阪神・淡路大震災を、どこか遠い過去の出来事のように感じていた私たち神戸市民ですが、そうではないことを強く思い知らされた今回の能登半島地震。日本各地で頻繁に起こる地震を見ている限り、やはり防災は必須ですね。

日頃の防災を見直すことができるイベントが今月末に神戸で開催されます。その内容とこの度の能登半島地震に関して「防災NPOプラス・アーツ」の代表、永田宏和さんにお話を伺いました。(※能登半島地震に関する前回のインタビューはこちらです)

＜神戸の私たちが、今できることは？＞

「被災地での人命救助などが落ち着くと、そこからたくさんのボランティアが倒壊家屋や火事などの片付け、避難所の運営のサポートなど、行ける人は現地に行って活動が始まっていくと思うんですが、寄付や物資を送るなどもありますし、この先色んな形で関わっていくことができますよね」

「能登半島地震に関して神戸の私たちができる事はこの先その都度出てくると思うので、今すぐ何かをできなかったとしても気持ちを忘れずに心が寄り添ってさえいれば、その人のタイミングで何かができると思います。もう一つは『自分自身は大丈夫か？』ということですよね。ちゃんと(地震)対策ができているか。その両軸が大事だと思います」

「忘れてはいけないのは、神戸も終わってはいないということです。南海トラフ地震が来た時には被害をもたらすと思いますし、それがいつ起こるかわからないですよね。神戸も震災から来年で30年が経ちますが、風化してきていて地震を知らない世代も多くなっています。人口も半分以上入れ替わっていると言われていますから、今一度ここで見直す必要があるのではと思います」

＜プラス・アーツが行っている、防災イベント活動って？＞

「今回で15回目となるんですが、『JICA関西』『国際防災研修センター』『人と防災未来センター』などが毎年1月末に行っている『イザ！美(み)かえる大キャラバン！』という防災イベントがあります。防災教育の見本市のようなものなんですけど、自治体やNPOに加え兵庫県下の高校生や大学生などが考えたプログラムを持ってきて実践したり、企業も加わり色んな防災情報が発信される場となっているんです」

「まさに今学んで、備えるべき！という開催のタイミングなので、神戸の人たちにぜひ足を運んで欲しいですね。一部英語対応もあります、この状況下で言葉が通じず不安を抱えている外国の人も多いだろうと思うので、ぜひ来て貰えたらと。サポートスタッフの募集もしています」

「防災情報のキャッチアップができたり、工作もあったり、体験的なものもいっぱいあるのでひと通り色んなことが学べると思います。25ブースも出ていて大規模なものとなっているのできっと勉強になりますよ、多くの皆さんにぜひ参加して欲しいです」

…以上、「防災NPOプラス・アーツ」の代表、永田宏和さんのお話でした。

「カエルキャラバン」のイベント開催時にはよく中高生が手伝ってくれるのだそうで、普段からそうやっているとイザという時にも自然と助け合いが生まれるのだと永田さんは言います。

私たちが災害前にできる唯一の取り組みが「防災」。だけど防災と聞いてもどこか無関係だと感じてしまう人も少なくはないと思います。そこに一石を投じた「カエルキャラバン」という防災プロジェクト。

そこには、子供たちと一緒に防災をゲーム感覚で楽しんだり、手元にあるもので防災グッズを作ってみようという発想の転換がありました。今回はその大規模版ともいえるものなのだそうで、子供たちにとって災害時でもパッと動けることに繋がるイベントになるのでは。

もし、今被災地に行けなくて悶々としているようなら、ここに行って情報を貰ったり共有したり、自分ごととして何かを始めたりすることで気持ちが落ち着くかも知れませんね。

無料イベントで誰でも参加できます。防災を難しく考えずコミュニケーションすることで自然と前向きに動き出せる気もするので、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。

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※掲載写真は「防災NPOプラス・アーツ」様にお借りいたしました。