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花王アタックの新製品を試してみた!面倒な洗濯槽の掃除が楽になる『アタック除菌アドバンス』

ハナおうちクリーニング(洗濯)研究家

こんにちは、おうちクリーニング(洗濯)研究家のハナです。

1969年の誕生以来、洗濯洗剤のトップシェアを誇る花王のアタックシリーズから2023年9月に新発売された除菌もできる液体洗剤『アタック除菌アドバンス』。

今回は『アタック除菌アドバンス』を実際に使ってわかったメリットとデメリットを詳しく紹介します。

似たコンセプトのアリエール除菌とも比較していますので、洗剤選びの参考にしていただければ幸いです。

花王『アタック除菌アドバンス』の概要

名称:アタック除菌アドバンス
価格:448円
洗濯コスト:(水30Lの場合)約12.7円
内容量:880g
すすぎ:1回に対応
液性:酸性
香り:リッチハーブの香り
JANコード:4901301418081
詰め替え:あり(880g、1,580g)
成分:界面活性剤(25% 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、pH調整剤、クエン酸、プロピレングリコール、クエン酸塩、トリグリセライド、シリコーン、ブチルカルビトール、防腐剤、香料、蛍光増白剤、着色剤

液剤の使用量は30Lの水量に対して洗剤の資料量は25g。

香りは清涼感の中に甘さがあって、個人的には子ども用歯磨き粉のニオイに似ているなと感じました。液剤は粘度高めで淡いパープルです。

除菌と抗菌の違い

抗菌:菌の増殖を防ぐ効果。すでに付いてしまった菌は取り除けない
除菌:菌の種類を減らす効果。すでに付いてしまった菌も取り除ける

除菌効果を発揮するのは強いアルカリ性か酸性の洗剤です。ただ、アルカリが強くなると衣類へのダメージが心配ですし洗える素材も選びます。だったら酸性の洗剤を使えばいいじゃないかって思うかもしれませんが、そうともいえない理由があります。

洗濯で落としたい汚れのほとんどは、食べこぼしや皮脂などの酸性の汚れです。酸性の汚れは中性から弱アルカリ性の洗剤を使って中和して落とすのが洗濯の基本となります。

洗濯に使う場合、酸性の洗剤では汚れ落ちが不十分だと感じてしまうため、除菌効果のある酸性洗剤ですが、市場にほとんど出回っていませんでした。

結果、除菌ができるのは一部の粉末洗剤と漂白剤。液体洗剤で除菌できるものはほぼ皆無。

除菌を求める声が高まる世情を受けて、2021年に洗剤メーカー大手のP&Gジャパンから除菌ができる液体洗剤「アリエール除菌プラス」が発売されました。それに続いて2023年に花王から「アタック除菌アドバンス」が新発売され、現在はドラッグストアで簡単に手に入る除菌もできる液体洗剤の選択肢は2種類になりました。

どちらも99%の除菌と抗菌ができる液体洗剤となっています。

酸性の洗剤の注意点

アタック除菌アドバンスのパッケージには目立つように「まぜるな危険」と書かれています。これは、塩素系の漂白剤や洗浄剤と酸性の洗浄剤を混ぜると、有毒な塩素ガスが発生することを警告する表示です。

塩素系漂白剤では見慣れた表示ですが、酸性である『アタック除菌アドバンス』にも注意書きがあります。柔軟剤や液体の酸素系漂白剤は併用できますが、塩素系漂白剤(アルカリ性)の併用は絶対にNGです。

粉末の酸素系漂白剤(オキシクリーン、ワイドハイターPRO)は安全性に問題はないものの、除菌効果が発揮できなくなるので併用は避けたほうが不難です。

では、「アッタク除菌アドバンス」の洗浄力がどれほどのものなのかを確かめてみました。

洗浄力のテスト方法

前日に9種類の汚れをつけておいた布、夫の加齢臭が沁みた枕カバーの切れ端を洗って汚れ落ち、消臭をテストします。

洗浄力を確かめる

汚れの種類は口紅、卵、醤油、ボールペン、果汁、ウスターソース、ミートソース、カレー、ごま油の9種類の汚れをつけた布を洗って汚れ落ち具合を5段階評価で点数をつけます。

消臭力を確かめる

消臭テストに使ったのは夫の加齢臭が染み込んだ枕カバーの切れ端を使います

ニオイは『ニオイチェッカー』という体臭感知器を使って数値化。

実際に鼻でニオイをかいだ結果と合わせて5段階評価で点数をつけます。

洗浄方法

規定量の洗剤を使って9種類の汚れをつけた布、加齢臭が染み込んだ布をコンパクト洗剤で洗います。洗浄15分、すすぎ2回

『アタック除菌アドバンス』の洗浄力を確かめた結果

アタック除菌アドバンスだけで洗っても洗浄力の違いがわからないと思うので、似たコンセプトのアリエール除菌プラスと同じアタックシリーズの中で平均的な洗浄力のアタック抗菌EXも一緒に洗って比べました

アタック除菌アドバンスは50点中30点

アリエール除菌プラスは50点中31点

アタック抗菌EXは50点中36点。

やはり、酸性のアタック除菌アドバンスとアリエールの除菌プラスの洗浄力は一般的なアタック抗菌EXと比べて満足いくものではありませんでした。

ただ、中性のおしゃれ着用洗剤と同じくらいの洗浄力だったので、酸性の洗剤としては洗浄力は悪くないといえます。

汗をかきにくい季節のニットには、おしゃれ着用洗剤よりコスパ的には使いやすいです。ただ、アタック除菌アドバンスには蛍光剤が含まれているため、色柄ものを洗う際には注意が必要です。個人的には、使う人を選ぶ洗剤だなという印象を受けました。

バスタオルを洗って部屋干ししたところ、生乾き臭は気になりませんでしたが、これだったら同じアタックシリーズの「アタックZERO」のほうが使いやすいなというのが私個人の感想です。

アタック除菌アドバンスのメリットとデメリット

アタック除菌アドバンスの便利な点

・除菌と洗濯が同時にできる

・アリエールの除菌プラスよりもコスパはよい

・粉末の酸素系漂白剤が使えない動物性素材の除菌ができる

・クエン酸配合の酸性処方で、衣類のくすみを防ぐ

アッタク除菌アドバンスの残念だった点

・蛍光剤入りなので色柄ものには注意が必要

・洗浄力は低い

・混ぜるな危険の文字が怖い

アッタク除菌アドバンスを使った感想 まとめ

『アタック除菌アドバンス』を実際に使ってみた結果、洗浄力や消臭力は、十分とは言えませんでした。汚し盛りのお子様のいるご家庭には、あまり向いていないかもしれません。成分に蛍光剤が含まれているため、色柄ものには注意が必要です。

しかし、除菌ができる液体洗剤は貴重です。アルカリ系に弱く漂白剤が使えない動物性素材(ウールやカシミヤなど)にも使えるので、冬物ニットの除菌がしたいなんていう場合に便利です。

洗濯と同時に、衣類の除菌と洗濯層の除菌が一度にできます。洗濯層の掃除を面倒に感じている方には時短効果も高いです。

洗濯層を掃除する時間がない、衣類についた菌が気になるなど洗浄力ではくの除菌目的で使いたい方には便利な洗剤です。

おうちクリーニング(洗濯)研究家

年間100以上の洗濯グッズを自腹で試すおうちクリーニング(洗濯)研究家。世の中に当たり前のようにある洗濯に関する常識が本当なのか?売れている商品は本当に使えるのか?そんな疑問を実際にやってみて、誰もが目に見えるかたちで公開するブログ「洗濯ラボノート」を運営。雑誌「LDK」、「LEE」、「Mart」、「GISELe」、「ESSE」など多数掲載。関西を中心にテレビにも出演。

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