Yahoo!ニュース

世界一周クルーズ客船にはどんな人が乗ってるの?出航セレモニーに行ったら思わずじんわり【神戸市】

Hinata Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

最近、神戸にはクルーズ船がたて続けに入港していますね。港にもコロナ以前の神戸の活気が戻ってきているのを嬉しく思います。

早く海外に行きたい!と思いつつなかなか行けないままにいる最近、次の旅立ちへのステップとして擬似体験をするべく、大型クルーズ船の出航見送りに行ってきました。

ポートターミナル駅のホームから見えたパシフィック・ワールド号
ポートターミナル駅のホームから見えたパシフィック・ワールド号

神戸ではクルーズ船の入港スケジュール(※1)は常に公開され、誰でも入港や出航を目の前で見ることができるのをご存知でしょうか。実際に見ると動くクルーズ船は大迫力で、ちょっと感動の風景に出会えたりする時もあります。

その時々で歓送迎イベント(※2)が行われることもあり、神戸市消防音楽隊による演奏、神戸市消防艇による歓迎放水、各大学による演奏などもあったりと賑やか。

コロナ禍があけてから「世界一周」はもう3度目となるそう
コロナ禍があけてから「世界一周」はもう3度目となるそう

この日、神戸から世界一周へと旅立つ「パシフィック・ワールド号(※3)」は、演奏などはありませんでしたが独自の「出航セレモニー」をやっていました。YouTubeでの生配信もしているようですよ。

見送りに来た大勢の人の中には船で旅立つ人の家族や友人もいるようで、出航の瞬間を待ち構えている様子。緊張感とワクワク感の入り混じった何とも言えない雰囲気がこちらまで伝わってくる中、出航セレモニーが始まりました。

クルーズディレクターと通訳が司会、和気藹々とした雰囲気
クルーズディレクターと通訳が司会、和気藹々とした雰囲気

船側の小さなステージに立ち、乗客代表として挨拶をする人たち。シニアの夫婦から金髪の若者まで幅広い乗客がマイクの前に立ち、それぞれの旅立ちまでの経緯や胸の内をこちらに向かって話しています。皆、色んな想いで旅立つのだなと実感。

大学時代から「人生は自由だ!」と書かれた旅のパンフレットを壁に貼って、今日の旅立ちまでひたすら頑張ってようやく旅が実現したという女性も。涙を拭っているのは見送りのご家族でしょうか、そんな風景の中に混じっていると、まるで自分ごとのようにジーンとしてしまいました。

中には、飛び入りでマイクの前に立つ人たちも。上海から来たという男性は日本語で「地球は丸いです、行ってきまーす!」と、陽気な笑顔で手を振っていました。香港人の女性も自らステージへと上がって「3ヶ月半楽しみです」とコメント、即時に通訳されてこちらに伝えられます。それにしても皆さんノリが良いですね、若い人も進んでステージに立ち手を振ります。

乗客、スタッフ共に日本人の若い世代も多く乗っている様子
乗客、スタッフ共に日本人の若い世代も多く乗っている様子

この時は1800人近くの乗客のうち650人ほどが外国人で、船内でも充分に国際的雰囲気を楽しめるのだと聞きました。通訳もあり船内放送なども4つの言語でやるのだとか。

ついに、ドラの音が鳴り響きました。いよいよ出航のようですね。音楽が大音量で流れだし、希望に満ちた雰囲気での出発です。「行ってらっしゃーい!」と「行ってきまーす!」の声が飛び交う中、船は港から徐々に離れていきます。

さっきの出航セレモニーでほんの少しの時間を共有しただけで、旅立つ彼らが身近に感じられるような気がするのが不思議です。今から世界へ旅立つんだと思うと何だかゾクゾクと鳥肌が立つような高揚感も。思わず元気をもらいました。

船はゆっくりと方向を変えながら、神戸の港から出ていきます。音楽はまだ大音量で鳴り続け「Here we go (さぁ行こう!)」という歌詞が何度も聞こえてきます。希望に満ちたその曲は「Where The Adventure Bigins(ここから冒険が始まる)」というタイトルだと知りました。

世界の海へと繋がる神戸の入り口。港にはクルーズ船を受け入れ、見送ることで感じ取れる「旅の気配」があります。私の心は今日、船と共に旅立って行きました。

パシフィック・ワールド号が世界から神戸へと帰ってくるのは来年の3月末。それまで他にも色んなクルーズ船の出入りがある神戸の港。

それぞれ船ごとに違った出航の特色があると思います。皆さんもぜひ、旅の雰囲気を味わいにクルーズ船に会いに行ってみてはいかがでしょうか。

クルーズ客船情報

(※1)クルーズ船の入港スケジュール(外部リンク)
(※2)歓送迎イベント(外部リンク)
(※3)パシフィックワールド号(外部リンク)

神戸ポートターミナル

場所:兵庫県神戸市中央区新港町4−5
電話:078-331-0229
JR・阪急・阪神三宮駅よりポートライナーで5分

<関連記事>

旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

Hinata Yoshiokaの最近の記事