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ニオイ・黒カビの原因になっているかも!柔軟剤の間違った使い方3選

平島利恵洗濯研究家

4児の母で洗濯研究家の平島 利恵です。
洗濯の際に柔軟剤は使っていますか?柔軟剤は、衣類を柔らかくする仕上げ剤です。
正しく使うと、衣類の摩擦を抑え、シワや毛玉などを防止し風合いを保ったり、静電気を防止したりすることができます。
ただし、使い方を間違えると黒ずみ蓄積汚れニオイ洗濯槽のカビ香害の要因となることも…。今回は、間違いがちな柔軟剤の使い方を解説します。

間違い1:洗剤と一緒に洗濯槽に直接入れる

洗剤はシャンプー、柔軟剤はコンディショナーのような役割です
洗剤はシャンプー、柔軟剤はコンディショナーのような役割です

洗濯機で洗濯をする際、柔軟剤と洗剤は異なるタイミングで投入されます。
洗剤は一番初めの給水の水に混ぜて投入され、洗剤入りの水で衣類を洗います。柔軟剤は一番最後のすすぎの水に混ぜて投入され、柔軟剤入りの水で衣類をすすぎます。
そのため、洗剤と柔軟剤を一緒に入れてしまうと、どちらも十分に効果を発揮することが出来ません。洗剤と柔軟剤の投入口が分かれているのはこのためです。

もし間違えて入れてしまったら

洗濯前であれば、洗剤ケースを空にし、よく洗います。
洗濯後に気付いた場合は、洗い直しが必要です。
洗いの水に柔軟剤が、すすぎの水に洗剤が入っているため、汚れも洗剤も衣類に残ったままとなります。入れ間違えて洗濯してしまった時は、残念ですがもう一度洗い直しましょう。

間違い2:衣類のニオイ対策として使う

衣類のニオイを落とすのは、洗剤の役割です
衣類のニオイを落とすのは、洗剤の役割です

柔軟剤は本来、衣類を柔らかくし、着心地をよくする仕上げ剤です。最近は柔軟剤を香りづけのために使用される方も増えていますが、柔軟剤による香害も新たな社会問題となっています。
消臭成分が配合された柔軟剤もありますが、ニオイそのものとすのは洗剤の役割です。柔軟剤では衣類のニオイの元を落とすことはできません。
いい香りの柔軟剤を使ったのに、衣類が臭う場合は要注意です!柔軟剤で衣類の繊維がコーティングされ、汚れが蓄積し、雑菌が繁殖している可能性があります。
衣類のニオイが気になるときは、「洗濯物の量」「すすぎ」の見直しが大切です。

洗濯物の量:洗濯槽の8割まで
すすぎの回数:2回以上

すすぎ1回の洗剤をお使いの場合でも、すすぎの回数を増やすことで衣類の汚れ残りを減らし、ニオイ・黒ずみを抑える効果が見込めます。

黒カビの原因にも

柔軟剤は、すすぎの最後の水に投入されるため、洗濯槽に成分が残りやすくなります。規定量以上使うと、残った成分をエサに黒カビが繁殖する原因となります。
黒カビが繁殖した洗濯槽では、どんなにいい香りの柔軟剤を使っても、嫌なニオイが残ってしまいます。それを誤魔化すために、柔軟剤を増やすと、蓄積汚れとカビが増え、さらに嫌なニオイが続く…という負のスパイラルにはまってしまいます。
柔軟剤は規定量を守って使用しましょう。

間違い3:タオルに柔軟剤を使う

柔軟剤はタオルの吸水性を下げてしまいます
柔軟剤はタオルの吸水性を下げてしまいます

柔軟剤は繊維をコーティングするため、タオルに使用すると、吸水性が下がります。
どうしてもタオルをふわふわにしたいときは、10回に1回ほどを目安に使用します。

柔軟剤が多すぎるとタオルはどうなる?

柔軟剤を使い続けたタオルと、使っていないタオルで実験を行いました。吸水性が下がっていることが分かりますよね。

タオルをふんわりさせるためには、パイルを立たせることが大切です。たっぷりの水でパイルを良く洗い、干す前に4方向からバサバサと大きく振り、パイルを立たせてから干しましょう。

柔軟剤は正しく使うと、衣類と繊維を整える役割があり、これからの季節、ニットやおしゃれ着の洗濯には欠かせません。衣類に合わせた使い分けと、香害にならぬよう、周りの方へ配慮をしながら、柔軟剤を活用しましょう。

洗濯研究家

2004年に武庫川女子大学文学部を卒業し、株式会社リクルートに入社。じゃらんのEC事業に携わり、株式会社マクロミルへ転職。東日本大震災をきっかけに布おむつ専門店を立ち上げ、EC事業を展開。2013~2015年NY在住中に揉み洗い不要のつけ置さ洗剤の着想を得て帰国。株式会社Heulie 設立。洗濯洗剤と布ナプキンブランド"Rinenna"を展開。洗濯研究家として、「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。TV、雑誌等のメディアへの出演多数。四児の母。

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