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上司・先輩・お客様など、目上の人の困った自虐ネタ、何と返事をすればいい?

樋口智香子マナー・コミュニケーション講師

上司や先輩、お客様など、目上の人の自虐ネタ。どう返事をしていいか困ったことはありませんか。

「若くていいわねー、私はもう、おばさんだから」
「俺の頭、まぶしいだろ?」
「デブがいると、暑苦しくてごめんね」

このような自虐ネタは、相手が目上の人だけに、なんと切り返せばいいのか、本当に困りますよね。 そこでこの記事では、自虐ネタを言われたときの、上手な対応についてお伝えします。

同調はしない

まず、基本的な考え方として、相手の自虐ネタに同調するのはNGです。
本人は冗談めかして言っていても、そこで笑ったり、「そうですねー」などと同調するのはやめましょう。

自虐ネタを言う人の心理は様々ですが、大きくは、二つに分かれます。

・本人が気にしていないので、笑いに変えられる
・本人が気にしている、コンプレックスの裏返し

もし、相手が後者だった場合、笑ったり同調してしまうと、傷つけてしまうこととがあります。相手の心理がわからない以上、同調はしないのが無難です。

年齢に関すること

「もう年だから」「おばさんだから」

このような、年齢に関する自虐には、まずは「そんなことないです」とやんわり否定しましょう。
たとえ、年上であることが事実だったとしても「そんなことないです」には「まだまだお若いです(お若く見えます)」というニュアンスが含まれるので、不自然な否定になりません。

そのうえで、ほめ言葉を添えてはいかがでしょうか。たとえば、こんなひとことです。

「いつも若々しいですよね」「いつもきれいになさっていますね」「〇〇さんみたいな大人に憧れます」「年の差を感じさせないです」

顔・からだの特徴に関すること

「太っている」「髪が薄い」

このような、顔・からだの特徴に関する自虐には、ひとこと目には、曖昧な返事をすることをお勧めします。「いえいえ」とか「またまた」とか、”冗談ばかりおっしゃって”というようなニュアンスをこめた返事です。

「そんなことないです」と、あからさまに否定をすると、不自然になることがあるからです。
たとえば、本当にほとんど髪が無い人が「俺はハゲてるから」と言ったときに、「そんなことないです」というのは、おかしいですよね。

曖昧な返事をしたあとは、別の視点から、相手をほめてはいかがでしょうか。

「〇〇さんと一緒にいると楽しいです」「職場の雰囲気が明るくなります」「〇〇さんがいてくださると安心します」

こんなふうに、冗談まじりの自虐を流すことなく、”あなたはユーモアがありますね”という意味合いの言葉を添えれば、気まずくなりません。

性格に関すること

「飽きっぽい」「いいかげん」「優柔不断」

このような、性格に関する自虐には、心理学のスキルである”リフレーミング”を活用しましょう。
リフレーミングとは、人や物事への見方・捉え方を変化させることをいいます。
例えば「飽きっぽい」は「好奇心が旺盛」、「いいかげん」は「おおらかでこだわらない」、「優柔不断」は「よく考えてから決める」というように変化させます。

職場では、リフレーミングに加えて、ほめ言葉を添えてはいかがでしょうか。

上司「俺は短気だから」
→→「行動力があって、かっこいいです」

先輩「私、陰キャだから」
→→「先輩の、控えめで周りの人を尊重するところ、尊敬しています」

お客様「うちの会社は、細かい人間が多いけど、よろしくね」
→→「丁寧なのは大切なことです、しっかり努めます」

以上、上司・先輩・お客様など、目上の人の自虐ネタへの上手な対応についてお伝えしました。ぜひ、活用してみてくださいね。

マナー・コミュニケーション研修講師
樋口智香子

マナー・コミュニケーション講師

マナー・コミュニケーション研修講師。千葉県出身、元資生堂ビューティコンサルタント。NLP心理学とマナーをかけ合わせた独自のプログラムにより、セミナー・研修を実施。全国250か所から招致され、指導人数は延べ20000人以上。セミナー・研修の他、書籍の出版、コラム執筆、雑誌記事や教材監修など幅広く活動中。

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