【佐賀市】 仲代達矢さん、トークショー&映画「春との旅」で古湯映画祭に9/16(土)登場
佐賀市のフォレスタふじで2023年9月16日(土)から開催中の第38回古湯映画祭を観に行きました!
古湯映画祭は、バスだと佐賀駅バスセンターからフォレスタふじまで40分で行けますが、車だと富士支所にたくさんの駐車場が用意されていました。すでにたくさんの車であと少しで満車しそうな状態でした。
この日は13時から小林政広監督追悼上映、仲代達矢さん主演の「春との旅」を鑑賞した後は、16時から仲代達矢さんのトークショーがありました。
「春との旅」は、元漁師の忠男とその孫である春と最後の住まいを求めて、忠男の姉弟や親せき、また春の生き別れた父親に会うため2人で旅をするお話となっています。
北海道や東北を舞台に描かれる人間ドラマで昨年この世を去った小林政広監督の追悼上映にもなります。
主演の仲代達矢さん、また春役を演じた徳永えりさんの演技のひとつひとつの仕草やセリフなどが人間味にあふれとても素晴らしかったです。脇を固めるキャストには淡島千景さんや大滝秀治さん、田中裕子さんや香川照之さん小林薫さんなども出演されていました。
柄本明さん演じる弟のと忠男と激しく口論となりぶつかり合うシーン、春の父親役の香川照之さんと春が対峙するシーンなどが特に印象に残っています。
映画を観ながら涙があふれてきて号泣しそうになってしまいました。とても良質な映画でした。
そして映画を観た後は仲代さんのトークショーが始まりました。古湯映画祭では映画やトークショーごとに席の入れ替えがあります。
並びなおしてから今年から復活したござに座りました。綿のようなものがござの下に敷かれていたようでとてもふかふかな座り心地でした。
仲代さんのお名前の書かれた席を登壇前に見ながらトークショーを心待ちしていました。
トークショーが始まると、歓声上がりみなさん拍手で仲代さんを迎えていました。
仲代達矢さんはやはり、オーラがすごくて登場した瞬間、かっこいいなどの声がたくさんあがっていました。
春との旅はおおよそ13年前の映画で、小林監督のシナリオに仲代さんが惚れこんで出演を快諾されたようです。昨年亡くなられた小林監督のエピソードを進行役の古湯映画祭の実行役・大歯雄司さんとともに語っていらっしゃいました。
仲代さんが映画はシナリオを超えたと小林監督におっしゃられたように、訪ねていく先々で、それぞれ生きてきた人たちの背景が見えてきて、シナリオに肉付けされた俳優さんたちの深みのある演技また東北や北海道の風景、監督の演出が素晴らしい作品を生み出していると感じました。
会場からの質問も優しく答えられていました。質問されている方の中には東京や福岡など県外から来られた方もおり、古湯映画祭の影響力をあらためて感じました。会場にいた子供さんからの「朝ごはんは何を食べてきましたか?」というかわいい質問にも優しく丁寧に回答されていました。
他にも無名塾での教え子である役所広司さんのお話もされていました。質問を受け芸名をつけたのは仲代さんとのことで「役どころ広し」という意味合いもあったとのことです。今年第76回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した際もご報告を受けられたとのことでした。
また最近は舞台の演出などもされており、ご自身は演出のみで東京と石川県の能登地方で無名塾の舞台が公演されるとのことでした。
優しさとオーラにあふれた仲代達矢さん、今回で2回めとのことで2012年にもこの「春との旅」という作品で、小林監督とともに古湯映画祭まで来られたとのことでした。
そのときは新聞ですでに佐賀に来てらっしゃった後とのことで、非常に残念に思った記憶があるのですが、今回トークショーを観ることができてほんとうによかったです。
またフォレスタふじのロビーでは、これまでの古湯映画祭の写真がホワイトボードに貼られていました。
配布された古湯映画祭のパンフレットを見ていると、2013年には、小林政広監督が2年連続で古湯映画祭に来ていただき、降旗康男監督、大林宣彦監督、井筒和幸監督、周防正行監督、阪本順治監督や佐々部清監督、緒方明監督、入江悠監督、石井岳龍監督など日本を代表する有名な監督が同年佐賀にいらっしゃっていたようです。
2015年には役所広司さん、古舘寛治さん、沖田修一監督、成島出監督とともいらっしゃっていたようです。
また珈琲ルームや休憩所なども用意されており、待ち時間もくつろぐことができました。古湯の澄んだ水で作られたコーヒーはとてもおいしかったです。
大変充実した古湯映画祭、今回初日しか行けなかったので次回は3日間行けるようにしたいと思いました。来年の古湯映画祭も楽しみにしています。
フォレスタふじ
佐賀県佐賀市富士町大字古湯2624