パン好きなら「お腹いっぱいになるまで色んなパンを食べてみたい！」という夢を、一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。そんなあなたの願いを叶えてくれるお店が、神戸にあります。

ある頃から、ここのパンビッフェの写真をインスタでよく見かけるようになりました。いつ見てもパンがずらりと並んでいて気になって仕方がありません。何でこんなにも人気なのでしょうか、きっとそこには秘密が…ということで、オープン時間に合わせて一番乗りで行ってみました。

まずはオーダー、選べるセットメニューで人気の「ローストビーフ」を。サラダがたっぷりなのが嬉しいですね、これで栄養バランスも取れます。パンだけ大量に食べるとちょっとした罪悪感がありますが、サラダを沢山食べてヘルシーに。

さあ、メインの「パンビッフェ」へと向かいましよう。テーブルにはカゴとトングが用意されていて、お好きなだけどうぞと言わんばかりです。種類豊富に並んだパンは、どれもがホントに美味しそうで目移りしてしまいます。

ここで気になるのが、そのお味。食べ放題のパンとあなどるなかれ、ここには愛情がたっぷりと詰まっています。ここのパンは毎日、ふたりのパン職人さんが夜中の12時から作り始めるそう。生地から丁寧に手作りされているパン達はおまけのサブメニューではなく、この店の「メインメニュー」なんです。

沢山の種類を食べられるように、できるだけ小さなサイズで作られたパン。小さいからといっても手抜きは一切なし、その小さな中にいろんな味がギュッと詰め込まれています。私はミニバーガーを食べた時に、その中に込められた愛情のようなものを感じました。

「リンシエメ」が人気店になったのは、実はパンビッフェを始めてからのことなんです。あるパン職人さんがこのお店の担当になってから始まったのですが、たったひとりで大量のパンを一生懸命に焼き続けていくうちに、気がつけばパンビッフェが人気を博して開店前には行列ができるほどにまでなったそう。

オーナーがそのパン職人さんの姿を見て、より明確になった「経営理念」があると言います。「自身の人間的魅力を高め、出会った人全てに小さな感動を」というものです。それはお客さんだけでなく、社員やアルバイト、食材を運ぶ業者さんからお店のデザイナーさんまで、全てとの関わりの中でそれを大切にしていこうというメッセージでした。

愛情の込もったパンビッフェは初め主婦層に支持され、口コミで広がっていったといいます。そこには美味しさと共に、一緒に行った人にたっぷりと食べさせてあげられる嬉しさや、満足感がありました。

さて、ここでひとつ「しっかり美味しく食べるポイント」を。パンのあるカウンターには3台のトースターが用意されているのですが、これにパンを入れて軽くトーストします。それだけでホントに美味しさが倍増、出来立てのような風味を楽しめるんです。

ミニピザやカレーパンなど、香りやサクサク感が現れてそれぞれの食感の違いを楽しめます。ちょっとトーストするだけでこんなにも変化するなんて驚きです。是非、更に美味しく頂くためにそのひと手間をかけてみて下さいね。

このご時世ですが、煉瓦倉庫という天井の高い空間なので換気もよく、テーブルも22席程までに減らして間隔をとってくれています。「出会った全ての人に、来て良かったと思ってもらえるようなお店に」。メニューだけではなく、色んなところにその想いが反映されているように感じました。

大人から子供まで皆んなが大好きなパンをめいっぱい楽しめる、ちょっとしたご褒美空間。私の隣で食事をしていた家族のお父さんが帰りがけに、「あぁ〜お腹いっぱい」と幸せそうに言ったのがとても印象的でした。皆さんも小さな幸せを感じに、ここへ足を運んでみてはいかがでしょうか。

リンシエメ