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旅行・出張先からトコジラミを持ち帰らない!旅先での応急処置と帰ってからの注意点

平島利恵洗濯研究家

洗濯研究家の平島 利恵です。
このところ毎日のように「トコジラミ」のニュースを目にし、年末年始の休暇前に心配な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

海外旅行者、訪日外国人の増加により、日本でも都市部でトコジラミの相談が増えています。

トコジラミは、2週間もの間吸血をしなくても生き延びることができるため、人や物の移動時に紛れ込み、知らぬ間に家庭に持ち込まれてしまいます。
そのため、清潔にしているご家庭・ホテルであっても繁殖のリスクがある、厄介な害虫です。

実はトコジラミの繁殖のピークは春先~夏にかけて。春以降はさらに注意が必要です。

今回は、トコジラミの被害が多い地域へ旅行・出張される方に、旅先・帰ってからの注意点を解説します。

トコジラミを家庭に持ち込まない!4つのポイント

旅先では血糞・抜け殻がないか確認

トコジラミは夜行性で、吸血源となる人間の近くであるベッド周りに潜伏することが多い害虫です。繁殖している場所には、黒いシミのような血糞(けっぷん)があります。また、トコジラミは成長の過程で脱皮を繰り返すため、抜け殻が残ります。
ベッド周り、部屋の四隅などにこれらがないか、部屋に入ったら確認しましょう。

荷物はベッドから離れた高い場所に

トコジラミは、荷物に紛れて家庭に運び込まれるため、スーツケースやリュックなどはなるべくベッド・床から離れた場所で開き、保管しましょう。

持ち帰った荷物は浴室で開ける

帰宅後は、荷物を浴室で開け、洗えるものはすぐに洗濯します。洗濯の際は、アルカリ性の洗剤を使用します。

熱処理で殺虫

トコジラミは水に強く、洗濯するだけでは死滅させることができません。ただし熱に弱いため、熱をかけられるものは熱処理しましょう。(例:熱湯でつけ置き・高温乾燥・アイロンをかける)
50度で30分、80度で5分、100度なら数秒で死滅します。

※衣類の種類によっては、高温処理をすると縮んだり風合いを損ねる恐れがあるため、必ず洗濯表示を確認しましょう。

旅先で心配な場合は電気をつけて寝るのも◎

トコジラミは夜行性なので、室内の電気をつけたまま寝ると、被害を防げる可能性があります。被害が大きい地域に出張・旅行する場合は、アイマスクを持参するのもよいでしょう。

トコジラミは、一度繁殖してしまうと、家庭で完全に駆除するのが難しい害虫です。大切なのは「家庭に持ち込まない」ことです。
移動の多い年末年始は、旅先でも帰った後も、注意しましょう。

洗濯研究家

2004年に武庫川女子大学文学部を卒業し、株式会社リクルートに入社。じゃらんのEC事業に携わり、株式会社マクロミルへ転職。東日本大震災をきっかけに布おむつ専門店を立ち上げ、EC事業を展開。2013~2015年NY在住中に揉み洗い不要のつけ置さ洗剤の着想を得て帰国。株式会社Heulie 設立。洗濯洗剤と布ナプキンブランド"Rinenna"を展開。洗濯研究家として、「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。TV、雑誌等のメディアへの出演多数。四児の母。

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