Yahoo!ニュース

【ウルトラマンが怒鳴られた?】人間と最も深い友情を結んだ、熱い炎の国民的ヒーローって誰?

二重作昌満博士(文学)/PhD(literature)

みなさま、こんにちは!

文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)と申します。

特撮を活用した観光「特撮ツーリズム」の博士論文を執筆し、大学より「博士号(文学)」を授与された後、国内の学術学会や国際会議にて、日々活動をさせて頂いております。

連日猛暑日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

命に関わる熱波ですので、ご無理なさらず冷房をつけてくださいね。

さてさて、本日のテーマは「友情」です。

皆さまも普段の生活において、お友達と一緒に遊んだり、楽しい時間を共有したり、

部活動を通じて絆を深めたり、職場の同僚と一緒に飲みに行ったりされているかと存じます。

ニュージーランド、エイベル・タスマン国立公園でのシーカヤック。ひとりでは漕げず、みんなで漕ぐ係やかけ声の係等、役割を分担します(2020年3月 筆者撮影)。
ニュージーランド、エイベル・タスマン国立公園でのシーカヤック。ひとりでは漕げず、みんなで漕ぐ係やかけ声の係等、役割を分担します(2020年3月 筆者撮影)。

私も「高校時代の友情は永遠」と信じているような人間ですが、

このように、ひとくちに友情の形といっても実に様々です。

また、友情とは決して人間同士の範囲に留まりません。

大切な愛犬かもしれないし、愛猫かもしれない。ロボットかもしれない。

少し極端な例ですが、近い将来には宇宙人とも友達になる日がくるかもしれません・・・?

しかし、そんなかけがえのない友との熱い友情も、いわば大器晩成型。

日頃のコミュニケーションを通じて、ぶつかり合い、励まし合い、

立ちはだかる困難を超えていく。

たとえ時が流れ、離ればなれになったとしても、再会すればすぐに友達だった頃に戻れる。

それが親友だと私も思います。

ウルトラマンシリーズ最強のコンビである、ウルトラマンガイア(写真右)とウルトラマンアグル(写真左)。2023年夏には両者が合体したウルトラマンガイアスーパースプリームヴァージョンが披露された。
ウルトラマンシリーズ最強のコンビである、ウルトラマンガイア(写真右)とウルトラマンアグル(写真左)。2023年夏には両者が合体したウルトラマンガイアスーパースプリームヴァージョンが披露された。

現在まで世界中の人々に愛され続ける、国民的ヒーロー番組「ウルトラマンシリーズ」では、55年以上続くシリーズの歴史において、人間同士の絆や友愛、はたまた宇宙人であるウルトラマンと人間との種族を超えた友情が描かれてきました。

そこで今回は、長いウルトラマンシリーズの歴史において、人間と特に深い友情を結んだウルトラマン一族のルーキー、ウルトラマンメビウスの物語をご紹介します。

ウルトラの父の命を受け、ウルトラマンメビウス(写真左)は地球へ向かうことに。果たして彼とその仲間達が地球で織りなす物語とは?
ウルトラの父の命を受け、ウルトラマンメビウス(写真左)は地球へ向かうことに。果たして彼とその仲間達が地球で織りなす物語とは?

☆本記事は「私サブカルチャーものにくわしくないわ」、「難しい話はちょっと・・・」というみなさまにもお届けできるよう、概要的かつ深すぎないお話を心がけておりますので、お好きなものを片手に、ゆっくりご覧頂けますと幸いです。是非とも、お部屋を涼しくしてご覧くださいませ。

【バカヤロウ!それでもウルトラマンかよ!】なんも守れてないじゃないか!地球人に怒鳴られたメビウスのデビュー戦とは?

お話の本題に入る前に・・・

みなさまはウルトラマンシリーズをご覧になられたことはありますでしょうか?

少しお時間を頂戴し、ウルトラマンシリーズについて概要的にお話しをさせて頂きたく存じます。

『ウルトラマン(1966)』より、初代ウルトラマン関連商品(筆者撮影)
『ウルトラマン(1966)』より、初代ウルトラマン関連商品(筆者撮影)

ウルトラマンシリーズは、株式会社円谷プロダクション制作の特撮ヒーロー番組『ウルトラマン(1966)』を起点とする特撮シリーズです。

1966年に『ウルトラマン』が放送され、M78星雲「光の国」からやって来た身長40mの銀色の宇宙人が巨大な怪獣と戦い、最後は必殺光線(スペシウム光線)で怪獣を退治するという物語はたちまち子ども達の心を掴み、最高視聴率42.8%、平均視聴率36.8%を記録する大人気番組となりました。

『ウルトラマン(1966)』から『ウルトラマン80』まで。皆さんが幼少期にご覧になっていたウルトラマンは誰でしたか?(筆者撮影)
『ウルトラマン(1966)』から『ウルトラマン80』まで。皆さんが幼少期にご覧になっていたウルトラマンは誰でしたか?(筆者撮影)

大衆的な人気を博した『ウルトラマン(1966)』の放映終了後も、その次回作である『ウルトラセブン(1967)』、『帰ってきたウルトラマン(1971)』、『ウルトラマンエース(1972)』、『ウルトラマンタロウ(1973)』、『ウルトラマンレオ(1974)』、『ウルトラマン80(1980)』とシリーズが続いていきました。

今回ご紹介する『ウルトラマンメビウス(2006)』は、上述した『ウルトラマン』から『ウルトラマン80』までの7作品の世界観を踏襲した、ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作。

『ウルトラマンメビウス(2006)』よりウルトラマンメビウスのソフトビニール人形(筆者撮影)
『ウルトラマンメビウス(2006)』よりウルトラマンメビウスのソフトビニール人形(筆者撮影)

つまり、初代ウルトラマンからウルトラマン80まで、先輩ウルトラマン達が守り続けてきた地球を舞台に、ウルトラの父から地球防衛の命を受けたルーキーウルトラマン、メビウスが地球人の若者達と熱い友情を結んで地球を守る物語です。

ここまで概説すると、華々しいウルトラマンの活躍が描かれる物語なのでは?と期待してしまいますが、現実は違いました。

なんとこのメビウス、地球での最初の戦いでやらかしてしまい、あろうことか地球人に怒鳴り散らされるという大失敗をしてしまったのです。

ウルトラマンメビウス、地球でのデビュー戦・・・。彼の登場は人々から歓声が上がるも・・・?(筆者撮影)
ウルトラマンメビウス、地球でのデビュー戦・・・。彼の登場は人々から歓声が上がるも・・・?(筆者撮影)

本作第1話において、メビウス最初の相手となったのは宇宙斬鉄怪獣ディノゾール。鈍重な巨体と共に、口から出す舌はビルをも切断する威力を持っている上、体中から光弾を放つ。さらに防衛チームの編隊をたやすく全滅させた強敵でした。

宇宙斬鉄怪獣ディノゾールのソフトビニール人形(筆者撮影)。
宇宙斬鉄怪獣ディノゾールのソフトビニール人形(筆者撮影)。

そんなディノゾールさん相手にメビウスは戦いを挑みますが、厄介なのは何でも切断する舌。

この舌から避けるため、なんとメビウス氏、ビルを盾にしてしまったのです。

「ビルを盾にしやがった!」(特捜チーム『CREW GUYS』リュウ隊員)

当然ながら切断されたビルは音を立てて崩れます。その数、なんと一瞬で3棟。

さらにメビウス氏、ディノゾールの体から放たれる光弾を避けるため、市街地の中をしきりに避け続けますが、建造物の間で避け続けるもののだから、光弾が当たったビルはどんどん大破していきます。

必殺光線・メビュームシュート!ディノゾールを打ち破るも、人間からの反応は・・・?(筆者撮影)
必殺光線・メビュームシュート!ディノゾールを打ち破るも、人間からの反応は・・・?(筆者撮影)

避けに避けを重ねたメビウスは必殺光線(メビュームシュート)でディノゾールを仕留めます。しかし大変だったのはその後・・・

「バカヤローーーーーーー!なんて下手くそな戦い方だ!まわりを見てみやがれ!」(リュウ隊員)

メビウスの視界に広がるのは、無残にも破壊されたビルの数々・・・

「それでもウルトラマンかよ!なんも守れてねえじゃねえか!」(リュウ隊員)

泣きながら膝をつくリュウ隊員の姿を観たメビウスは、その後リュウ隊員が所属する特捜チーム『CREW GUYS』にヒビノ・ミライ隊員として入隊し、リュウをはじめとする隊員達と共に地球を守る決意を固めます。

「一緒に戦わせて下さい!あなたと一緒に戦いたいんです!」(ミライ隊員)

ヒビノ・ミライ(ウルトラマンメビウス)は『CREW GUYS』へ入隊(筆者撮影)
ヒビノ・ミライ(ウルトラマンメビウス)は『CREW GUYS』へ入隊(筆者撮影)

ミライの入隊後、新たな怪獣(地底怪獣グドン)が出現しますが、初陣での大失敗から学んだメビウスは、周囲に建造物のない更地へとグドンを誘導し、『CREW GUYS』の隊員達との連携でグドンを倒すことができました。

ウルトラマンメビウス、第二戦の相手は地底怪獣グドン。過去にも出現したグドンは、ウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)を苦しめた強敵怪獣(筆者撮影)。
ウルトラマンメビウス、第二戦の相手は地底怪獣グドン。過去にも出現したグドンは、ウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)を苦しめた強敵怪獣(筆者撮影)。

こうして、ウルトラマンメビウスと『CREW GUYS』の隊員達による友情と成長の物語がはじまったのですー。

【番組途中で仲間に正体がバレた?】故郷へ帰れと命令されたメビウスの決断は?

上述したグドンとの戦いの後も、メビウスと『CREW GUYS』の隊員達は、迫り来る怪獣や宇宙人達との戦いに身を投じていきます。

幾度となく起こる隊員同士の対立、その対立を乗り越えさらに深まっていく友情・・・

さらに、もうひとりのウルトラマンである「ウルトラマンヒカリ」の登場や、かつて地球を守った「ウルトラ6兄弟」(※1)をも巻き込んだ一大決戦等、戦いが激しさを増していく中・・

ウルトラマンヒカリの関連商品(筆者撮影)
ウルトラマンヒカリの関連商品(筆者撮影)

ウルトラマンメビウスがウルトラ6兄弟と合体!?奇跡の姿・メビウスインフィニティー(筆者撮影)
ウルトラマンメビウスがウルトラ6兄弟と合体!?奇跡の姿・メビウスインフィニティー(筆者撮影)

※1:ウルトラ6兄弟とは、『ウルトラマン(1966)』から『ウルトラマンタロウ(1973)』までの5作品に登場した、6人のウルトラマンの総称。ゾフィー、初代ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウで編成される。

ある日、メビウスことミライ隊員に、彼の故郷である「M78星雲・光の国」への帰還命令が、ウルトラの父とウルトラの母により告げられます。

ウルトラの父(写真左)とウルトラの母(写真右)、その息子であるウルトラマンタロウ(写真中央)。
ウルトラの父(写真左)とウルトラの母(写真右)、その息子であるウルトラマンタロウ(写真中央)。

その理由は、メビウスでは対処できない強大な敵が地球にやって来るためでした。

「どうして、地球にいてはダメなんです?」(メビウス)

「地球には、途方もない脅威が迫りつつある。」(ウルトラの父)

「だったらなおさら、僕が地球にいなければ。」(メビウス)

「いいえ。既に兄弟のひとりが地球に向かっています。あなたは戦ってはなりません。」(ウルトラの母)

「今の君が望めば、命を落とすのは確実だ。」(ウルトラの父)

ウルトラの父、母の言説のとおり、その後地球に姿を現したのは無双鉄神インペライザー。メビウスの必殺技はおろか、『CREW GUYS』の攻撃をも一切跳ね返す難敵でした。

無双鉄神インペライザー。その戦力はメビウスはおろか、ベテラン戦士のウルトラマンタロウですら苦戦を強いられた(筆者撮影)
無双鉄神インペライザー。その戦力はメビウスはおろか、ベテラン戦士のウルトラマンタロウですら苦戦を強いられた(筆者撮影)

「今まで、ありがとうございました!」(ミライ隊員)

死を覚悟したミライは、彼が入隊するきっかけをつくったリュウ隊員の目の前で変身します。

「ミライ・・・なんでお前が!」(リュウ隊員)

圧倒的な力の差・・・難敵・インペライザーを前に倒れ伏したメビウスを支援するために現れたのは、ウルトラの父と母の息子であり、かつて地球を守ったウルトラマンタロウでした。

メビウスの代わりに、ウルトラマンタロウはインペライザーに立ち向かうが・・・?(筆者撮影)
メビウスの代わりに、ウルトラマンタロウはインペライザーに立ち向かうが・・・?(筆者撮影)

タロウの活躍でインペライザーは一旦退きますが、怪獣退治のベテランであるタロウでさえ完勝できなかった難敵は必ずまたやって来る・・・。

再出現したインペライザーを前にタロウは奮闘しますが大苦戦。タロウを助けるため、ミライ隊員はこれまで一緒に戦ってきた『CREW GUYS』の隊員達全員に自らの正体を明かします。

「ミライ。行け!行ってお前の強さを・・・ウルトラマンメビウスの強さを、タロウに証明してこい!」(リュウ隊員)

奮起したミライ隊員はウルトラマンメビウスに変身。かけがえのない仲間達の声援を受けたメビウスは、彼らとの友情の炎(ファイヤーシンボル)を胸に描いた新たな姿である、ウルトラマンメビウス・バーニングブレイブへとパワーアップし、インペライザーを葬り去るのでした。

メビウスは、GUYS隊員達との友情の炎でメビウス・バーニングブレイブへとパワーアップ!(筆者撮影)
メビウスは、GUYS隊員達との友情の炎でメビウス・バーニングブレイブへとパワーアップ!(筆者撮影)

「メビウスは・・・俺達の仲間なんだよ!これからも一緒に・・・地球を守りてえんだ!頼む。一生のお願いだ。ミライを・・・メビウスを還さないでくれ!」(リュウ隊員)

懇願するリュウをはじめ、『CREW GUYS』の隊員達の願いを聞き入れたタロウは、これからも途方もない脅威が地球にやって来ることを警告し、メビウスが地球へ残ることを許可します。こうして、メビウスことミライと、その正体を知った『CREW GUYS』の隊員達による新たな物語がはじまるのでしたー。

これまで放送されたウルトラマンシリーズにおいて、ウルトラマンに変身する隊員が、番組の途中で同僚達に正体を明かす展開は一種の「禁じ手」でした。各シリーズの主人公が自らの正体を明かすのは番組の終盤ないしは最終回がこれまでのお約束なのですが、あえて禁断の展開を行なったことにより、『ウルトラマンメビウス(2006)』という一作品としての厚み、さらにはミライと『CREW GUYS』の隊員達の友情はますます深まっていったのです。

【今度はマスコミに正体が暴露された!】地球人との友情が試された、ウルトラマンメビウス最後の決戦とは?

ウルトラマンタロウが警告した途方もない脅威ー。その正体は、かつてメビウスの故郷である「M78星雲・光の国」に大戦争を仕掛けた張本人であり、暗黒宇宙大皇帝を自称するエンペラ星人でした。

暗黒宇宙大皇帝・エンペラ星人。3万年前の大戦争で、ウルトラの父と引き分けた巨悪中の巨悪(筆者撮影)。
暗黒宇宙大皇帝・エンペラ星人。3万年前の大戦争で、ウルトラの父と引き分けた巨悪中の巨悪(筆者撮影)。

ある日、エンペラ星人は13体のインペライザーを世界各国の主要都市へ送り込み、ウルトラマンメビウスの引き渡しを要求してきます。

「余は皇帝。この宇宙に君臨する者。地球人に余の意思を伝える。ウルトラマンメビウスを追放せよ!奴は人間に化け、ある場所に潜伏している。奴を探し出せ。そして地球人自らの手で差し出すのだ。」(エンペラ星人)

「見ての通り、メビウスを倒すことなど造作も無い。即座に地球を滅ぼすことも可能だ。メビウスを地球より追放せよ。要求を呑むなら、あらゆる脅威から余が地球を守ると約束しよう。」(エンペラ星人)

1体ですら大厄介だったインペライザーを13体も送り込んできた上、言葉巧みに地球人を脅迫するエンペラ星人。そんな大事の最中、「ウルトラマンメビウスの正体はこいつだ」という見出しと共に、ミライ隊員の写真がゴシップ記事に掲載されます。

エンペラ星人の脅迫の渦中にある中、そんな記事を出されては日本政府も世論も動きます。政府関係者が『CREW GUYS』の基地へ押しかけ、ミライ隊員の引き渡しを要求してきたほか、テレビでは「ウルトラマンメビウスの正体」について報道特番が組まれます。

「お願いします。今こそ勇気を持ってください!侵略者の脅しに屈することなく、人間としての意思を示してください。ひとりひとりの心の声に従い、最後の答えを出してください。」(特捜チーム『CREW GUYS』のサコミズ総監)

メビウスの引き渡しに世論が傾倒する中、ミライ隊員が所属する『CREW GUYS』のサコミズ総監のメディアを通じた必死の訴えにより、政府・世論が共に導き出した結論は「メビウスを引き渡さない」でした。

『CREW GUYS』の基地、フェニックスネスト。当基地はエンペラ星人の襲撃を受け破壊される(筆者撮影)。
『CREW GUYS』の基地、フェニックスネスト。当基地はエンペラ星人の襲撃を受け破壊される(筆者撮影)。

・・・これに大激怒したエンペラ星人。メビウス(ミライ隊員)のいる『CREW GUYS』の基地に自ら襲撃をかけます。傷つき戦えないメビウスの代わりに、もうひとりのウルトラマンであるウルトラマンヒカリや、かつてメビウス達と親交を深めた宇宙人達も駆けつけ、共に戦います。

かつてメビウス達と対立し、メビウスとGUYS隊員達との友情に感服して宇宙へと旅立った宇宙剣豪ザムシャー。メビウス達の危機に戻るも、彼を待ち受けたのは「死」という残酷な結末だった(筆者撮影)。
かつてメビウス達と対立し、メビウスとGUYS隊員達との友情に感服して宇宙へと旅立った宇宙剣豪ザムシャー。メビウス達の危機に戻るも、彼を待ち受けたのは「死」という残酷な結末だった(筆者撮影)。

しかしその戦力は圧倒的。ある宇宙人は攻撃からGUYSを庇い逝った。ヒカリも力尽き、メビウス(ミライ隊員)も消滅した。

絶望に飲み込まれたリュウをはじめとするGUYS隊員達ですが、かつて地球を守った歴代のウルトラ兄弟の声を聞き、彼らのもとに帰ってきたミライ隊員と共に立ち上がります。

「GUYS!サリー!ゴーーーーーーーーーーーーーーー!」(サコミズ総監)

「G.I.G!メビウーーーーーーーーーーーーーーーーース!」(CREW GUYSの隊員達)

彼の名を冠したかけ声と共に、ミライ隊員と GUYSの隊員達はみんなでウルトラマンメビウスに変身します(G.I.G!とは、了解あるいは「わかりました」の意)。その姿こそ、炎の友情の究極形態であるウルトラマンメビウス・フェニックスブレイブでした。

ミライ隊員をはじめGUYSの隊員達みんなが1つとなった、ウルトラマンメビウス究極の姿・フェニックスブレイブ(筆者撮影)。
ミライ隊員をはじめGUYSの隊員達みんなが1つとなった、ウルトラマンメビウス究極の姿・フェニックスブレイブ(筆者撮影)。

みんなで変身したメビウスは無敵。エンペラ星人を追い詰めていくほか、メビウスを支援するために、ウルトラ兄弟の長男であるゾフィーも駆けつけます。

「今だ!みんな!」ゾフィー(サコミズ総監)の声と共に、メビウスはエンペラ星人に最後のとどめを刺す(筆者撮影)。
「今だ!みんな!」ゾフィー(サコミズ総監)の声と共に、メビウスはエンペラ星人に最後のとどめを刺す(筆者撮影)。

ウルトラマンと人間、種族を超えた友情の力でエンペラ星人を撃破したメビウスは、地球を去る決意を固めます。

「最後の戦いが終わった今、僕には新しい使命が出来ました。この星の人達と共に得た、大切なものを、光の国の新たなウルトラマン達に伝えていきます。」

「さようなら・・・。今まで、ありがとうございました。」(ミライ隊員)

目に涙を浮かべながら、メビウスに変身するミライ隊員。ひとり空へと飛び立ち、故郷へと帰っていくメビウスを、リュウ隊員達は見送ります。

「ミライーーーーーーーーーー!ありがとうーーーーーーーーーーー!」(リュウ隊員)

エンペラ星人との戦いが終結後、GUYSの隊員達は隊員としての職務を離れ、それぞれの道を歩むことに。ある者はサッカー選手の道へ、ある者は保育士の道へ、ある者は医者の道へ、ある者は女性ライダーの道へ、そしてリュウはCREW GUYSの隊長となったのでした。

ここまで上述してきた『ウルトラマンメビウス(2006)』の物語(全50話)は、ここで一旦の閉幕を迎えます。その後、メビウスとGUYSの再会が描かれるのですが、それは別の物語。またの機会にお話しすることが出来たらと思います。

『ウルトラマンメビウス(2006)』の続編、オリジナルビデオ作品『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス(2008)』(筆者撮影)。
『ウルトラマンメビウス(2006)』の続編、オリジナルビデオ作品『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス(2008)』(筆者撮影)。

気になる本作の続編、そして本記事で特集した『ウルトラマンメビウス(2006)』全話は、動画配信サービス『TSUBURAYA IMAGINATION』(外部リンク)にて好評配信中です。百聞は一見にしかずですので、是非ご覧になってみてくださいね♪

いかがでしたか?

『ウルトラマンメビウス(2006)』は、宇宙人であるウルトラマンと、若者達との熱い友情が描かれたほか、これまでのウルトラマンシリーズで構築されたお約束を覆したパイオニア的な作品でもありました。その後もメビウスは後続のウルトラマンシリーズにおいても活躍し、後輩達を支える頼もしい先輩ヒーローとなったほか、その人気は中国やタイといった諸外国にも及び、本作の放送や関連商品も発売され続けています。

中国で発売されたウルトラマンメビウス関連商品(写真は一例。筆者撮影)。
中国で発売されたウルトラマンメビウス関連商品(写真は一例。筆者撮影)。

最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。

この記事をご覧頂き、「国内や海外での日本特撮やアニメ作品の展開に興味を持った」という皆様、私の過去の記事やTwitterにて、海外現地での様子や商品展開についてもお話をさせて頂いております。宜しければ、ご覧ください。

(Twitterアカウント)
Masamitsu Futaesaku Ph.D(Twitter)(外部リンク)
(Yahoo! Japanクリエイターズプログラム)
二重作昌満(CREATORSサイト)

博士(文学)/PhD(literature)

博士(文学)。日本の「特撮(特殊撮影)」作品を誘致資源とした観光「特撮ツーリズム」を提唱し、これまで包括的な研究を実施。国内の各学術学会や、海外を拠点とした国際会議へも精力的に参加。200を超える国内外の特撮・アニメ催事に参加してきた経験を生かし、国内学術会議や国際会議にて日本の特撮・アニメ作品を通じた観光研究を多数発表、数多くの賞を受賞する。国際会議の事務局メンバーのほか、講演、執筆、観光ツアーの企画等、多岐に渡り活動中。東海大学総合社会科学研究所・特任助教。

二重作昌満の最近の記事