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園の方針や同僚の保育と理想の保育観が合わないときの対処法~元男性保育士が考える【保育士の働き方】

hirofuminice元保育士Webライター

元男性保育士のナイスです。

保育士の皆さん、毎日のお仕事お疲れさまです。

日々保育に携わっている皆さんは保育や教育、子育てにはさまざまな考え方ややり方があることを実感していることでしょう。体罰や虐待など絶対にやってはいけないことや、一般的に“よいこと”だと推奨されている考え方ややり方もあります。しかし、推奨されているやり方が全ての子どもに共通するとは限りません。一人ひとりの子どもによって、最善の対応は異なることもあります。そのときの状況によって変わることもあるでしょう。

そして、「保育所保育指針」や「こども園教育・保育要領」などは何年かに一度改定され、保育内容も時代によって変化します。しかし、ベテランの保育士の中には古くからのやり方や考え方が染みついてしまい、変化に対応できない人はいるものです。若い保育士さんが学校で最新の保育を学んで理想の保育観をもって張り切って就職しても、園の方針や先輩保育士の保育観がアップグレードされていないと違和感や不信感につながります。最近は「不適切保育」がたびたび報道されていますが、先輩保育士が不適切保育まではいかなくても若い保育士にとって疑問に思う保育をしているケースもあるでしょう。しかし先輩に指摘することは難しいため、大きなストレスになります。

今回は、園の方針や一緒に組む保育士との保育観ややり方が異なるときの考え方や対処法などについて考えましょう。

園の方針と自分の保育観が合わないときの考え方と対処法

「子ども達の気持ちを尊重し、自由にのびのびと保育したい」「園庭でたくさん遊んだり散歩に出かけたりしたい」など、一人ひとりの保育士にはやりたい保育があるものです。しかし、就職した園では「一斉保育が中心でやることがたくさんある」「行事がたくさんあって行事に向けての活動が中心」など、思うような保育ができない場合があります。

職員として雇われている以上は、園の方針を無視して自分の思いを貫くことはできません。たとえ自分の考え方が時代に求められているものだったり子ども達にとってよい内容だったりしても、園の方針に従うことが求められてしまいます。

園の方針と自分の保育観が合わない場合の考え方や対処法は、次の3つが考えられます。

園の方針と保育観が合わないときの考え方と対処法① 園の方針の範囲の中で創意工夫をする

園の方針に従いつつも、できる範囲で自分の理想の保育を少しずつでも実践する工夫をしましょう。

自分の考え方とは違っても、仕事だと割り切って保育しているという人もいるかもしれません。しかし、せっかく保育士という素晴らしい職業に就いたのに楽しさややりがいを感じられずストレスが溜まってしまうでしょう。「行事に追われる中でも、活動と活動の合間に子ども達の気持ちに沿ったのびのびとした時間を作る」「一斉保育の中でも自由に過ごせる時間をできるだけ確保する」など、できる方法を考えて実践してみましょう

あなたが実践した保育で子ども達が生き生きと過ごしていれば、子ども達の様子を見た園長や主任保育士の考えが変わるかもしれません。「自分の理想と違うから何をしても無理」だとあきらめず、できることを少しでも工夫してみてください。

園の方針と保育観が合わないときの考え方と対処法② 園長に自分の意見や要望を伝える

自分の意見が正しいと思うなら、直接話してみましょう。

職員会議で意見を述べたり園長に直接話したり、伝えやすい方法で伝えてみることをおすすめします。

園長や主任保育士は「長年やってきたことだから」「理事長の方針だから」などの理由で、疑問に思いながらも改善できない場合もあるでしょう。中には勉強や知識の不足で、疑問をもたない上司もいるかもしれません。あなたが意見を伝えることで、気づいたり考えたりするきっかけになります。

意見を聞き入れてもらいやすくするためには、日頃から仕事に誠心誠意取り組んで信頼してもらうことが大切です。また、保育雑誌やインターネットの記事など根拠となる資料を見てもらうのも効果的でしょう。

園の方針と保育観が合わないときの考え方と対処法③ 転職する

自分の理想と近い保育を行っている園に転職する方法もあります。

「意見を伝えても改善されない」「話を聞いてくれるような上司ではない」などの場合は、見切りをつけて自分の理想と近い園を探して転職するのも1つの方法です。

転職する際は、できるだけ年度途中は避けましょう。(「保育士は年度途中に退職してはいけないのか?~元男性保育士が教える【保育士の退職】」)

年度が切り替わるタイミングで転職できるよう、働きながら転職活動を行うことをおすすめします。仕事をしながらの転職活動は大変ですが、転職エージェントに登録すると相談に乗ってもらえたり情報を教えてもらえたりするので心強く、スムーズに転職活動が進められるでしょう。

先輩や同僚と自分の保育観が合わないときの考え方と対処法

園の方針は自分の保育観と合っているのに、同じクラスで一緒に保育をする先輩や同僚の保育士がその方針とは異なるやり方をする場合があります。人間関係が気まずくなることを避けたり先輩だから言いにくかったりして、ストレスを感じながらも我慢している人は多いでしょう。年度が変われば担任も交代するため、1年間だけ我慢して頑張る人もたくさんいます。

しかし、園の方針と違うことをしている職員がいるのはよいことではありません。まして子ども達にとってよい影響がないと思うことなら、一刻も早く改善する必要があります。改善する方法は、「直接話をする」「上司に相談する」の2つあります。

先輩や同僚と保育観が合わないときの改善方法① 直接話をする

直接言うのは勇気がいることですが、子ども達のために改善しようと思うなら勇気を出して“提案”という形で話してみましょう。

クラスで話し合いの場をもち、指摘された先輩や同僚が反省や納得をして、少しずつでも改善してくことが理想的な解決方法です。

その際、たとえあなたが正しいとしても相手を全否定したり感情的になったりしてしまうと、相手が素直に聞き入れることができなくなります。相手を責めないように心がけ、自分の意見を話すだけではなく相手の考えにも耳を傾けましょう。もしかしたら誤解や考え方の相違があり、話し合うことで解決してよい方向に向かうこともあります。

先輩や同僚と保育観が合わないときの改善方法② 上司に相談する

直接話をしても改善されない場合や直接は言えないという場合は、上司に相談しましょう。

告げ口をするようで気が引けるかもしれませんが、園の方針と違うことをしている職員がいるため、職員として上司に報告や相談をする義務があります。

「上司から話をしてもらう」「上司を交えた話し合いをする」「担任交代をする」などいろいろな対処法がありますが、上司は園がよくなるために最善の方法を考えて実践してくれることに期待しましょう。上司に相談したことで人間関係が気まずくなったとしても、園全体で職員一丸となってよい保育をするためには必要なことです。

もし、上司に相談したことで嫌がらせなどの被害を受けるようであれば、そのことも上司に報告してください。よいことをしたあなたが被害を受けることがないようにしましょう。

まとめ

保育はチームワークが大切です。園全体で同じ方向を向いて、子ども達や保護者のために力を合わせて進んで行かなければなりません。しかし、年齢や育ってきた環境などが違う人間同士が一緒に仕事をするので、考え方や意見が違うことがあるのも当然です。

ある程度は我慢しなくてはならないこともあるでしょう。しかし自分を大切に、そして子ども達にとって何が最善なのかという観点で考えていることが大切です。迷ったときは、自分と子ども達にとってどうするのが最善の方法なのか考えてみてください。

元保育士Webライター

元保育士で、現在はフリーランスとしてWebライターのほか、リトミックや親子遊びの指導など幅広く活動しています。保育士やリトミック指導のスキルや知識、父親としての子育て経験を基に、子育てや保育に関する情報を発信していきます。

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