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これ食べたら、もう元には戻れないかも。本場イタリアの素材感ジェラートに驚くことなかれ【神戸市】

Hinata Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

ようやく春めいてきて、散歩も楽しい季節が到来です。先日、灘区の水道筋商店街のすぐ近くにある「ジェラテリア モンクション」というお店に行ってきました。

素材にこだわっているというジェラート屋さんなのですが、ショーケースの中のメニューを見て納得しました。素材の内容や産地、生産者さんまでメニューの中に書かれています。

その素材は国内、そして海外のものにまで及びます。中には「ウユニ塩湖のソルト」という珍しいミルクジェラートもありました。

ではまず、オーストラリアのマカダミアナッツ、トルコのチャイ茶葉を使ったミルクティー、淡路島産のブラッドオレンジを使ったソルベ、3種類のジェラートを頂きます。

「OZマカダミア」は、低温殺菌の木次牛乳を使うことでミルクのナチュラルな甘味が生かされていて、優しいミルク風味の中にナッツの香ばしさがふわっと広がります。

トルコの茶葉を使った「トルコのリゼティー」は、濃厚な紅茶の味がガッツリくるのですが、サラッとしたミルクがいい具合に味を引き立てていて、コクがあるのに上品な味わい。

今が旬の「淡路島ブラッドオレンジ」は、豊かなブラッドオレンジの風味の中にわずかなほろ苦さも感じられる、大人な味わい。ソルベでとてもすっきりした味わいですが、満足度が高い。

ここでは地元の美味しい素材が生かされているのですが、他にも海外からの厳選されたものも使われています。その訳は、オーナーである黒木さんの過去の遍歴にあります。

実は、黒木さんは世界一周を経験したという根っからの旅人。そんな旅の途中で、イタリアのジェラートがどのお店に入ってもホントに美味しくて驚いたのだとか。

ジェラートの本場イタリアでは、素材の味を全面に出すのが主流で美味しい素材をふんだんに使っていたのだそう。黒木さんはそれまで持っていたジェラートの概念をくつがえされ、完全にハマってあちこち食べ歩くことに。

そのあと日本に戻った黒木さんは、当時まだ日本には少なかった「ゲストハウス」を作り、国内はもとより海外からも多くの旅人を受けいれ続けてきました。

軌道に乗っていたゲストハウスですが、コロナの影響で今年一月に惜しまれながらもクローズ、そしてもうひとつの目標としていたジェラート屋さんにシフトしていきます。

旅の経験から、色んな国の美味しい素材を取り入れたメニューが誕生していきます。そして気がつけば、外国人のお客さんが増えて今では20数カ国のお客さんが来るまでになっていると言うから驚きです。

「ここはかなりローカルな場所なんですけど、近くに神戸大学の留学生の寮もあったりもして国際色が豊かなんです」と黒木さん。なるほど、店内の鏡に世界地図が飾られているのも納得ですね。

イタリア人の常連さんもいれば、チャイ風味のジェラートを「地元の懐かしい味」だと喜んでくれるトルコ人もいるなど、その味の本格さが伺えます。

もちろん国内素材にもこだわりがあり、直接生産者さんを訪問、作り方を見るなどしてから素材として使うそうで、味と共にその奥にある物語を感じさせるジェラートになっています。

そうと知ると、もっと色んな味を食べてみたくなりますよね。次に使われている素材は、北区・濃恋のうえんの苺&木次牛乳、倉敷のキウイ、ベルギー産クーベルチュールのチョコ。聞くだけでも贅沢なジェラートの3種盛り。

まずは「神戸ストロベリーラテ」から。これは想像以上ですよ。いわゆる苺ミルクといった甘ったるい感じではなく、美味しい苺が持つ甘味の深さとほんのりした酸味がある味。控えめなミルク感のバランスが絶妙です。

「倉敷キウイのソルベ」は粒々の食感が凄くて、かなりの素材感です。甘味を引き締める程よい酸味、素材そのものの味がソルベとして楽しめるのが嬉しい、食べだすと止まらないジェラートですね。

そしてベルギー産の「チョコチョコチップ」。5カ国のチョコレートを使用して食べ比べてみても、老舗カレボー社のクーベルチュールが一番しっくりきたのだそうで、選び抜かれたチョコレートのジェラートです。

これらのメニューは日々入れ変わりもあるそうで、行ってからのお楽しみとなります。全体を通して甘さのバランスがとても良く、沢山食べてもくどさがないのでいくらでも食べられます。

この日も入れ替わり立ち替わり、ご近所の常連さんが。子連れや自転車で来る人も多く、皆さんじっくりと味わっている姿がとても印象的でした。

「以前は、国内でイタリアのような素材感のあるジェラートを食べられるところが少なく、無いなら自分で作ろうと思って」と黒木さん。味の追及にも余念がありません。

本当に美味しいものを食べたい!という、自身の欲求から作られた本物のジェラート。素材を贅沢に使った本場イタリアの味、一度食べたらもう今までのものには戻れなくなるかも、ですよ。

ジェラテリア モンクション

ジェラテリア モンクション ホームページ (外部リンク)
ジェラテリア モンクションFacebook (外部リンク)
ジェラテリア モンクションInstagram (外部リンク)
3月の営業日時: 
平日12:00-17:30、土日祝11:30-18:00、
定休日は水曜、不定休(月2回火曜)
住所:神戸市灘区福住通4丁目2-17
阪急王子公園駅から徒歩約6分
電話:078-806-8825
※取材・撮影素材の提供協力 ジェラテリア モンクション
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旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

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