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保育士の残業を減らす有意義な時間の使い方3選~元男性保育士が教える【保育士の楽しい働き方】

hirofuminice元保育士Webライター

保育現場や教育現場で働く男性の皆さん、こんにちは。

元男性保育士のナイスと申します。

僕は元男性保育士、そして2人の子どもの父親として子育てや保育について発信する活動中です。元保育士なので、現在保育や幼児教育の現場で頑張っている皆さんを心から応援し、何か力になりたいと思っています。

今は保育士が大変な職業であることはよく知られていますが、いまだに保育士は子どもと遊んでいればよいだけの楽な仕事だと思っている人もいるのです。そして、大変な思いをしながら頑張っている保育士さんも大勢いますが、中には保育士という職業を心から楽しんでいる人もいます。両者の違いはなんでしょう?

保育士は決して楽な仕事ではありませんが、それ以上に楽しさや喜びがたくさんある仕事です。そのバランスが崩れ、楽しさや喜びよりも大変さや辛さが多くなると、心身の不調や離職につながってしまいます。せっかく夢や希望をもって素晴らしい保育士の仕事に就いた皆さんが毎日笑顔で過ごせるよう、保育士が楽しく働ける方法を提案したいと思います。

第1回のテーマは、「保育士の有意義な時間の使い方」です。うまく時間を使えれば気持ちの余裕がもてて、子ども達と過ごす時間がより楽しくなります。そして、プライベートの時間も充実でき、仕事にも前向きに取り組めるよい循環ができるのです。毎日時間に追われて過ごしているという保育士さんは、ぜひ参考にしてください。

なぜ保育士は時間に追われるのか?

園によって違いはありますが、一般的に保育士の仕事量はとても多いです。基本的に、日中は子ども達と一緒に過ごします。休み時間は教師が教室を離れ子ども達だけで過ごす小学校や中学校とは違い、0歳児から5歳児まで在籍している保育園やこども園は保育士が子ども達の元を離れるということはあり得ません。必ず複数の保育士(大人)が、常時子ども達と一緒に過ごさなければなりません。中には、なかなかトイレに行く時間もないという人もいるでしょう。

午睡中は少し手が空くので交替で休憩をしたり事務仕事をしたりできますが、子ども達が寝ている間も必ずそばについて呼吸の確認などをしなければなりません。しかし、保育士は指導計画や経過記録などの書類の作成、保護者への配布物の作成や子ども達の制作物の下準備や仕上げ、行事の準備、保護者への連絡帳の記入、園内外の環境整備などやることは山積みです。8時間の勤務時間のほとんどを子ども達と過ごし、夕方子ども達が降園した後には事務仕事などができますが、たった1時間や1時間半では全ての仕事を片付けることは不可能でしょう。そして、保育園は11時間とか12時間、あるいはそれ以上の長時間保育をしているため、早番や遅番などシフト制で勤務する園が多くあります。早番は子ども達が降園すると同時に勤務終了、遅番は延長保育に入るため事務仕事をする時間がほとんどありません。

したがって、毎日のように残業をしたり仕事を家に持ち帰ったりしている保育士が多いのです。残業が多くても手当がしっかりと支給されればまだよいですが、日々残業した分の手当てが全て支給されるという園は少ないでしょう。何より長時間労働をしていると、健康面が心配です。

保育士の残業を減らす方法① 時間を決める

日中は子ども達の保育を全力で頑張って、夕方いざ事務仕事をしようと机に向かってもやる気が出ないときはありませんか?人間の集中力や頑張れる力には限りがあるので、1日中ずっと緊張や集中し続けるのは無理です。子ども達は帰った後は、無事に1日を過ごせた安堵感からだらけてしまうのも無理はありません。しかし、そのままついダラダラと仕事をしていても要領が悪く、時間は無駄に過ぎてしまいます。

そのため、1つ1つの仕事の予定時間を決めましょう。たとえば、退勤時間を決めて、それまでに終わらせる仕事を決めるのです。もちろん予定通りにいかないこともありますが、18時になったら途中でも切り上げて帰ることに徹底します。また、「クラスだよりを1時間、制作物の下準備を2時間」など、1つ1つの時間の予定時間を決めましょう。時間が決まっていないと延々とやり続けてしまいがちですが、目標時間を決めることで時間内に終わらせようと集中して取り組めます。

保育士の残業を減らす方法② To Doリストを活用する

保育士は仕事量が多く、複数の仕事を同時進行でやらなければならないこともよくあります。やらなければいけない仕事をうっかりしていて、気付いたときには期日の前日で、終わるまで帰れず遅くまで残業してしまったという経験はありませんか?まだまだ時間があると思って先延ばしにしたために間際になって慌てたり、日々やっておけばなんてことのない仕事を溜めてしまったために大変な思いをしたりという人もいるのではないでしょうか。

計画を立ててコツコツ仕事を進める習慣が身に付けば、上手く時間を使えるようになります。そのために、To Doリストの活用は効果的です。やらなければならないことが明確であれば、時間の見通しを立てることもでき、仕事の優先順位も一目でわかります。「優先度の高い順番に書く」「色分けする」などの方法も有効です。「1日ごと」「週ごと」「月ごと」などそれぞれの期間でTo Doリストを作り、チェックしながら仕事を進めていきましょう。1つ1つチェックしながら仕事をすると、達成感も感じやすいのでおすすめです。

保育士の残業を減らす方法③ ほかの人の仕事を手伝う

「自分の仕事だけで手いっぱいなのに、ほかの人の仕事まで手伝っていたら尚更帰る時間が遅くなる」と思う人もいるでしょう。もちろん、毎日ほかの仕事を手伝う必要はありません。余裕があるときだけでよいのです。自分の仕事が早く終わっても、先輩や同僚の仕事が終わっていないと帰りづらいと思った経験はありませんか?自分の仕事が早く終わり、余裕があるときにほかの人の仕事を手伝えば、みんなが早く帰ることができます。そして、あなたが仕事をたくさん抱えて大変な思いをしているときには、反対に手伝ってもらえるかもしれません。

もちろん、自分の仕事が終わっていれば周りを気にせず帰っても問題はありません。しかし、「自分は早く帰りたいのにみんなが残業をしているから帰りづらい」という人は、ぜひ実践してみてください。「早く帰りたいのにどうしてみんな帰らないの!?」と不満に思っているだけでは変わりませんが、あなたがテキパキと仕事をして早く帰ったり、周りの人を手伝ったりするようにしていると、周りの人も影響されて効率的に仕事をし、早く帰る職場に変わるかもしれません。

まとめ

職場の人間関係は大切です。保育はチームでするものなので職員の人間関係がよい園は働きやすく、子ども達にとってもよい環境であることは間違いありません。残業や仕事の持ち帰りが当たり前になっている園では、若い保育士は帰りづらいと感じるものです。その環境を変えたくても、自分1人ではなかなか声を挙げづらいでしょう。しかし、時間を有効に使って仕事を片付けるあなたの姿が、周りの人達によい影響を与えられるかもしれません。まずは、今回提案した3つの方法を実践してみてください。その先に、残業や仕事の持ち帰りが少なくなることを願っています。

元保育士Webライター

元保育士で、現在はフリーランスとしてWebライターのほか、リトミックや親子遊びの指導など幅広く活動しています。保育士やリトミック指導のスキルや知識、父親としての子育て経験を基に、子育てや保育に関する情報を発信していきます。

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