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体感型パワースポット誕生!日本酒で八百万の神々と宴?「生きた聖地」がここにあり【神戸市・灘五郷酒所】

Hinata Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

「灘五郷」には実に26蔵の酒蔵があり、世界一の日本酒生産量を誇っています。そんな日本の宝のような場所に、新しい「コミュニケーション型観光スポット」が現れました。

今春オープンする「灘五郷酒所」は、灘五郷全26蔵の日本酒の飲み比べが出来るだけでなく、神戸という土地で生まれた美味しい食べ物も頂け、それを「宴」として体感することができる空間です。

灘五郷のお酒と、こだわりのお料理が「麹蓋」に載せられている
灘五郷のお酒と、こだわりのお料理が「麹蓋」に載せられている

この大きな建物は、剣菱酒造が酒蔵として使っていた場所なのだそう。一番奥のガラス窓には酒タンクがずらりと並んでいる姿が写り、まるでマジックのようにフラッシュしては現れたり消えたりしています。

存在感がとにかく凄い、酒タンクの姿はまさに圧巻
存在感がとにかく凄い、酒タンクの姿はまさに圧巻

入り口手前から奥までひたすら続くコの字型のカウンターは、潔いほどスッキリとして和の美しさの極みを示しているかのようです。

ここを神社と見立て、神様である酒タンクがある奥まで長く続くカウンターを参道とし、そこに八百万の神々の姿絵が脈々と続いているといった、日本酒の神聖さを際立たせるような空間演出がされています。

神社で真ん中の道は神様の通り道。ここでは日本酒と料理が運ばれる
神社で真ん中の道は神様の通り道。ここでは日本酒と料理が運ばれる

カウンターには、今から行われる「宴」のための料理がずらりと並べられていました。お料理自体も「発酵・旬・地元」というテーマに沿っていて、ご神事でも必ず奉納されてきた聖なる液体「日本酒」と共に頂くものとして、そこに並べて表現されています。

今から儀式でも始まるのかのような、神聖感のある「宴」の場
今から儀式でも始まるのかのような、神聖感のある「宴」の場

実は、文化庁の事業の一環として生まれた「灘五郷酒所」。ここでは今から日本酒にまつわるセミナーや体験会などの色んな取り組みが行われるそうなんです。今だからこそ日本酒の奥深さや本質をしっかりと伝えなければいけない、どうやらそんなタイミングがきているようです。

大切に作り継ぎ守られてきた日本酒には、日本人の心、魂、生き方など過去からの様々な記憶が含まれています。日本の深淵な文化の「目に見える形」であり、「体に取り入れることができるエネルギー」でもあり…そう考えると日本酒ってホント不思議な存在ですよね。

神棚には神様がしっかりと祀られてありました
神棚には神様がしっかりと祀られてありました

さて。この日は、酒所の持ち主である剣菱酒造の社長さんが会場にいらっしゃったのですが、そこにふらりと現れた白鶴酒造の社長さん。この辺りの酒造所の皆さんは仲が良いという話は本当なんですね。

古くからの酒造会社の社長といえば「ロマンスグレーのおじさま」だろうと私の勝手なイメージがあったのですが、お二人とも何だかお若くて素敵でいらっしゃったのが驚きです。

キッチンにDJブースがあるという斬新な配置、生きた音楽も必須
キッチンにDJブースがあるという斬新な配置、生きた音楽も必須

この日のプログラムに「ひねり餅体験」という時間があったのですが、「ちょっとやってみるか」と体験者の皆さんと一緒に突然ひねり餅のお米をコネだした白鶴酒造の社長さん。何とスーツ姿のまま、私のすぐ隣で道具を片手にコネています。

さすが社長さん、ひねり餅が手早く仕上がっていきます
さすが社長さん、ひねり餅が手早く仕上がっていきます

仕上がったひねり餅をネタに、剣菱酒造の社長さんとふたりで「この出来はイマイチかな」とか何とか言いながら仲良さそうに話されている所に、私も混じらせて貰って一緒に飲んでました。

お話上手なお二人から「日本酒のちょこっと裏話」をこっそり教えて貰いながら笑ったりして…そんなことが普通にあり得るような空間ってすごく面白くないですか?

灘五郷の酒が、西から東までずらりと並ぶメニュー札
灘五郷の酒が、西から東までずらりと並ぶメニュー札

例えば酒造りをしている杜氏さんや社員さん、現場の生産者側の人達と席を隣り合わせて、日本酒を片手にウンウンと相槌を打ちながらお話を聞けるような場所があったら嬉しいですよね。

そういう事を可能にしてくれるような空間が「灘五郷酒所」なんです。ちょっと面白いことが始まりそうでワクワクしませんか?

今春に本格オープンする「灘五郷酒所」。ここに新たな日本酒コミュニティーが生まれ、豊かな繋がりが広がっていくことを心から楽しみにしています。皆さんも是非、この「体感型パワースポット」にお清めに参ってみてはいかがでしょうか。

「灘五郷酒所」イベント第一弾

「日本酒と食の組み合わせを楽しむ酒蔵セミナー」

第1回|1月29日(土)18:00-20:00

「古くて新しい灘酒の魅力セミナー」  
白鶴酒造株式会社 生産本部 伴光博氏 

白鶴の商品を中心に、灘の日本酒と料理の相性を楽しみながら、古くて新しい灘酒の魅力を解説。

第2回|1月30日(日)18:00-20:00
「剣菱500年守り続ける味と技と理念セミナー」
剣菱酒造株式会社 代表取締役社長 白樫政孝氏

剣菱の500年は日本酒の歴史そのもの。その歴史を追いながら守り続ける味とは何なのか、どうして守り続けるのかなどを解説。

①日本酒と食の組み合わせを楽しむ酒蔵セミナーなどのセミナー
②灘五郷の全27種の日本酒飲み比べ|日本酒の温度の違いによる飲み比べ
③ひねり餅体験
大人:3,300円 (税込)    
※完全予約制です。チケットは公式サイトよりご購入いただけます。
※20歳以上のお客様限定イベントとなります
*本イベントとは、文化庁「上質な観光サービスを求める旅行者の訪日等の促進に向けた文化資源の高付加価値化促進事業」採択事業の一環で行います。

旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

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