「来れる」「来られる」あなたはどちらを使いますか?【ら抜き言葉】はもう定番?
A. 朝4時に起きれる?
B. 朝4時に起きられる?
A. ピーマン食べれる?
B. ピーマン食べられる?
A. 明日、来れる?
B. 明日、来られる?
どちらの方が自然だと感じますか?
Aのほうはすべて「ら抜き言葉」ですが、もはや「ら抜き」の方が自然、よく使っている、という人も多いかもしれませんね。
言葉はどんどん変化していくもの。「ら抜き」や「二重敬語」なども多くの人が使って馴染んでいくうちに間違いとは言えなくなっていきます。
「ら抜き」が初めて上回った
文化庁が発表した「平成27年度『国語に関する世論調査』」によると、
「見れた」(48.4%)「見られた」(44.6%)
「出れる」(45.1%)「出られる」(44.3%)
と、初めて「ら抜き」を使う人の割合のほうがわずかに上回ったとのこと。
ただ、「考えられない」(88.6%) に対し、「考えれない」(7.8%) と、「ら抜き」がほとんど使われていない言葉もあります。
書き言葉ではまだ使われていない
また、新聞や映像字幕といった書き言葉においては、まだ「ら抜き」は使われていません。テレビ番組でも、出演者が「ら抜き」で喋ったとしてもテロップは修正された状態で表示されています。
今はまだ変化の過程にあり、「ら抜き」を使う場合と使わない場合が混在しており、違和感を覚える人がいるのも事実。
メールなど文章を打つ際、これってもしかして「ら抜き」なのかな?と迷った時に、自分で判別できるよう理解しておいて損はありません。
見分けるときは「~ない」の形にしてみよう
可能の意味を表したいとき、「られる」をつけるかどうかの判断は、
「~ない」の形にしたとき、「ない」の直前の文字が【ア段】か、それとも【イ段・エ段・オ段】か、を確認する。
【ア段】なら「られる」はつけない。
【イ段・エ段・オ段】であれば「られる」をつける。
詳しく見てみましょう。
◆後ろに「ない」をつけた時に【イ段】になる言葉(上一段活用動詞)
例) 起き+ない (o ki - nai)
→ 起きられる
例) 信じ+ない (shin ji - nai)
→ 信じられる
◆後ろに「ない」をつけた時に「エ段」になる言葉 (下一段活用動詞)
例) 決め+ない (ki me - nai)
→ 決められる
例) 混ぜ+ない (ma ze - nai)
→ 混ぜられる
◆後ろに「ない」をつけた時に「オ段」になる言葉(カ行変格活用動詞「来る」のみ)
例) 来(こ)+ない (ko - nai)
→ 来(こ)られる
※五段活用の動詞、たとえば「帰る」は、後ろに「ない」をつけると「帰ら+ない」(kae ra - nai) 【ア段】なので、「られる」ではなく「れる」をつけて「帰れる」となります。「ら抜き言葉」ではありません。
◆練習問題◆
「ら抜き」ではないものはどれでしょう?(ヒント:2つあります)
1.やっとバイトを辞めれるー!
2.この荷物、送れる?
3.明日、ゴミ捨てれる?
4.この服まだ着れそうだね。
5.荷物を棚の上に乗せれる?
6.この靴なら速く走れるよ。
↓
↓
↓
こたえは、2番と6番です。
2.送ら+ない (o ku ra - nai)
【ア段】(五段活用) → 送れる
6.走ら+ない (ha shi ra - nai)
【ア段】(五段活用) → 走れる
【ア段】なので「られる」はつけません。
冒頭でも触れたように、普段の会話では、すでに「ら抜き」のほうが自然になっている言葉もたくさんあります。
でもまだ移行期間中。仕組みを理解しておけば、自信をもって使い分けられます。
「れる」か「られる」か…、迷ったときは「~ない」の形にしてみてくださいね。
「ない」の前の文字が【イ段・エ段・オ段】なら「られる」です。