神戸からソースが消えていく?まさかの現状に危機感を抱かずにはいられないかも、さてどうする!【神戸市】
「関西人は、週一でお好み焼きを食べる」という話があります。都市伝説的なものかと思いきや、案外ホントにそうだったりもします。お好み焼きもしくはタコ焼きの場合もありますが、実際の所は「ソース」が主役。とにかく関西人のソースの使用率は半端ないかも知れません。
串カツ、豚カツ、コロッケなどにも欠かせませんし、洋食とは切っても切れない関係ですよね。そんな関西人にとって欠かせない食アイテムのソースですが、実は今しもピンチの時を迎えようとしているんです。
神戸市にはソースを作っている会社が8軒あったのですが、この2〜30年でその内の2軒が辞めてしまったそうなんです。最近は色んな種類のソースを見かけるし流行っているのでは?と思っていたのですが、ソースは作りには手間はかかるけど売値が安いため、数が売れればいいのですが中々そうもいかない現状もあるとか。
今は神戸市内に6軒のソース屋さんがあります。そしてその内、ひとりで全てを作っている小さなソース屋さんが現在2軒あり、同じような問題を抱えています。6軒もあればいいじゃないと思うかも知れませんが、それは大きな間違いなのです。
お好み焼き屋さんにとって、ソースは無くてはならない物…そのお店の味を決めるのがソースの味と言ってもいいぐらいに、どこのソースを使っているかはかなり重要なことです。ひとつのソースをそのまま使っているお好み屋さんもあれば、幾つかの会社のソースをブレンドしているお店もあるんだとか。
小さなソース屋さんが辞めてしまった時、それまでに使っていたソースが急に無くなってしまいお店のいつもの味を保てなくなってしまったお好み焼き屋さんから、問い合わせの電話が殺到したというお店があります。
長田神社前商店街にある「ユリヤ」というお店です。ここには実に100種類程のソースの品揃えがあります。神戸でソースを作っている6軒の会社のものから、大阪や京都、岡山に至るまで様々な味のものがここに一堂に集まっていて、それらがズラリと並べられた姿は正に圧巻です。
所変われば味も全く違うというソースですが、そんな中でも神戸のソースの特徴といえば「スパイス」の効いた味なんだそう。実は日本で初めてソースが作られたのが神戸の兵庫区で、それは明治時代にまで遡ります。
いわゆる「ドロ」ソースとは、溶けきれなかったスパイスが沈殿した溜まりで、それだけふんだんにスパイスが使われているという証拠。神戸の特有なドロは、港町神戸の混ざり合った文化をそのまま現しているものでもあるのだと「ユリヤ」の店長、中島さんが教えてくれました。
「お洒落な神戸がA面だとすれば、ソース文化はB面」。下町の良さをたっぷりと含んだ味わい深いもので決して無くしてはいけないもの。だけど気がつけば少し危機的な状況に向かっているのかも知れないという現状があります。それは一度なくなってしまったら簡単に取り返しはつきません。
昔の神戸はあちこちに銭湯があり、その横にはお好み焼き屋さんがあった。震災でそういった風景が消えてしまい、気がつけばコミュニティーそのものが無くなりかかっている…ソースの味がどうこうというだけの話ではなくて、そこにまつわる文化として在るソースを無くしたくないんですと、中島さんは真剣です。
さて、神戸市民の皆さんどうしましょうか。何とかして神戸のソースを盛り上げていきませんか?色んな方法があるかとは思いますが、まずは良かったら「ユリヤ」さんに足を運んでみて下さいね、新しい味との出会いがあるかも知れません。
NO SAUCE NO LIFE!これからも関西人として誇りを持って、ソース生活を楽しんでいきましょう。
ユリヤ
ユリヤHP(外部リンク)
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