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長田区でこんな面白いイベントやるで!オープンファクトリーは今週末限定、みんな集まれ〜【神戸市】

Hinata Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

今週末の12日(金)と13日(土)に、神戸市長田区で行われるオープンファクトリー「開工神戸」は、靴工場や造船、ガラス工芸など長田のあちこちにある工場を自由に見学できる面白イベント。

スタンプラリーやワークショップ、ツアーや周遊バス(無料)まで用意されてるというからもうこれは一大イベントですね。サテライト会場のある新長田駅前など、何ヶ所かでキッチンカーも出るそうですよ。

「宮原ゴム工業株式会社」でのスーパーボール作りワークショップ  写真提供:開工神戸実行委員会
「宮原ゴム工業株式会社」でのスーパーボール作りワークショップ  写真提供:開工神戸実行委員会

とにかく長田っぽい、下町の魅力がたっぷりの「開工神戸」。今回は33もの会社が参加するのですが、その内のひとつが「神戸熔工」。100メートルもあるような巨大タンカー船などのディーゼルエンジンのパーツを作っている会社で、創業から76年という古くからの会社です。

去年のポスターのメインビジュアルになっていた「神戸熔工」は、戦前からの建物ともあって「まるでラピュタの映画のワンシーンのようだ」という声があがるほどの映え空間で、ずっと建物内の写真を撮りっぱなしだった人もいたそうです。

写真提供:開工神戸実行委員会
写真提供:開工神戸実行委員会

「実は初めてイベント開催した前回、果たしてウチに興味を持ってくれる人がいるのか、(古くて綺麗でもないのに)こんな会社に誰が来てくれるのだろう?という風に社長も従業員も皆そう思っていたのですが、当日は10時スタートなのに、もう9時半から前で待ってくれている人がいて…」そう話してくれたのは、神戸熔工の社員でイベントの実行委員会・副委員長の中阪さん。

「先着で3名限定のワークショップをすることになっていたのですが、それを待ってくれていたのが感動的でした。結局入れ替わり立ち替わり途切れることなく人が来て、最終的に150人程の見学者が神戸熔工を訪ねて来てくれたんです」

「皆さんの反応がとても良くて、凄い凄いと言ってリアクションしてくれたので、普段は強面の従業員もニッコリしながら作業していたのが印象的でした。ここは3Kと呼ばれる大変な作業現場なのだけど、何もない所から物が生まれる楽しさというのがあるんですよね」と、笑顔で教えてくれました。

写真提供:開工神戸実行委員会
写真提供:開工神戸実行委員会

熔接や鉄というものをもっと身近に感じてもらえたらと中阪さんは考えます。例えば熔接の仕事に興味が出たら、まず学校に通わないと働けないのですか?という私の質問に、いいえ、興味を持ったらまずは来てもらえたらとの答えが。まだ準備段階だけどもいずれは女性が働けるような環境も整えたいというお話でしたよ。

今回の開催でも一日3回、先着4名限定でワークショップがあるようです。前回のワークショップでは、形を切り抜いて完成したものだけでなく、切り抜かれて本来は捨てる部分も『カッコいいから欲しい』と言われたのが意外で驚きだったそう。参加者は小学生から年配の方まで満遍なく、海外の方や、女性も多かったと言います。

「旭屋ガラス店」での、去年の様子 写真提供:開工神戸実行委員会
「旭屋ガラス店」での、去年の様子 写真提供:開工神戸実行委員会

各会社、ワークショップなどは時間が決まっていますが、見学はいつでも自由にできてその都度で説明などもあるようです。

珍しいところでは、古民家の昭和な模様の窓ガラスを再利用してお皿に加工している「旭屋ガラス店」なども。他にも開工神戸HPの”EXHIBITOR”という部分をクリックすると全社の情報が見られるそう。

長田区の文化、食や芸術などのツアーも同時開催しているということで、神戸だけでなく全国の人たちにもぜひ来て欲しいと思えるような素晴らしい内容のイベントです。

「実はこのイベントの主役は、見に来る側の人ではなく工場の人たちだと思っているんです」と話すのは、神戸市職員としてこちらのイベントに携わる中村さん。

「自分たちがやっている仕事はとても魅力的な技術なのだということを知ってもらいたい。外の人たちの目を通してそれを再確認し、目線を変えてみることでモチベーションも上がるのでは」

写真提供:開工神戸実行委員会
写真提供:開工神戸実行委員会

「あとは皆さんそれぞれがこんなに近くで仕事をしているのに意外と繋がりがなくて。例えばこのイベントを通してお互いに知り合うことで、コラボして新しいチャレンジが生まれるような起爆剤になるといいなと思っています」と中村さん。

「このイベントが始まって以降、実際に面白い動きが始まっています。鞄や刺繍と熔接が出会って新しい物が生まれたり。皮に刺繍をし、それで作った鞄を置く什器を作ったりと今までにあまりなかった状況も生まれていているんで。今では異業種の会社の人たちで毎月一回集まって『新たな挑戦をしよう』と盛り上がっているんですよ」と、中阪さんも楽しそうに話してくれました。

写真提供:開工神戸実行委員会
写真提供:開工神戸実行委員会

イベントでは、普段は入れないような場所に入るワクワク感や、現場の職人さんたちとのコミュニケーションを是非とも楽しんで欲しいというメッセージを頂きました。どんどん盛り上がってきている長田、これはもう行くべきですね。今週末はみんな長田に集合!

オープンファクトリー「開工神戸」

オープンファクトリー「開工神戸」HP (外部リンク)
日程:2024年1月12日(金曜)・13日(土曜)
場所:長田区内 33箇所
時間:10:00〜17:00
入場無料、申込不要(原則)

※新長田駅前のサテライト会場がインフォメーションセンター
※長田エリアをぐるっと囲う形で2台のバスが30分に一本運行(遠い所でも10分から15分ほどで到着)
※詳しい説明のあるパンフレットはサテライト会場、もしくは各工場で配布予定

(記事中のお写真は去年の開催風景などです。全部お借りいたしました)

旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

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