「わざと入りにくい店にしました」…小さな扉、その奥は迷路。謎めいたカフェを作った訳とは?【神戸市】
以前から、前を通るたびに気になっていたお店があります。可愛い壁の模様に、やたらと小さな扉。なぜ入らなかったのかと言うと、そこが何屋さんなのかが分からなかったからです。
三宮駅から東遊園地を更に海側へ下り、税関やKIITOのあるエリアに行くとそのお店があります。先日通った際に、扉の前にメニューが置いてあるのを発見しました。どうやらここの中にカフェがあるようなのです。
開けて良いものなのか、戸惑いながらもそっと扉を開けてみます。少しかがまないと中に入れない程、扉は小さくて狭いのですが、中に入るとあっと驚きました。
海外における日本のイメージ、クール&モダンな雰囲気というか、アジアの映画に出てくるような小部屋があります。そしてそこには誰も人がいません。ホントにここはカフェ?
小部屋の奥にまた扉があったので覗き込んでみると、今度はまた違った雰囲気の小部屋が。こんにちは〜誰かいますか〜?と小声で呟きながら狭い通路を一歩一歩進みます。
一番奥の部屋に入ると、小さなキッチンがありました。どうやらこの部屋がカフェのようですね。お店の方がいてひと安心、ちょっと間違えたら不法侵入ですよこれ。
気になることだらけでキョロキョロしてしまいますが、まずは席についてオーダーします。マロンパイとポット出しの紅茶、この店の雰囲気にぴったりのメニューかも。
カラフルさを堂々と主張しているソファーに、刺繍のカーテン、キラキラ光るクリスタルのランプ…それぞれに違った表情をしている家具たち。店内はとにかく個性に溢れています。
ここはカフェですか?と聞いてしまった私に、オーナーの方原さんから返ってきた答えは意外なものでした。
「ここは、ショールーム兼カフェです。」それでかぁ、いろんなことに納得がいきました。ここにある家具やカーテン、生地、小物などはほぼ全て販売できる商品なのだそうです。
「元々はトアウエストでショールームを5年ほどしていたけど、20年前にここに移動してきました。向こうでは人の出入りが多いだけに、お客様とじっくりと話して(インテリアなどを)決めてもらったりすることが難しくて」
「入りにくい扉にしたのも、誰でも入ってこれる感じにするとトアウエストでやっていたのと変わらなくなるから。効率を求めるのではなく、ちゃんと時間をかけて向き合いたいので」
なるほどです。だけど入りづらいようにしたあの小さな扉は、逆に凄い吸引力があるのですが。例えカフェでなかったとしても、開けてみたい欲求がマックスです。
「今までの顧客の方々とコミュニケーションを続けられる場所があったら良いなと思っていたので、インテリアを買わないでも入りやすいようにとカフェを作りました」と方原さん。
「収益をあげるためのカフェというよりは、ここでインテリアのある空間を体感して、知ってもらえたらという感じです。お茶と共にインテリア空間も楽しんでもらえたら」
脱サラして独学でデザインを始めたという方原さん。独学だからこそ型にハマらない自由さでデザインをやってこれたのだそうで、独創的な雰囲気のある内装やインテリアにも納得です。
「海外のクリエイターさん達が、頭の中にあるものがどれだけ実現化が難しいようなものでもスケッチしてちゃんと製品化していることに驚き、形にする大切さを学びました。それもまた自由な製作スタイルの元になっています」
「オーダー家具が得意分野ですね。インテリアをまとめてコーディネートしたりもしますが、枠から出た自由な発想で、ここでしかないものをと思っています」
もちろん、普通にカフェとして来られるお客さんも大歓迎ということですよ。インテリアやカーテンなどカフェで実際に使われているものが可愛くて、自分の部屋だったらこのカーテンが合うかも…なんてイメージが膨らむのも楽しい店内。
もうすぐ4月。新生活も近いなら、可愛くてワクワク感のあるカフェに座ってお部屋のアレンジを思い浮かべてみるのもいいかもですね。
Little Tree Cafe (リトルトリーカフェ)
nobu’sホームページ (外部リンク)
営業時間:10時〜18時
場所:神戸市中央区新港町8-2 新港貿易会館1F
Tel:078-326-7170
営業日:ショップ、カフェ共に現在のところ不定休(ご注意ください)
交通JR三ノ宮駅・阪急三宮駅・阪神三宮駅から徒歩15分、ポートライナー貿易センター駅から徒歩9分
駐車場あり
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