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売り切れたら閉店!究極にシンプルなカレーの秘密は「水なし、野菜の旨み、32種のスパイス」【神戸市】

Hinata Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

ある日、路地裏でカレー屋さんの看板を見つけました。「水を一滴も使わず32種のスパイスで煮込んだ」と書いてありますよ、これはかなり良さそうな予感がしますね。

「シャミアナ」という名前、以前どこかで見かけたような…記憶を辿っているうちに吸い込まれるように細い階段をのぼっていました。

2階にあるお店は小さめで、カウンターの7席のみ。メニューはチキンカレーとキーマカレーの2種類、あとはチャイとビールといった感じのシンプルな内容です。

サービスメニューがあり、カレー(チキンorキーマ)とターメリックライス、サラダ、チャイ付きで880円(税込)となっていたので、チキンカレーのセットを注文してみました。

まず出てきたのがサラダ。酢漬けの野菜、ピクルスといった感じですね。大ぶりのキュウリと大根をコリコリと食べながらカレーの到着を待ちます。

湯気を立てながら、チキンカレーが登場しました。とてもシンプルですが、そのトロリとしたビジュアルからしっかりと具材が煮込まれているのが伝わってきます。

スプーンを入れると、骨付きチキンがふたつゴロンと隠れていました。これは手羽元ですね、さわると簡単に身がほぐれ、軟骨も含めてきれいに食べられる柔らかさ。

おじさまが二人、店頭とキッチンをそれぞれに担当して切り盛りされているようです。この時はたまたまお客さんも少なく、カレーをいただきながら少しお話を伺ってみました。

「お店を始めたのは北野で、1978年から。ここ元町店は18年間やっています。北野店ではカレー以外にも色々出していたけど6年前にクローズして、今はここでカレーメニューのみです」

なるほど、老舗の名店のようです。「水は一切使わず玉ねぎを炒めて4時間、そこにトマトを加えて1時間、スパイスを加えて1時間炒めてカレーを作っています」と聞いて驚きました。カレーは野菜の旨味が凝縮された味だったのですね。

オイルさえ使っていないというこのカレー。だからでしょうか、食べ口が軽くて幾らでも食べられそうな雰囲気です。32種のスパイスもいい仕事をしているようで、味付けはあっさりしていているのに奥深さを感じるという独特な風味の豊かさがありました。

チャイも濃いめでしっかりと甘い、本場の味。カルダモンの風味がふんわりとやって来ます。このスパイスチャイの茶葉はレジ横で販売していておうちでも作れます。カレー用スパイスミックスもありましたよ。

カレーは毎日ある定数しか出さないということで、11時のオープンから15時までに売り切れたら閉店するというスタイルで営業しているそうです。早い時はすぐになくなるようなので、出会えたらラッキーぐらいの気軽さで行くといいかもです。

長らくお店をやってきて、もうお歳でもあり今は自分たちのペースでゆっくりとお店を楽しんでいるというオーナーさん達。その姿を見てお邪魔をしてしまうのではと一瞬ためらいましたが、記事を掲載してもいいよと言ってもらえたのでこっそりと教えます。なので、誰にも言わずにこっそりと一人で行ってみてくださいね。

シャミアナ

時間:11:00〜15:00 (なくなり次第、閉店)
予約不可
住所:神戸市中央区元町通2-3-7

旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

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