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脱水したほうがシワがのびた!アイロンのいらない麻(リネン)の洗い方

ハナおうちクリーニング(洗濯)研究家

綿よりも汗をしっかり吸って、乾きやすい麻は夏にピッタリの素材。

夏には麻シャツをサラッと着るのが好きだという方も多いでしょう。

ただ麻は普通に洗ってしまうとシワができやすく、夏には避けないアイロンがけ必須です。

本日は麻のシャツをアイロンなしでナチュラルに仕上げる洗濯方法をお伝えします。

麻の特徴

麻=リネンと思われている方が多いとは思いますが、厳密に言えば違います。

日本の品質表示で麻と表記されるものにはリネンとラミーという2種類。

●リネンはマットな質感でヨーロッパで昔から使われてきた麻。

●ラミーは光沢感があり、おもにアジアで使用されてきた麻。

糊付けされたラミーは本当にサラッと涼しく着心地が良いのですが、高級品ですし、少々扱いづらい繊維のため自宅で洗うのは難しいです。できればクリーニング店に持ち込みたい素材。

最近、ファストファッションなどで手軽に買えるようになった麻素材の製品はほぼヨーロッパで親しまれてきたリネンです。

リネンは比較的洗いやすいく、それほど気を使わずに洗濯機で洗えるものがほとんどです。

麻(リネン)を洗うときの注意点

麻(リネン)や綿のような植物性の繊維は水にも強いですし、ウールなどの動物性の繊維だと縮みがおきてしまう「弱アルカリ性」の洗剤も使えます。

夏は汗をかきやすく、汗染みなどができやすいので、皮脂汚れに強い弱アルカリ性の洗剤ですっきりと洗い上げる方が気持ちいです。

なので、リネン(麻)の洗濯はウールやシルクといったデリケート素材と比べると難しくはないのですが、リネン(麻)ならではの注意点もあります。

色移りが起こりやすいので単独で洗う

リネン(麻)は水に対して強いものの染色堅ろう度は低いので、濃い色の製品の場合は水に染料が溶け出して他の衣類に移りさせてしまうがことがあります。

紺や赤など色の濃い麻を洗う場合は単独で洗うことをおすすめします。

(染色堅ろう度とは染料の溶けやすさです)

麻の白化現象は洗濯ネットで防ぐ

リネン(麻)は摩擦により毛羽立ちを起こりやすい素材です。毛羽立ちが起こると光が乱反射を起こし白く見えたり、染料がいきわたっていない白い部分が露出するなどして白く色が抜けたように見えることがあります。

それを麻の白化現象といいます。

摩擦を最小限に抑えるために洗濯機で洗うときは洗濯ネットしようするようにしてください。

シワは脱水時間の調整で軽減

麻を洗う際の最大のデメリットはシワがつきやすいことでしょう。

麻のシャツは好きだけど、アイロンがけが面倒なので、麻は着ないという方も絶対にいらっしゃるはず!

だけど、脱水時間を少し調整するだけでアイロンをかけなくても着用ことができます。

麻を失敗なく洗濯機で洗う方法

まずは洗濯表示マークをチェックします。

通常コースの洗濯機で洗えます

・洗剤は弱アルカリ性OK
・蛍光剤入り洗剤不可
・通常コースOK
・洗濯ネットは必須

これらのマークが付いている場合は洗濯機で洗うことが可能です。

洗濯ネット必須で、通常コースで洗えます。

洗剤の液性は弱アルカリ性でも中性でも基本的に洗剤の液性に関しては何を使ってもOK

ただ、必ず蛍光剤が入ってないものにしてください。

麻だけではありませんが、生成りを帯びた色合いの衣類は蛍光剤入りの洗剤で洗ってしまうと、まだらに白く変色してしまう恐れがあります。

麻はナチュラルな風合いの色合いが多いのでより注意が必要です。

蛍光剤は青白い塗料のようなものを衣類の繊維に塗り重ねて白い衣類をより白く見せるための液剤。

蛍光剤の性質上、黄色みを帯びた色の服に使うと蛍光剤の青白い色が勝ってしまい、白くまだらに色が抜けたように見えてしまうんです。

洗剤の裏面の成分表に「蛍光剤」の記載がないものをご確認ください。

心配の方は、洗浄力は落ちますが、中性洗剤のおしゃれ着用洗剤を使うと間違いありません。

洗うのに注意が必要な洗濯表示

・洗剤はおしゃれ着用洗剤
・洗濯機で洗う場合はウール洗い用のコース
・洗濯ネット必須

麻は水に強い素材になるので、手洗いの場合でも洗濯機を使ってしまいます。

その場合はおしゃれ着用洗剤を使ってウール洗い用のコースで洗います。

洗濯ネットは必須です。

水洗い不可のマークがついてる場合は、クリーニング店に持ち込むことをおすすめします。

洗いざらしの麻(リネン)シャツを着るための脱水時間

リネン(麻)はシワができやすく、普通に洗ったままではシワシワになってしまします。

リネン(麻)はかならずアイロンをかけなければいけないのでしょうか?

実はナチュラルに清潔感も保てる麻に最適な黄金の脱水時間があります。

・脱水なし
・脱水1分(タイマー1分)
・脱水6分(通常の脱水時間設定)

実際に洗って、上記3つの脱水時間で確かめてみました。

ちなみに、一般的な洗濯機の通常コースの脱水標準時間は5〜8分です。

こちらが、干し終わったあとの麻(リネン)シャツです。

使用したのはユニクロの同じシリーズのリネンシャツです。

ハンガーも同じものを使用しました。

「脱水なし」がもっともシワが伸びると思いきや、1分脱水したもののほうがシワがよくのびています。

水が滴りおちるほどドボドボの状態で干したため、シワをしっかり伸ばして干せなかったせいでしょう。

水の重みで多少シワは伸びましたが、1分脱水をして手でシワを伸ばしながら干したほうが明らかにシワが伸びました。

麻(リネン)に最適な脱水時間は1分!

残念ながら3種類ともシワはデキてしまいました。

だけど、「脱水1分」に関しては外に着て出るのに抵抗がない感じです。

個人的にはピシッとアイロンをかけたものよりもナチュラルで好きです。

洗いざらしが好きな人、もしくはアイロンが面倒な人は「脱水1分」で干してみてください。

脱水なしでも水の重みである程度シワは延びますが、洗濯機から出すときに周りが水浸しになりました。

持ち出すのも重いですし、部屋干しはできません。

一番手間なしなのは、洗濯機の脱水時間を1分にセットして洗うパターン。

撫でるようにしっかりシワを伸ばしながらハンガーにかけて干すのがコツです。

小さいハンガーや大きすぎるハンガーで干してしまっては干している最中に新たなシワができてしまうので、できるだけ衣類にあった肩幅のハンガーをチョイスしてください。

おうちクリーニング(洗濯)研究家

年間100以上の洗濯グッズを自腹で試すおうちクリーニング(洗濯)研究家。世の中に当たり前のようにある洗濯に関する常識が本当なのか?売れている商品は本当に使えるのか?そんな疑問を実際にやってみて、誰もが目に見えるかたちで公開するブログ「洗濯ラボノート」を運営。雑誌「LDK」、「LEE」、「Mart」、「GISELe」、「ESSE」など多数掲載。関西を中心にテレビにも出演。

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