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こだわり抜かれた究極のパン!?その香り高き風味を次世代のスタンダードに【神戸市・コドモベーカリー】

Hinata Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

「材料にとことんこだわった究極のパンがある」と聞いて、訪れてみたお店があります。その名も「コドモベーカリー」。子供たちに安心してバトンタッチできる未来を想うパン屋さんです。

店内のショーケースには、パンのまち神戸でも珍しいかと思われる「オーガニック100%国産小麦」「田野屋塩二郎さんの完全天日塩」「布引の水」などなど、厳選された上質な物ばかりを使って焼かれたパンが並んでいます。

では、実際に色々と食べ比べをしてみましょう。まずは人気の「ポポタン」をちぎってひと口、とても自然な甘みでもっちり、しっとり、ふんわりのどれもが感じられる驚きの食感。「コンプレボウル」は味わい深くて香ばしく、程よい塩分も優しく美味しさを引き立てています。

「オーガニックいちじくのバゲット」は、白ワイン漬けのいちじくが甘く香るパン。ここ独特のふんわりしたバゲットで水分感があり、焼いてもパサつくことがありません。「全粒粉50%のシナモンロール」はどっしりとした食べ応えがあり、他のパン屋さんのそれとはまた違った存在感。

食パンに至っては、高級食パンを断固として褒めなかった私の母に「ここの食パンは美味しいわ」と言わしめた実力派です。焼かずに食べるという行為にも抵抗なく、思わず食べ進んでしまいます。

そうそう、ここのパンを食べるにあたって、まず最初は焼かないで食べるのをおすすめします。何故なら小麦の香りが立っていて、パンによって違う香りが楽しめるから。ワインの香りをまず楽しんでからテイスティングするように、生でかじってその香りの違いをじっくりと堪能して欲しいようなパンなのです。

他にも、グルメサイトの三つ星を受賞している「全粒粉50%ブリオッシュ食パン」は、パウンドケーキのような食感の食パンです。そのままでしっかりした甘みとコク深さを感じることができるのは、材料そのものが美味しいからなのだそう。

北海道などの契約農家から直接仕入れる小麦は皮付きの状態のまま、オーガニック100%で新鮮なものです。それをこの工房で挽いてフレッシュな状態で使っているので、尚更香りが高くて美味しいのだとか。全粒粉もオーガニックなので安全なのが嬉しいところですね。

美味しい小麦はもちろん、他にも牛乳は濃厚でクリーミー、生クリーム感と甘みのある木次牛乳。そんな材料をふんだんに使った贅沢な食パンなんです。

「コドモベーカリー」が、材料にこだわるのには理由があります。毎日パンを作っているパン職人さん(通称パン君)は、以前はパンの大手企業で働いていました。そのうちにアレルギーになってしまったパン君。パン業界では「アレルギーになって一人前」と言われることに疑問を抱きながらも、そのまま働き続けます。

ある日、パン君は友人から「悪いけど、君の(会社で)作ったパンをうちの子には食べさせていないよ」と言われました。その言葉が何を意味しているのか、じっくりと考えたパン君は会社を辞めることを決意します。

その後にご縁があって「コドモベーカリー」の職人となったパン君。毎日のようにパンを作る日々が一年ほど続いていますが、今ではアレルギーは完全に治ったのだそうです。

「お客さんと毎日顔を合わせながら、この人に食べてもらうパンを作っているのだという認識を持ってパンを売ることが大事だ」と語るのは、オーナーの常深さん。そのお話を伺う程に、食に対するこだわりはどこまでも深くてまるで人生哲学のようです。そして、パン君には日々「文化をつくれ」と言っているのだとか。

「小麦も生き物なので、味が変化するのが当たり前。その時々でどういう風にパンに仕上げていくかは職人が長く付き合って感じ取るしかないし、それは日本酒作りなどとも似ている。試行錯誤をしながら作るパンの、時々の変化を楽しんでもらえるような文化を作っていけたら」と常深さんは語ります。

パンという食べ物を通して、生活や生き方としての新たなスタンダードを作り出すべく日々探究している「コドモベーカリー」。それはパン激戦区の神戸で、敢えてやってみようと思ったチャレンジでもあるそうです。

ここのパンの特徴として、どのパンも「食べた感」がしっかりあり満足度が高い為、美味しいものをじっくりと、必要なだけ食べるということが自然とできます。そして私がここのパンに驚いたのは、食べ進んでも「飲み物を特に欲しなかった」という事実でした。

程よい水分量や質の良い塩、ナチュラルな甘み、とにかくバランスがとても良いからなのでしょうね。それに加えて、この風味を堪能したいから他の味を混ぜたくないという風にも思えました。

素材本来の味わいをしっかりと感じられる「コドモベーカリー」のパン。皆さんもぜひ一度、小麦の豊かな香りと深い味わいを堪能しに足を運んでみてはいかがでしょうか。

コドモベーカリー (Codomo bakery)

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住所: 兵庫県神戸市東灘区本庄町2-13-25カーサ森105
営業時間 11:00~19:00
電話:078-862-9165
定休日:火曜、水曜 (売り切れ次第閉店)
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旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

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