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年賀状どうやめたらいい?おすすめの方法と相手に配慮した文例

樋口智香子マナー・コミュニケーション講師

何かと慌ただしい年の瀬、年賀状の準備に負担を感じ「正直、そろそろ年賀状やめたい・・・」と考える人も多いのではないでしょうか。
SNSや各種メッセンジャーツールの普及で、手頃に年始のご挨拶ができるようになったこと、人間関係が毎年増え続けること、年賀状がただの儀礼的な挨拶になってしまうことなど、やめたい理由は様々でしょう。
年賀状は日本のすばらしい文化ではありますが、時代と共に文化が変遷してゆくのは自然なことです。個人の事情も踏まえ、郵送での年賀状をやめることも、失礼ではないと考えます。
とはいえ、どのようにやめたらいいか、悩んでしまいますよね。
そこでこの記事では、年賀状をやめる際のお勧めの方法をご紹介します。

やめ方に明確な決まりは無し、感謝を伝えることが大事

「年賀状をやめるには、これが正解!」という明確な形式はないと考えます。
大切なのは、今までやりとりしていた方や、年賀状をくださった方への感謝の気持ちです。
年賀状をやめてもご縁は続くという前提で、年始の挨拶や感謝の気持ちを伝えることが大事です。

一般的に、その年の年賀状に今年でやめることを書く、という方法もありますが、おめでたい年始に、あえてそれを伝えずともよい、とも思えます。相手に気を遣わせてしまうかもしれません。

おすすめは「寒中見舞い」の活用

年賀状をやめる際のお勧めの方法は、寒中見舞いを活用することです。
寒中見舞いとは、1年のうち最も寒くなる時期に、相手を気遣って出す挨拶状です。
寒中見舞いを出すのは、1月8日頃~2月4日までとされています。正月飾りをしまう松の内から立春前までを目安にしています。

年賀状をくださった人や特に挨拶をしておきたい人に、寒中見舞いを送り、そこに年賀状をやめた旨の一文を添えるといいでしょう。やめる理由については、必ず書かなければいけない、ということはありません。それよりも、これまでのやりとりや日頃の感謝、相手への気遣いなど、気持ちを伝えることが大事です。

ご参考までに、例文をご紹介します。

【仕事の関係者に】
寒中お見舞い申し上げます。
年始には丁寧な賀状を賜りまして、誠にありがとうございました。

新年のご挨拶が遅れてしまい、申し訳ございません。
誠に勝手ながら、本年より年賀状での皆様へのご挨拶を控えております。
日頃の、あたたかいお力添えに心から感謝申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

【親戚に】
寒中お見舞い申し上げます。
寒さのなかにも透き通った空気が心地よい季節となりました。
皆様、お元気でお過ごしでしょうか。

新年のご挨拶が遅くなり、申し訳ございません。
本年より、皆様への年賀状でのご挨拶を控えることにいたしました。
年賀状で、近況を伝えることが多かったぶん、
これからはもっとまめに連絡を入れるようにいたしますね。
〇〇ちゃん、すっかり大きくなりましたね。
可愛い姪っ子の顔を見に、また遊びに行かせてください。
どうか、お身体には気をつけてお過ごしください。
今年もよろしくお願いいたします。

【なかなか会えない友人に】
寒中お見舞い申し上げます。
お正月には、素敵な写真入りの年賀状をありがとう。
元気そうなお顔を見て、こちらまで明るい気持ちになりました。

新年のご挨拶が遅くなって、ごめんなさいね。
実は今年から、年賀状を控えることにしました。
でもでも!これからも変わらぬ熱い友情を注ぎつづけますので、
どうぞよろしくお願いします。

今年は会える機会があるといいね。
そのときはぜひ、つもるお話を、ゆっくりいたしましょうね。

メッセンジャーツールを使うなら「あなただけに」のひとことを添えて

年賀状をLINEなどのメッセンジャーツールで送ることも、一般的になりました。
もし、メッセンジャーツールで送るなら、皆に同じ内容を送るのではなく、一人一人に向けたオンリーワンのひとことを添えるといいでしょう。年賀はがきを書く手間がかからないぶん、そこは心をこめてください。

【職場の人に】
あけましておめでとうございます。
いつも○○さんの笑顔に癒されています。
今年はいよいよ、新プロジェクト始動ですね。
気合入れていきましょう!

【親戚に】
あけましておめでとうございます。
○○くん、今年はいよいよ小学生ですね。
ランドセル姿を楽しみにしています。
今年もよろしくお願いいたします。

【なかなか会えない友人に】
あけましておめでとう!
すっかりご無沙汰してるけど、いつもインスタ見てるよ~!
素敵なカフェをいっぱい知ってるんだね。
今年はぜひ、連れていってね。

以上、年賀状をやめるときのお勧めの方法と、相手を気遣う文例について、ご紹介しました。
良い年の瀬をお迎えください。

マナー・コミュニケーション講師
樋口智香子

マナー・コミュニケーション講師

マナー・コミュニケーション研修講師。千葉県出身、元資生堂ビューティコンサルタント。NLP心理学とマナーをかけ合わせた独自のプログラムにより、セミナー・研修を実施。全国250か所から招致され、指導人数は延べ20000人以上。セミナー・研修の他、書籍の出版、コラム執筆、雑誌記事や教材監修など幅広く活動中。

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