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【四條畷市】四條畷神社の参道、灯ろう再建で「らしさ」戻ってきた!

具志堅浩二フリーライター(四條畷市・交野市)

 四條畷市のシンボルである四條畷神社の参道入口で昨年12月末、2018年6月の大阪府北部地震の影響で撤去されていた灯ろうの再建が完了しました。2021年に再建済みの一の鳥居と一緒に灯ろうが1枚の絵のように収まる光景を見ると、同神社の地震からの完全復活が実感でき、うれしくなります。

参道入口。信号機の後ろに再建された一対の灯ろう、その奥にあるのが一の鳥居
参道入口。信号機の後ろに再建された一対の灯ろう、その奥にあるのが一の鳥居

 2018年6月に発生した大阪府北部地震で、四條畷市は震度5弱を観測。府道20号(旧国道170号)に面する参道入口にあった石製の灯ろうは破損が認められませんでしたが、近くにある小楠公御墓所では石製灯ろうの上部が落下したため、四條畷神社では、余震があれば参道の灯ろうも同様に崩れるのではないかと懸念。一部にひびが入った一の鳥居とともに、やむなく撤去したとのことです。

総ヒノキ造りの灯ろう
総ヒノキ造りの灯ろう

一の鳥居再建に向けて、境内に張り出された掲示物(2021年9月撮影)
一の鳥居再建に向けて、境内に張り出された掲示物(2021年9月撮影)

 その後、一の鳥居は復活を望む声が高まり、2021年9月に再建完了。その際に再建のための募金を募ったところ、鳥居の再建費用を大幅に上回る金額が集まりました。今回の灯ろう再建は、鳥居再建後に残った募金のお金を使って進められ、昨年12月末に総ヒノキ造りの灯ろう一対が完成しました。

一の鳥居に続いて、灯ろうの再建も担った木又誠次さん(写真は2021年9月撮影)
一の鳥居に続いて、灯ろうの再建も担った木又誠次さん(写真は2021年9月撮影)

 再建を担ったのは、一の鳥居と同じく大工の棟梁の木又誠次さん率いる木又工務店です。「石の灯ろうは置くだけなので、地震が起きたら崩れることもあります。木は木組みを使いますので強度があり、参道の安全面を考えると優れていると思います」と木又さん。「子どものころの風景がある程度変わるのは仕方ないけど、変わってほしくない風景もあります。それを自分で守れたら、という思いがありました。鳥居と灯ろうの再建をきっかけに、神社や参道とその周辺が盛り上がれば」と思いを語りました。

四條畷神社で宮司を務める米村昌彦さん(写真は2021年9月撮影)
四條畷神社で宮司を務める米村昌彦さん(写真は2021年9月撮影)

 四條畷神社で宮司を務める米村昌彦さんは、「参道らしさが戻ってきて、大変喜んでおります。一の鳥居も木製、灯ろうも木製、木と木でバランスもいいんじゃないでしょうか」と朗らかに話しました。

四條畷神社側から見た一の鳥居と灯ろう。その奥を左右に走るのは府道20号(旧国道170号)
四條畷神社側から見た一の鳥居と灯ろう。その奥を左右に走るのは府道20号(旧国道170号)

 米村さんの言う通り、再建された一の鳥居と灯ろうはともに木製とあって、違和感なく一体のものとして風景に溶け込んでいるように感じます。近くに来られた方は、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

四條畷神社
所在地:大阪府四條畷市南野2-18-1
最寄り駅:JR四条畷駅から徒歩15分

フリーライター(四條畷市・交野市)

1968年大阪府生まれ。バス・タクシー業界紙、電機業界誌の記者などを経て、2015年に独立。現在は、ヤフーニュースオリジナルTHE PAGEや週刊エコノミストなどで、環境問題、食料安全保障、公共交通から街ネタを含めて幅広いジャンルの記事を取材・執筆中。Yahoo!ニュース エキスパートでは、「地域とそこに住む人が好きになる」記事を追い求めて頑張ります!

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