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本当は嫌なのに!いじられる・バカにされる人が現状を脱却する方法

樋口智香子マナー・コミュニケーション講師

職場などで、いじられキャラ扱いされてしまう人がいます。
「いじる」とは、本来「指先でさわるなどして、もてあそぶ」という意味の言葉です。
TV番組の影響もあり、人をからかったりかまったりして、その場をユーモアで和ませるという意味でも、使われるようになりました。

しかし、いじられている人は、たまったものではありません。ユーモアどころか、傷ついていることも大いにあるのです。

「本当は嫌なのに、つい、その場の雰囲気に流され、何も言えない」
こんな悩みを抱えている人も多いはず。

そこでこの記事では、いじられやすい人が、いじられキャラを脱却し、心を楽にする方法について、お伝えします。

あなたをいじる人に、気を遣わなくていい

そもそもの考え方として「いじってくる相手に気を遣う必要はない」という意識でいてください。

いじられやすい人の特徴として、繊細で、優しく、周りに気を遣ってしまうということが挙げられます。そうしたことから「人間関係を、気まずいものにしたくない」とか「場の雰囲気を悪くしたくない」という思いで、いじってくる相手にすら、無意識のうちに気を遣ってしまうのではないでしょうか。

すると、本当は嫌なのに、それを表現できなかったり、場の雰囲気に合わせてつくり笑いをしてしまったりして、余計、いじられやすい状況を作ってしまうのかもしれません。

「いじる人」は、あなたを大切にしていません。例えそれが、愛情を伴う冗談だったとしても、あなたが傷ついている以上、あなたを大切にしていることにはなりません。そうした相手に、気を遣う必要はなく、あなたの心を守ることを優先してください。

反応せず、無表情で沈黙する

嫌なことを言われたら、反応せず、無表情で沈黙しましょう。
往々にして、いじる人というのは、いじった相手や周囲のリアクションを楽しんでいるのです。そのリアクションが得られず、むしろ気まずい雰囲気になってしまったなら、いじる意味が無くなります。

もし、私だったら「何それ、つまんない」と言わんばかりの無表情で、沈黙します。
ただし、それ以外の会話では、礼儀正しさ・穏やかさをキープ。反感を買うなどの、立ち入る隙を与えないようにします。

毅然とした態度で接する

いじってくる相手には、毅然とした態度で接しましょう。
人の意識というものは、私たちが想像する以上に、相手に影響を及ぼします。
「あなたの発言は、不愉快です」という意識を、言葉にせずとも、態度で伝えることができるのです。

毅然とは「意志や態度が、強い信念のもとにあり、柔弱な様子をみせない様子」です。
具体的には、以下のことを意識してみてください。

・大きめの声で、ゆっくりはっきり話す
・しっかりと相手の目を見る
・背筋を伸ばした姿勢
・おどおどしない

バトル系の漫画でよくある、主人公が、気迫だけで相手をたじろがせてしまうシーンをイメージしてもいいかもしれません。

「やめてほしい」と、はっきり伝える

態度で表しても、なかなかやめてくれないときは、ストレートに「やめてほしい」と伝えましょう。
もしかしたら当人は、あなたが嫌がっていることに気づいていないか、深刻に捉えてないかもしれません。

その場で言い返すよりも、二人きりのときに、改まった感じで言うほうが、きちんと聞いてもらえるでしょう。

相手にもよりますが、もし、上司など目上の人であれば「ああいうことを言われると、とても傷つくので、やめていただけませんか」とか「ストレスで苦しくなっているので、どうか、やめていただけませんか」と、伝えてみてください。

直接言うことに躊躇してしまうなら、LINEなどのメッセージで伝えてもいいかもしれません。
文章なら、言葉を選んで整理してから送ることができるので、より、気持ちを伝えやすくなります。

いじる人にフォーカスせず、一緒にいて心地よい人と過ごす

最後に、いじる人にフォーカスせず、一緒にいて心地よい人と過ごすという方法を、ご紹介します。

人は、意識を向けたものが、自分の中で増大してゆくという特徴を持っています。
例えば、レストランで食事をするとします。
「この店はよくない」と感じた人は、不満の要因を見出しやすくなり、その逆に「ここはいい店だ」と思っている人は、良い店である要因を見出しやすくなる、ということです。

いじる人にフォーカスし「また、嫌なことを言われるのでは」と思えば、その現実を作りやすくなります。
嫌なことを言われたときに、より強く意識に残ったり、相手の些細な言動までもが気になるようになる、ということです。

それよりも、あなたを認めてくれる人、一緒にいて心地いい人にフォーカスしましょう。
一緒にいる時間を増やしたり、楽しい話で笑ったり、美味しいものを食べに行く。
または、一人でいるのが心地よいなら、一人で気楽に過ごすのもいいかもしれません。

楽しいことにフォーカスして、心を軽く、穏やかにすること。
これがいちばんの、あなたの心を守る方法となるでしょう。

以上、いじられやすい人が、いじられキャラを脱却し、心を楽にする方法について、お伝えしました。
あなたが、心地よく毎日を過ごせることを、お祈りしています。

マナー・コミュニケーション研修講師
樋口智香子

マナー・コミュニケーション講師

マナー・コミュニケーション研修講師。千葉県出身、元資生堂ビューティコンサルタント。NLP心理学とマナーをかけ合わせた独自のプログラムにより、セミナー・研修を実施。全国250か所から招致され、指導人数は延べ20000人以上。セミナー・研修の他、書籍の出版、コラム執筆、雑誌記事や教材監修など幅広く活動中。

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