です。しかも、あまり気に入っていない服、正直どうでもいい服が溜まっていくのです。

毎年季節が変わるたびに「私、去年の冬は何を着ていたのだろう」と思うのであればこれまで服を適当に選んでいたのかもしれません。

現代は、寒さから身を守るだけに服を選ぶ時代ではありません。服は自分を表現するのためのアイテムです。

そう考えると「とりあえず」「まあいいか」で選んだ服を着る自分で本当に良いのでしょうか。

「とりあえず」で服を選び続けていると、クローゼットの中がパンパンなだけではなく、いつまでも自分に自信が持てないままです。

子どもがいるとか節約したいという思いは一旦そばに置き、自分はどんな洋服を着た時に、何度も鏡の前に立ちたくなったり、アクセサリー選びを楽しみ、お化粧も丁寧にしてみようと思うだろうか、と考えてみるとよいかもしれません。

理想はとりあえずが100枚より、絶対が10枚!

クローゼットは服を詰め込むだけのBOXではありません。「とりあえず」で選んだ服が100枚あるより「絶対欲しい」と選んだ10枚の服がある方が、毎日の洋服選びが楽ですし何より服を大事に扱います。着たい服がない!と朝から悩むことも減るでしょう。

今はお店に行くと山ほどの服が売っています。ネットでも膨大な量の服が売っていて私たち消費者は迷うばかりです。

そんな時代だからこそ「私の服を選ぶ基準」が必要で、それが「とりあえず」「まあいっか」ではなく「好き」とか「絶対に着てみたい」など自分中心に考えることができるのが理想です。

世の中には増えたモノを上手に管理するために、数多くの収納道具や収納テクニックが存在します。道具やテクニックを駆使することで、たくさんのモノを収納でき見た目も驚くほどキレイになりますが

たくさんのモノをいかに美しく収納するかより、何が収納の中に入っているかが一番大事なのです。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

藤原友子の最近の記事