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【アクロンvs.エマール】お気に入りの服はどちらで洗うのが正解?実際に洗剤を使って確かめました

ハナおうちクリーニング(洗濯)研究家

型崩れが心配なデリケート素材を洗う際、通常の洗剤ではなっく「おしゃれ着用洗剤」を使っているという方が多いんじゃないでしょうか?

そのなかでも「エマール」と「アクロン」は有名ですよね。

違いが分かりにくい「エマール」と「アクロン」ですが、じつは洋服の素材によって仕上がりが違います。

あなたのライフスタイルに合うおしゃれ着用はどれなのか?

では実際に洗剤を使って確かめます。

アクロンとエマール、洗浄力と仕上がりを比べてみた

洗浄力テスト

口紅、卵、醤油、ボールペン、果汁、ソース、ミートソース、カレー、ごま油といった9つの汚れをつけた布を洗って汚れ落ち具合をそれぞれ5段階で点数をつけます。

洋服へのダメージテスト

デリケート素材といわれているレーヨン100%、シルク100%、ウール100%

これらを洗った後の縮み具合や肌触りを検証します。

検証方法

液温約10度

30分浸け込み ⇒ 5分振り洗い ⇒ すすぎ2回

※エマールはすすぎ2回、アクロンはすすぎ1回推奨ですが、条件を同じにするためにどちらも2回すすぎました。

では早速結果から

シワなく仕上がる「アクロン」

汚れ落ち 25点(45点中)

縮率 2.3%

肌触り 18点(20点中)

一回の洗濯のコストパフォーマンス 19.2円(セール状況によって変わるので参考までに)

しなやかでハリのある仕上がり。

シワになりやすいコットンもシルクもほとんどシワなくキレイに仕上がっています。

アイロンが格段に楽になる仕上がり。

縮みやすいレーヨンやシルクの縮みも許容範囲。

どちらかといえば、ウールなどのニットよりも薄手のしなやかな服に向いている感じです。

おしゃれ着洗剤は、すすぎが2回必要なのものが多いのですが、アクロンの場合は1回でOK(手洗いの場合は2回)。

個人的にはすすぎ1回の洗剤でも2度のすすぎをおすすめしますが、すすぎ1回なら節水と時短にもなりますね。

ニットがふんわり仕上がる「エマール」

汚れ落ち 26点(45点中)

縮率 3.3%

肌触り 19点(20点中)

一回の洗濯のコストパフォーマンス 20.8円(セール状況によって変わるので参考までに)

仕上がりはふんわりとツルんとした質感

洗浄力がアクロンよりも若干高くなる反面、レーヨンやシルクは縮みやすかったのが残念ポイント。

ウールは縮みもほとんどなくふんわりと肌触りよく仕上がりました。

結果からみると、夏物よりは冬物に向いていそうな仕上がりです。

おしゃれ着用洗剤の概要

アクロンの概要

液性:中性

すすぎ回数:1回

成分:
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、平滑剤、シリコーン、香料、脂肪酸塩、クエン酸、BHT、防腐剤、水酸化ナトリウム、着色剤

エマールの概要

液性:中性

すすぎ回数:2回

成分:
エチルアルコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、クエン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルアミドアミン、シリコーン、防腐剤、香料

おしゃれ着用洗剤の特徴

【メリット】
・洋服にダメージを与えにくい中性洗剤
・ヨレを補正してくれる
・柔軟剤は必要なし

【デメリット】
・一般的な中性洗剤に比べてコスパは低い
・洗浄力が低い

衣類に優しい中性洗剤。シリコーンなどの繊維の滑りをよくする成分が配合されていて縮みなどの型崩れを防ぎます。

シリコンはヘアコンディショナーなどに使われている成分で、柔軟剤と役割が似ています。そのためおしゃれ着洗剤に柔軟剤は必要ありません。

香りをつけたい場合は柔軟剤を併用してもOK。

2018年からはカタチきれい成分により洋服のヨレも補正してくれるようになりました。

補正効果はアクロンもエマールも変わりません。

デリケートな洋服も安心して洗える反面、洗浄力は弱目で一般的な中性洗剤に比べてコスパは悪いです。

少し価格は高いけど、デリーケート素材も洗える高機能洗剤なのです。

おしゃれ着用洗剤で洗ったほうがいいもの

・洗濯表示マークに弱洗浄もしくは手洗いマークがついたもの

・ウールやシルクなど縮みやすい素材

・毛玉のできやすいアクリルニット

・静電気が発生しやすいナイロン

・色落ちしやすいデニムや濃色のコットン

・毛羽が抜けやすいコーデュロイやベルベット

・型崩れしやすいニット類 

これらのデリケート衣類には、繊細な繊維をシリコンや柔軟化剤でコーティングしながら洗えるおしゃれ着洗剤が向いています。

洗えない素材

水洗いできないものは洗えません。

主な素材としてはリアルファーやレザーなどです。

水洗い不可の場合はクリーニング店にお任せするのがオススメです。

アクロンとエマールどっちがいい? まとめ

同じように思える「アクロン」と「エマール」

洗い比べてみると若干ですが違いはありました。

※表の商品名がアクロンとエマールが逆になっていました。ご迷惑をおかけしてすいませんでした。

アクロンにはシリコーン以外にも平滑剤(へいかつざい)が入っており、繊維同士の滑りをよくしています。

なので繊維が絡まらずにエマールに比べて縮みも少なかくてすみました。

手触りはしなやかでハリのある仕上がり。

どちらかといえば、レーヨンやシルクなど光沢のある素材、できるだけシワをつけたくない夏物の洋服に合います。

エマールはツルんとふんわり仕上がっていたので、ニットなどの冬もの素材に向いています。

冬と夏で使い分けるのもいいですが、どちらに1つにしたいなら

レーヨンもウールも縮みが少なかった「アクロン」をおすすめです。

実験の詳しい結果は私が管理するブログ「洗濯ラボノート」でお確かめください。

おうちクリーニング(洗濯)研究家

年間100以上の洗濯グッズを自腹で試すおうちクリーニング(洗濯)研究家。世の中に当たり前のようにある洗濯に関する常識が本当なのか?売れている商品は本当に使えるのか?そんな疑問を実際にやってみて、誰もが目に見えるかたちで公開するブログ「洗濯ラボノート」を運営。雑誌「LDK」、「LEE」、「Mart」、「GISELe」、「ESSE」など多数掲載。関西を中心にテレビにも出演。

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