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【座り姿勢】のきれいな人が無意識のうちに行っていることは?疲れずに姿勢を保つコツ

畠山仁美所作講師

デスクワーク、車や電車での移動、食事、勉強、読書をする、Netflixで映画やドラマを観る…などなど、私たちは毎日かなり長い時間、イスに座って過ごしています。

座り姿勢の良し悪しは、体への負担はもちろん、集中力、見た目の印象にも大きく関わってくるので、できるだけきれいな姿勢で座りたいもの。

しかし、背筋を伸ばした、いわゆる「いい姿勢」は、どうしても疲れてしまいます。きれいな座り姿勢をキープするにはどうしたらいいのでしょうか。

ポイントは、「座る前」にありました。

座り姿勢で大事なこと

座り姿勢で一番大切なのは、「骨盤が立っている」すなわち「坐骨で座っている」こと。

座面が柔らかいイスだと坐骨が座面に当たっている感覚をつかみにくいので、最初は木のスツールなど硬いイスで試してみると、坐骨で座れているか(骨盤が立っているか)どうかが分かりやすいです。

そしてこの、骨盤が立ったきれいな姿勢で座るコツは、”座ってから”ではなく、”座る前”にあります。すなわち、

座ってから姿勢を整える(骨盤を立てる)のではなく、”座ろうとする時”にすでに姿勢が整った状態(骨盤を立てた状態)で座る

ということです。

そんなこと?と思われるかもしれませんが、「これからイスに座ろうとするときの姿勢」を意識している人は、実際とても少ないのです。

上半身をまっすぐに

ゴルフ、スクワット、ヨガ、お辞儀、重い物を持ち上げる、などなど…、上半身を前傾させる動きをするときは、基本的に頭からお尻までをまっすぐに保ったまま、股関節(脚の付け根)から折り曲げるようにします。

イスに座る時も、一度イスの前に立ち、頭からお尻まで上半身をまっすぐにして体軸を整え、その状態のまま股関節(脚の付け根)から折りたたむようにして座ります。

そうすると、座った時にはすでに骨盤が立ったきれいでラクな姿勢で座ることができています。

このイラストは腕をダランとしていますが、ももに軽く添えておくときれいです。
このイラストは腕をダランとしていますが、ももに軽く添えておくときれいです。

ときどき座り直すことが大切

坐骨で座ると、体のバランスが整い、筋肉への負担が減るので疲れにくくなります。

とはいえ、長い時間座りっぱなしでいると、姿勢を支える筋肉が固くなって血行が悪くなります。

血行が悪くなり疲労物質がたまると「痛み」を感じるようになり、痛みを感じると筋肉は緊張します。

筋肉が緊張すると、さらに血行が悪くなって…と、どんどん悪循環に陥っていきます。

腰にも負担がかかるので、30分~1時間に一度くらいは立ち上がり、軽くストレッチなどをしてほぐしてから、一旦姿勢を整え、骨盤を立てた状態でこまめに座り直すようにすると、きれいな座り姿をキープできます。

リラックスしているように見えるけれど、実際は腰にすごく負担がかかっています
リラックスしているように見えるけれど、実際は腰にすごく負担がかかっています

少し古い調査ですが、シドニー大学によって『日本人は一日の座っている時間が世界一長い』という研究結果が出されたこともあります。

デスクワークや勉強などで長時間座ることが多い人は、体に負担の少ないきれいな姿勢を心がけたいですね。

ポイントは、「座ってから姿勢を整えるのではなく、姿勢を整えてから座る」こと。すぐに違いを実感できると思いますので、ぜひ試してみてください。

所作講師

日常の振る舞いを見直すことで、心・体・生活を整えるお手伝いをする所作講師。立つ・座る・歩く・物を扱う・挨拶する、といった日常あたりまえに行っている所作を通して、振る舞いだけでなく自分の内面も見つめ直すレッスンが好評。2011年の開講以来マンツーマンレッスンにこだわり、一人一人と向き合ってきた。ブログ【所作美人のヒント】では、バタバタと忙しい日々の中で、所作を通して自分を磨く考え方を発信。著書「一日一分からはじめる『おだやかな人になる所作の習慣』」

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