Yahoo!ニュース

木村拓哉主演『レジェンド&バタフライ』入門 信長の家臣・明智光秀が織田家で嫌われていた訳

濱田浩一郎歴史家・作家

木村拓哉さん主演の映画『レジェンド&バタフライ』が公開されています。木村さんが演じるのは、誰もが知る戦国武将・織田信長。その信長の運命を変えることになるのが、家臣の明智光秀です。

映画においては、光秀役を俳優の宮沢氷魚さんが演じています。これまで大河ドラマや時代劇などで描かれてきた光秀とは、一味違う、ユニークな光秀となっていますので、興味のある方は、劇場で是非、ご覧ください。

さて、その問題の光秀ですが、謎に包まれた前半生を送ってきており、生年さえも明確ではありません。光秀は当初から信長に仕えていたわけではなく、美濃の斎藤氏・越前の朝倉氏、足利義昭などに仕えていたとも言われています。織田家臣としては、光秀は「途中入社」だったのです。

信長と対面したこともある宣教師ルイスフロイスは著書『日本史』のなかで、光秀について次のように述べています。「殿内(織田家中)にあっては彼は余所者であり、外来の身であったので、ほとんどすべての者から快く思われていなかった」と。

織田家中で、光秀が嫌われていたというのは、単によそ者であるというだけではなく、(そのよそ者の身でありながら)、信長の信任を得て出世していったからでしょう。

比叡山焼き討ち(1571年)で武功を挙げ、近江国の志賀郡を与えられ、丹波国の攻略(1575年)も主君・信長から任された光秀。そんな光秀を羨望と嫉妬の目で見ていた織田家臣も多かったのではないでしょうか。

歴史家・作家

1983年生まれ、兵庫県相生市出身。皇學館大学文学部卒業、皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『北条義時』『仇討ちはいかに禁止されたか?』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)ほか著書多数

濱田浩一郎の最近の記事