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「海を渡る神輿!」豊漁祈願と感謝を祈り、布団太鼓が練り合わせる秋まつり【神戸市・海神社】

Hinata Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

秋祭りの季節がやってきましたね。神戸市垂水区にある「海神社」では、賑やかな秋祭りが開催されていました。

毎年10月10日、11日、12日の3日間に「布団太鼓」の巡行が行われるこの神社界隈には、豪華で勇壮な布団太鼓をひと目見ようと大勢の人が集まります。

最終日の12日は快晴の中、朝早くから神社でご神事が行われていました。今年お神輿を担当する西垂水地区の担ぎ手たちが拝殿前に集結、日本酒の樽が並んで鏡開きが行われ、獅子が舞い踊ります。

ご神事が終わり、お神輿が海神社の鳥居をでて道路を渡り海へと向かいます。その間も道路上で回転をするなど華やかな動きが繰り広げられました。道路はその瞬間だけ封鎖され、一瞬の非日常が突如として現れる不思議な時間。

海へ到着するまでに何ヶ所かで止まっては神輿を下ろし、祭歌を歌ってはまたお神輿を持ち上げて歩く。それを何度も繰り返すうちに気持ちは徐々に高まり、海へと距離を狭めていきます。

港では船が待っていて、船の前で最後に祭歌を歌った後にお神輿が乗せられました。もう一つの船には道開きの神様、猿田彦大神が乗って船を海へと導いてくださるようです。お稚児さんたちが「行ってらっしゃーい」と声を出して元気よく手を振っている姿がありました。

お稚児さんたちの声に応えるかのように、船は二度三度と港内を回ってからゆっくりと外海へと出ていきます。神輿が海で巡航祈願をするご神事「海上渡御 (かいじょうとぎょ)」。神戸は海のまちである、そのことをしっかりと感じた瞬間でした。

この後、お神輿はまたこの港に戻り、夕方から垂水駅近辺での布団太鼓巡行を再開します。最終日の12日も夜遅くまでやっているようです。最後は垂水駅北側で東西の練り合わせが行われるのだそう。

その前に海神社への宮入り、宮出もあります。宮入りの際の、海神社の鳥居を布団太鼓がすれすれに通る時の緊張感や、海側の大鳥居を駆け抜ける時の高揚感など、肌で祭りを感じられる布団太鼓の巡行。

11日の夜には、垂水漁港を埋め尽くすほどの人が集まり、布団太鼓を囲んで大賑わいでした。それぞれの布団太鼓に灯りがともり、夜の闇に赤と金が美しく浮かび上がるとその豪華さが際立ちます。

航海安全・漁業繁栄の神として仰がれてきた海神社。各氏子地区の布団太鼓 (西垂水、東垂水、東高丸、塩屋) が次々とやってきては、漁師町らしい威勢のいい掛け声と勢いのある太鼓が勇しく響き渡っていました。

海神社の秋祭りは毎年同じ日取りで開催されます。布団太鼓の巡行は残念ながら今年は終了しましたが、行きたかった皆さんは来年ぜひご参加を!

そして、まだまだ遅くはありませんよ、山陽沿線での秋祭りがこれからです。お隣の明石市から姫路まで、神戸からも近場なのでぜひ行ってみてはいかがでしょうか。

海神社 秋祭り

海神社ホームページ (外部リンク)
兵庫県神戸市垂水区宮本町5-1
078-707-0188
海神社の秋祭り 毎年10月10日、11日、12日の3日間

旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

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