凄いニュースが飛び込んできました。神戸にある小さなジェラート屋さん「ジェラテリアモンクション」が先日、イタリアジェラート協会が開催する世界大会で入賞を果たしたそうです！

世界最大規模のジェラート（＋菓子・パン・コーヒー等）の国際展示会「SIGEP」で、毎年開催されている「国際ジェラートコンテスト(Concorsi Internazionali)」。

イタリア各地からはもちろん海外からも有名な職人さんやお店が参加、今年の出品は総数百以上あったのではという中での受賞です。これはかなり凄いですよね。

しかも今回、受賞した課題はイタリア人にとってのド定番「ストラッチャテッラ」(粒々のチョコチップが入ったミルクジェラート)だったそう。さて、一体何位を獲得したのでしょうか。

実は、私は以前にも一度こちらのお店を取材したことがあるのですが、そのクオリティの高さには驚くものがありました。

本場イタリアで食べたその美味しさを再現するべく、ひたすらジェラートに向き合ってきたオーナーの黒木さん。美味しい素材を探し歩いては、その味を最善に生かせるよう研究を重ねる日々が続きました。

そしてついにその実力を試す時がやってきます。これぞという材料を揃え、応援してくれる皆の期待を背負ってイタリアのリミニ（Rimini）という街へ飛び立った黒木さん。

毎年開催されるという国際ジェラートコンテストには、今回は日本からも有名企業や有名店などから20名ほどが参加。世界からは例年数百と言われる出品数の中で、黒木さんは10位入りすることを目標に初参加です。

2年前にジェラート店をオープン、その4年前には既にこの世界大会に出ることを目指していたということですから、夢を抱き続けながら歩み続けた6年間。志も高く、大きな希望を持っての挑戦です。

ところが、コンテスト中に思わぬハプニングが発生しました。自由部門、課題部門のふたつあるうちの、自由部門で提出するように冷凍庫に入れてあったジェラートがまさかの紛失！3名ほどの提出物が忽然と消えてなくなっていたと言います。

これには黒木さんも大会事務局も大慌て、審査開始まであと1時間というタイミングで一から作り直しを迫られ作ったものの、材料も揃わず満足いく仕上がりにはなりませんでした。

実はかなりの自信作だった自由部門のジェラートだけに、ガックリ落ち込んでしまった黒木さん。その損失感から、課題部門の「ストラッチャテッラ」の入賞者発表の時にはぼんやりとしていた所、なんと突然ステージから黒木さんの名前が。

「7位と8位がイタリアの熟練職人さん達だったので、その上位に入ることは難しいだろうと思っていただけに、自分の名前が呼ばれた時には信じられずに何度も確認してしまいました」と黒木さん。見事、世界6位に入賞です！

そんな訳で、入賞した世界6位のジェラート、もちろん食べてみたいですよね。今日はラッキーなことに、同じものがあるということでワクワクしながら頂いてみることに。(※入賞したジェラートは、材料の関係で不定期での販売になります)

まず、さっぱり系のミルクに優しい甘みは蜂蜜、コクはマスカルポーネですね。そこにチョコの苦味がパリッとした食感で顔を出し、後味はほのかな酸味を感じ取れるという、まさに初めて食べる味わいです。これは興味深いですね、イタリア人も絶賛した訳がわかります。

材料には、60年の歴史がある「吉田養蜂場」の蜂蜜、Bean to Bar(カカオ豆から板チョコレートまでを自社内で一貫して行う製造スタイル)を実践している「シオヤチョコレート」、他にもイタリアのマスカルポーネなどを使っているそうですよ。

「チョコは酸味と苦味を感じられるよう2種類の味を作ってもらい、大小サイズも変えています。口溶けが違うように作り、それぞれに味と食感が出るようにしています」と、黒木さん。そんな細やかなこだわりから世界6位という結果が出たんですね。

「ジェラテリアモンクション」のお店に行くと他にも色んな味のジェラートがあるのですが、とにかくどれも素晴らしいの一言に尽きます。素材の味を最大限に引き出された、本場イタリアの味を知ることができるジェラート。

全国発送もしているそうなので、おうちでも食べられますよ。世界が認めた味を、ぜひ！

※ここからは追記です

自由部門で、謎の紛失事件の後に作り直したジェラート「抹茶コーヒー酒粕マスカルポーネ」が、特別な賞を受賞していたことが分かったそうです。今回の大会では3名だけがこの「Special Mention」を受賞、「イタリアの味を最も理解した上で、オリジナリティがある」といった意味の賞なのだとか。

イタリア語での説明だったので黒木さんは当初理解しておらず、最近気づいて表彰状の内容を現地スタッフに確認、受賞が判明したのだそうですよ。初参加でダブルの受賞、とにかく凄いです！

ジェラテリアモンクション

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※取材ではジェラテリアモンクション様の協力により、ジェラートを無償で提供いただきました。本記事制作にあたってはガイドラインに基づき公平中立に制作しています

※トップ写真のみ、お借りいたしました