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家の中の片づけは女性の仕事か? 家庭の片づけをサポートして13年のプロが見てきた男性の変化

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

私は片づけを仕事にし13年目です。仕事を始めた当初は

●どうしてお金を払って他人に片づけを教えてもらわないといけないのか
●片づけは主婦の仕事だから自分でやるべきだ、皆もがんばっている
●片づけは自分でやるから意味がある、他人にお願いする必要はない

このようなことをパートナーに言われた女性に出会うことが何度かありました。

片づけは女性の仕事なのか?

料理、洗濯、掃除、片づけなどの家事はまだまだ女性が実質的にする家庭がが多いでしょう。

「片づけ」は算数の計算のように学校で習うものではなく、各家庭の生活の中で自然と身に付くものと言う考えがあり、以前は女性なら(結婚したら、主婦になったら)片づけができるのが普通だろうと思っている男性も今より多かったと思います。

しかし最近では社会の変化、価値観の変化もあり、近年では男性も家事や育児に参加することが一般的になっています。

ようやく片づけ、家事は家族全体で行うべき活動として見なされるようになってきていますが、「さぁ!これから家の片づけを分担しましょう!」といきなり初めてもうまくいきません。

そもそも片づけとは、モノを管理すること

片づけは、使ったモノを元の場所に戻す「後片づけ」をイメージしやすいですが、買ったモノの収納場所を考えたり、収納を見なおしたり、不要になったら捨てることやリサイクルすることを考えたり、ただ見た目をキレイに整えるだけではなく、モノを管理することが含まれます。

家族に勝手に自分のモノを捨てられて怒った経験がある人もいるかもしれませんが、手にしたモノは使う人が管理し、捨てるのかまだ捨てないのかも、モノを所有する本人が決めないとトラブルになることもあります。

だから家族の誰かが家の中のモノをすべて管理するのは無理な話で、本来であれば自分のモノは自分で管理しないといけないのです。

実際にどうやって家族で分担するのか

家の中のモノの管理を家族で場所別に分けるというより、自分だけに関係があるモノは自分が管理責任者になるように考えるとよいです。

リビングはソファでくつろぐ、テレビを観る、スマホをする、新聞を読む、ゲームをする、宿題をするなど家族それぞれが色々なことをするので、家族それぞれのモノが大集合する場所ですから片づけが難しいです。

一般的に家事をメインに担う人がリビング全体の管理責任者となるけれど、それぞれのモノはそれぞれが管理しないといけません。

私物を置いてよい場所(収納)は決め、溢れたらどうするのか、どのタイミングで各自の部屋に移動するのかなどを考えないといけません。

一方でクローゼットなどはその人のモノが中心である場合が多いので、服の管理などから各自が管理責任者となり行ってもらうとよいでしょう。

子どもにとってはおもちゃは自分だけのモノでしょう。管理すべてを子どもに任せることはできないかもしれませんが、「おもちゃの収納スペースの場所はあなたにお任せするね」と管理責任者を任命することで、自分なりに頑張ってくれることもあります。

片づけは一人でするものではないと気づいたら、一気に進むことも

最近では片づけセミナーにも男性参加者が増えています。

大変な片づけはプロにお願いして、やり方を教えてもらえばいいじゃないかと考える男性も増え、片づけレッスンを希望する家庭に伺うと率先してして片づけに参加してくれる男性が増えています。

実際の片づけの作業の工程を共に体験することで自分にできることを上手に見つけ出したり、

自分が何でも簡単に買ってきてしまうことが、実は片づかない原因を作っていたと気付いた男性もいます。

また必要なモノを残す基準がわかったら、女性よりも簡単に整理を進めてしまう男性もいます。

片づけが自分でしたい女性はすればいいと思います。ただそれはその人個人の話であって一般的に「女性がするもの」と決めつけるのはよくありません。

家族によって体力や力の差があり、作業の得手不得手があるので、家族で共に行うのが一番よいし、思い切ってプロに頼んだ方が揉めずにうまくいくということもよくあります。

13年前に比べ、今は積極的に片づけに参加する男性も多く家族で片づけに取り組むという意識が高まってきています。片づけを始めとした家のことは家事と言われますがみんな事として考える時期が来ていると感じています。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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