「アンテノール」は、1978年に神戸に誕生した老舗のケーキ屋さん。それは、ひとりのケーキ職人の「日本一の洋菓子を作りたい」という想いから始まりました。今から43年も前のことです。

当時はもちろん、今のようにケーキ屋さんが溢れている神戸とは全く違う環境下で、斬新な美味しさとして提供されていたのでしょうね。そこから時代に沿った味や見た目の変化は少しづつありつつも、その一番大切にしている部分を崩すことなく、長年のお客さんやアンテノールを愛してきた沢山の人たちの為にアンテノールのレシピをずっと守ってきたのが感じられます。

アンテノールのケーキは、お家がとっても似合う気がします。家族の誰かが「買ってきたよー」って言いながら帰ってきて、リビングのテーブルで紅茶を入れて、それぞれの椅子に座って笑顔で頂く。子供からお年寄りまで世代を超えて愛されるその味で、家族の幸福感を高めてくれるのです。

定番として店頭に並んでいるレモンタルトは、そんな当時から続いているロングセラーのケーキだそうです。元々はパイ生地だったのですが、土台をずっしりとしたタルトにすることで、レモンクリームの爽やかさとザックリ濃厚なアーモンドクリームの重量感も楽しめる満足度の高い仕上がりに変化しました。

中にたっぷり入っているレモンクリームは、しっかりとした酸味と仄かな甘みでその存在を主張しているのですが、ミルク感ある生クリームでたっぷり包み込まれていているので味にまろやかさと優しさが加わり、味わいながらほっぺたが緩みます。刻まれたレモンピールのアクセントも爽やかで、人気の理由が分かります。

まるで赤いルビーのような色艶をしたケーキは、季節のスペシャリテ「ショコラ・フランボワーズ」です。「トリニタリオ種」という希少なカカオ豆で作られた香り高いチョコレートムースの中に、可愛いいピンク色のフランボワーズムースが入っています。甘酸っぱいラズベリーソースが全体を覆っていて、しっとりと甘くきめ細やかなチョコレートムースとの相性もバッチリです。

この商品は、売れることでカカオ生産者にも還元されるようなシステムになっていて( ※カカオ・トレース認証チョコレート使用)、アンテノールの新たな取り組みが伺えます。季節のスペシャリテシリーズはシェフおすすめの渾身の作品でもあるようですよ。

カボチャの可愛らしいモンブランもありました。甘みの強い北海道産えびすカボチャのクリームで、土台はしっかり食感のチョコアーモンドケーキです。ハロウィーンまでの季節限定ということなので食べてみたい人は急いでみては。

阪急店のみの限定シュークリームも、3種類ありました。アンテノールのケーキは沢山食べても不思議にもたれないので、私はケーキの後にシュークリームも立て続けにぺろっと食べちゃいました。

カスタードクリームは黄身の味わい豊かな栃木県の御養卵、ジャージー牛乳を使用し、2種類のブレンドの生クリームはミルク感豊かでスッキリと仕上げているそうですよ。クリームたっぷりでもう大満足です。

お店は阪急百貨店の地下入り口を入って一番手前にあるので、すぐに買えるのが嬉しいところ。お仕事帰りにサッと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。どうぞ、家族との幸せケーキタイムをお過ごしくださいね。

アンテノール神戸阪急店